2024年12月23日月曜日

EP26 ロジック家訪問

 ロジックと出会ったのは今から2年半前になります。彼ら9人のグループは日本では同じ監理団体に所属し、新庄田中町にあるアンドレの住む同じアパートの一室に一か月の事前訓練を受けていました。一か月の間は手当として3万円支給されていたそうです。物価高の日本では3万円では食べていくのには精一杯です。その3万円の中からアパート代と電気代を割り勘で払うとすれば、どこかへ出かけるのも大変です。インドネシアから予備として持参しているのなら別ですが、その可能性は低いでしょう。こうした実情を背景に先輩のアンドレ経由で皆さんの食材購入費用として1万円を渡した記憶があります。そのグループ内の一人がロジックでした。今も富山県の舟橋村の建設作業員として働いています。彼のフェースブックには田園風景の中で農園らしき場所で作業をしている姿がありました。それが、昨日訪問した場所に良く似ています。もしかして?と同じ会社で仕事をしているアンマに現在地を知らせると、「ロジックの家はとても近いんだよ。ロジックと連絡してみたら?」ということで早速連絡をとりました。夕方遅くなって返事が来たのです。彼に早速実家の位置情報を送ってもらい。それをテグに連絡して出かけることになったのです。この地域は火山噴火の名残を留め、火山灰が肥沃な土地を提供しているようで、特にたばこの葉の栽培がメインです。それに混じって唐辛子や豆類キャベツなども栽培されています。

午前中のバナサリ公園ピクニックを終えて彼の家近くに着いたのは現地時間で10時半、日本時間で12時半でした。ゴーグルの地図情報を頼りに路勾配の強い細い小路を彼の家らしき場所付近に到着です。10メートルほど離れた場所に老婆が一人いたので聞いてみると、やはりこの場所が正解だったようです。時刻も日本時間でお昼休憩の時刻です。早速ロジックの家と思われる写真を送り、返事を待ちました。勿論ビデオコールですから、カメラの位置を動かすことで周囲の状況がすぐ分かります。ロジックは嬉しそうな表情で「しばらくお待ちください。今お父さんに連絡するから」と連絡が入りました。お父さんはさぞかし驚いたことでしょう。待つこと数分、お父さんが玄関の扉を開けて嬉しそうに、しかも突然の出来事なので事情の把握がしっかり出来ない様子ながら迎えてくれました。息子のロジックからの説明で漸く事の経緯を理解したようです。早速コーヒーの接待を受け、話をしている間に奥さんが畑から帰ってきました。嬉しそうに「ロジックはどうですか?頑張っているんですかね?」嬉しそうに語っていました。あれや是やと話している間に、そろそろお暇をと声をかけましたが、「もう少しお待ちください。昼ごはんがすぐできますから」という事でお言葉に甘える羽目になりました。お父さんは葉タバコ栽培をしているようで、中国製の裁断機が目にはいります。家に入った時は近辺の農家の旦那達と雑談をしている最中でした。周囲の人々は突然の成り行き、私達の訪問に不思議さと驚きの双方を感じていました。その合間にロジックともビデオコールでつながり、にこやかな表情をしているロジックを見て安心しました。私が彼の家にやってきたことがとても嬉しかったのでしょう。他の友人も同様ですが、一人の日本人がわざわざ自宅へ来てくれるという事などありえないと信じています。通常の我々の感覚では、他国の友人と会う場合どこかのホテルのロビーで会ってお茶を飲むか食事をするのが一般的でしょう。125㏄のバイクの後ろに座って急坂を登り下りしながら、自宅まで押しかけたのですから。しかしここでは、私にとっては幸せの極みの一つであり、旅の醍醐味なのです。最後は家族全員で記念撮影を行ってお暇することとなりました。ロジックの家族によると、彼は今日本で建設現場の仕事をしていて、来年5月に帰国の予定です。次回は建設現場ではなく農業関連の仕事に就きたいと感想を漏らしていました。そういえば、彼が日本に来て一か月目に出会った時は、小さな体格で痩せていたので私はとても気になりました。「こんな体で現場のきつい仕事に耐えられるものだろうか」しかし、最近彼は身長こそ変わっていませんが、腕の筋肉もりもりの状況です。当初は経済的な問題もあったのでしょう。日本国内での遠方への旅行をすることもなく、じっとしていましたが、三年目に入ると富士山に登ったり、東京に出かけたりしています。

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