2024年12月23日月曜日

EP18 アリとその家族

アリの家に着いて早速両親を紹介されました。今から20年ほど前に整備された日本で言えば新興住宅地の一角にあります。敷地内は碁盤の目のように道路が走り、新旧の家が立ち並んでいます。30から40メートル四方の土地が区画される中にアリの新築の家は半分未完成の状態です。他に古い建物も壊さずに両親夫婦と弟が暮らしています。更にもう一棟は昔、牛小屋だったそうですが、今はキノコ栽培を始めています。アリとお父さんはバイク修理屋も営んでいますから、地元の人々からの修理依頼が続いているようで、ガレージには6台ほど整備を待っています。五か月前に日本から帰国したばかりのアリです。お母さんは到着時に顔を併せて挨拶したものの、再度アリの新居にやってきて「息子が日本にいる時は、大変お世話になったそうで、本当に有難うございました。」と至極丁重な挨拶を受けました。私も凄く恐縮してしまいました。

アリも数回私の家に皆とやって来ました。いつも笑顔を絶やすことなく振舞ってました。一度機会があって、高岡市南部にあるアパートを訪問したことがあります。コロナでみんな生活が苦しくなっている時期にメルカリのアプリ紹介で一人当たり2000円のデジタルマネーがもらえるプロモーションがあったので、アリに秘伝を教え、最終的に彼は会社の同僚(多くはベトナム人)をターゲットにし8000円をゲットすることが出来ました。彼はその時お米を買うお金がなかったそうで、「あの時は本当に助かりましたよ。有難う」と再三お礼を述べてくれました。彼のアパートを訪問した時に、アリがチャットしていた恋人ともタイミング良く、私も一緒にビデオコールをしていましから、初対面の奥さんも何の抵抗もなく、にこやかに対応してくれました。アリの考えでは、ある程度お金を貯め、経験を積んで30歳になったら結婚するという人生の目標を設計していました。今までは一人だったから自由があって責任もない日々ですが、是からは色々と難題が出てくることを承知で帰国後、すぐに結婚したそうです。そして今は奥さんは妊娠一か月経過という状況です。彼女は大学を卒業して化粧品メーカーの研究室に勤務している他、ジョグジャカルタで学生生活をしていた時期にメークアップ(美容関連)もアルバイトとしてやってきたそうで、今でもジョグジャカルタのホテルを通じて顧客の依頼があるそうで、週に何度か出かけるとの事、ジャカルタは女性一人でのバイク移動は危険なので、アリがいつも送迎を引き受けるようです。そんな仲睦まじい新婚夫婦の姿は見ているだけでも幸せな光景です。

アリの家には以前から小型乗用車があったのですが、日本から帰ってから少し大きな車両に乗り換えたそうです。この車両なら運転手を含めて最大8人乗れるのが利点だそうで、皆でピクニックに行くのには好都合です。近くの最大の町ジョグジャカルタまで20キロほどの距離ですから便利な場所に住んでいます。今は未完成の家を完成させるのが急務なのですが、先立つものの工面が大変です。しかし、コツコツと誠心誠意で日々の暮らしを送っています。通常インドネシアで家を建てるには200から300万円ほどが相場なるようです。そんな事情もあり、日々一生懸命に頑張っています。家を建てる時には村人総勢が無償で応援に駆けつけてくれます。その際は昼ごはんとおやつを提供するのが習わしになっています。天井が高い設計になっていますから、扇風機や冷房などは不要な建物です。地域の人々は必ずお互いに顔見知りで近所付き合いも睦まじく地域のだれもが近しい仲ですから、防犯上の問題もなく鍵はかけずノンビリとした村の光景です。多くの家庭が庭をもっているだけあって野菜や果物の木が種類多く並んでいます。5分ほど歩くとコンビニがあり、床屋、茶店、食堂など一応そろっていますから不二由はありません。ここインドネシアで見かけるのが若夫婦と親なる夫婦の二世代同居なのですが、台所がそれぞれ別に所持していることで、完全分離で暮らしています。

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