今日は朝6時前に目が覚めました。宿泊したホステルは530円と格安のカプセルホテルで駅からも近く便利な場所でしたが、冷房が効きすぎて夜中に寒さを感じてしまいました。チェックアウトの際は、デポジットとした100000ルピア(千円)が領収書とともに4つ折りにされて、引き出しに保管されていたようで、昨日受付をしてくれた方と異なる人の対応でした。これなら担当者が代わっても迷うことはありません。
この街は旧植民地時代の建物が残る地域が近く、当然の事ながら海岸も近いのです。マレーシアのマラッカも海洋交易の拠点として海岸線の近い場所から発展していきました。6時半にチェックインを済ませ、途中で列車内での食料を確保して駅に向かいました。既に搭乗券を持っていたので、それを改札口のスタッフに見せて入場です。係員に聞くと3番線に列車が入るから、ここで待つように指示されました。3番線には行き先の異なる列車が停車しています。その列車が出発してから、入線するようです。出発の30分ほど前に、駅員がメガホンを持って「Menorahイクスプレスは3番線です。」と繰り返し声をかけています。インドネシアの列車はスタッフの数が極めて多いようです。駅周辺には、案内係、整備担当者、警備担当者、車両内の掃除スタッフ、車内販売のスタッフ、そして駅業務本来の駅員そしてポーターと多種多様な職務が分担されています。勿論、切符販売所にも担当者が配置されています。お客さんの数よりも多い印象を受けます。
列車は定刻7:55分に出発ですが、印象に残るのは、駅のスタッフ9人がイスラム式の挨拶で列車を見送っている光景です。多分「無事に到着しますように、神のお加護を」そんな意味かもしれません。これは挨拶というか、お祈りに近い感覚です。列車は田園風景の中をひた走ります。幸いに天候に恵まれ、青空は広がりませんが、曇り日の中を勇ましく西へ西へと進んでいきます。30分ほど走行すると、遠くに台地上のなだらかな丘が遠方に見えています。それは多分有名なディエン高原なのでしょう。場所によっては、かなり標高の高そうな山を遠くに眺めながら走ります。それは、日本の初夏の田園風景と変わりません。まるで私の住んでいる富山平野を走る電車の雰囲気と合致しています。列車の設備は、日本のひと昔前の急行列車、特急列車に近い設備を持っています。それで400キロの距離を6時間半かけて走行しています。ちなみに料金は2500円程度でした。列車によって料金は異なるそうで、オンラインサイトで探すとその4倍程度の列車もあります。この国の列車の切符価格は距離で料金が異なるのではなく、列車名によって区間を問わず同一料金になっているそうです。セマランより東にあるスラバヤからの乗車でも、セマランから乗っても同じ料金を払う必要があります。前回乗車したバンドンからジョグジャカルタの列車はほぼ満席でしたが、今回の列車は始発からは30%程度の込み具合で3時間ほど経過してから、徐々に乗客が席を埋めていました。概してインドネシアの駅は市街から離れた場所に位置することが多く、小さな駅の場合は、いったい人々はどこに住んでいるのだろうかと首をかしげたくなるような場所に駅が設置されている場合もあります。ジャカルタが近くなってくると、工場らしきものが続々と目に飛び込んできます。それと同時に散乱しているゴミの山も抱き合わせで眺めることになりました。ようやく終点が近づきましたが、近郊への通勤通学用の車両は日本で使っていた中古品だそうで、塗装の一部を塗り替えたようで、何となく東京や大阪の国電に似た形の電車が次々と目に入ります。列車は定刻より5分ほどの遅れでジャカルタのパサールスニン駅に到着しました。インドネシアの長距離列車は日本のそれに比べると安いのですが、快適な旅が期待できます。長距離バスは、車両のタイプによって列車よりも高い場合もあります。インドネシアでは、列車は女性客も多いのが目立ちます。というのは、インドネシアの場合は駅構内は禁煙で、列車内も禁煙となっています。四六時中たばこを話せないこの国の男性にとっては、長時間の禁煙は苦痛なのでしょう。長距離バスなら3時間毎に休憩を挟みますから、それを利用して喫煙を楽しめるということなのでしょう。
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