2024年12月23日月曜日

EP45 村の風景それぞれ


 今回の旅を通して様々な村の日々を撮影することができました。それぞれの村の比較を考察したいと思います。

     アンドレの自宅周辺

アンドレの住む家はバンドン市街地に位置していますが、主要道路から外れ、車一台が通れるかどうかの細い道を進んだ終点の手前50メートルほどの場所です。道の終点は行き止まりで、広々とした水田地帯になっていました。終点には、この地域で排出されるゴミ焼却場があるのが印象的でした。ゴミ焼却場といっても、日本のように完全に機械化しているわけではなく、人力でかき集めたゴミは人の手を借りて手動で燃やしているという状況でした。

②クルニアワンの実家周辺

クルニアワンの家は昔からの主要交通路に面しています。少し奥まった小路に入りますが、ガスの代理店を営むお店は道路に直接面しています。彼の家の裏側は以前、野菜畑だったのが、新興住宅団地に生まれ変わったそうです。なるほど区画ごとに新築の住宅が並んでいます。しかし、彼の実家から、山の方に進むとまだまだ田園風景が残っています。この地域は平地ではなく、丘陵地帯ですから、眺めも良く別荘らしきものが幾つか目に入ります。更に奥に入ると紅茶の産地だそうで、のどかな丘陵地形が続いています。

③アリの住む村

アリの住む住居は昔から整理された分譲住宅地の一角にあります。分譲と言っても、既に数十年も経過し、先代から受け継いだ土地、家屋です。彼も日本で得た収入を自動車の購入と自宅の新築に注ぎ込んでいます。一階はほぼ完成で、時期を見計らって二階部分の増築を目指しています。家を建てる時には、周辺の人達が大勢やってきて応援してくれるのが習慣となっています。コンクリート打ちなどは、多人数で作業しますから、アッという間に片付きます。彼の住む分譲地には50軒ほどの家があり、地元の人々は皆知り合いという空気が漂っています。歩いて5分ほどの所に二か所モスクがあり、コンビニへも10分ほどの距離にあります。築50年ほどの古い家もありますが、まだ無人にはなっていないとの事です。最寄りのインドネシア国鉄の駅へは2キロですから、比較的便利な場所です。列車に乗れば1時間以内でジョグジャカルタに到着することが出来ます。国道からは離れていますが、幾つかの工場もあり、極端な人口減少からは免れているようです。

④ロジックの村

標高1000メートルに位置しているので、高原野菜の産地でもあり火山噴火口から扇状に広がった土地では葉タバコの栽培が盛んなようです。ロジックの家には中国製のたばこ粉砕機がありました。山肌に密着した集落は細い路地裏の連続で溶岩流の流れが幾つもの線状に斜面を削り落とし、上下への移動は用意ですが、左右への移動は遠く迂回せざるを得ません。

⑤パンチャのソロ(スコハルジョ)の家

この集落はお米の栽培が多いようで、周囲には、水田が広がっています。パンチャもこの地域で水田を持っているそうで、収穫の半分は収入になっているとの事です。今まで訪問した地域の中で高齢化率が一番高いようで、子供の数はあまり見かけません。庭先で雑談をしているのは、お年寄りばかりです。日本同様空き家が多く、多くの人々が都市部に家を持つようになったからでしょう。時々里帰りすることもあるそうで、静まり返った村の姿です。長男らしき人が母親を車椅子に乗せ散歩していました。他の地域よりも、一区画あたりの面積は倍ほどあり、伝統的な建築もあり、新しいモダンな住宅もありで混在しています。

⑥パンチャの家(パティ)

パティの家は奥さんの実家だそうで、奥さんの母親も同居しています。この家は一部完成で増設中ですが、東ジャワに住んでいる弟が応援に駆けつけて大工仕事をしています。インドネシアで家を建てるということは、庶民にとっては大きな出費になりますから、できるだけ経済的な方法で取り組んでいます。建設業者に委託すると倍はかかるので、家族全員が協力して自前で少しずつ組み立てるのが一般的です。パンチャは出稼ぎで得た収入を自家用車の購入と住居の改装に割り当てています。

⑦ナナンの故郷

ナナンの故郷は典型的なインドネシアの村というイメージにピッタリの場所です。小さいながらも目抜き通りがあり、モスクや学校も近くにあります。この地域からも、多くの青年達が国外に出稼ぎをしています。田舎の道路は舗装してあるとは言えども、左右のみ舗装で中央部は無舗装状態です。丁度バイクが通行しやすいように、車両の両輪が舗装した上を走りやすいような設計に工夫されています。勿論目抜き通りを外れると、道路に沿って疎らに家が立ち並びます。新築中のモルタル作りの家は多分出稼ぎマネーによるものでしょう。家の裏側は水田やサトウキビ畑が広がっています。この地域では、大規模な人口減少はまだ始まっていないようです。

ジャワ島の人口密度は1200/平方キロ、インドネシア全体で150/平方キロ、バングラデッシュは1300/平方キロそして日本は315/平方キロとなっています。統計から察するとジャワ島の人口密度がいかに多いかわかります。

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