今日はアリさんの家を出発して、終日バイクの旅が始まります。朝はスマホのアラームで7時に目が覚めました。アリの家では奥さんが朝食の準備をし、早々に近くの勤務先にでかけましたが旦那のアリは私達と談笑しています。昨日彼は終日私達と付き合ってくれました。日本から帰って以前の車から乗り換えをして全部で8人乗れるというイスズのパンサーを使っています。これが典型的なインドネシアスタイルなのでしょう。大家族全員が乗れて、どこへでも移動できる重宝さがあります。中古車ですが、彼にとっては宝物に違いありません。
朝飯を食べて暫く朝の談笑をしているとアッという間に時間が過ぎて行きます。9時ごろ漸く出発することになりました。家族に別れを告げて、次の目的地に向かいました。アリは帰り際に乾燥キクラゲ500グラムを梱包して、お土産として持ち帰るようにと気配りをしてくれましたが、私の旅はまだまだ続きます。これを抱えての旅行は出来ないので丁重にお断りをして別れました。
バイクはゆっくりと田舎道を20分ほど走行し、その後は交通量の多い国道に出ました。バイクは左側に寄せながら走行です。道中初代大統領スカルノ氏の記念堂前で撮影をし、一路南下してプランバナンに向かいました。最近ここは入場料金が高騰し外国人は6000円(40ドル)します。ここへは今から30年ほど前にボロブドールと対にして訪問したことがあります。当時は入場料金もさほど高くはなく、外人料金なども存在しませんでした。勿論雑草の生い茂るなか遺跡らしき建物が聳えていました。今は、遺跡周辺はフェンスに覆われて遺跡公園内は無料巡回バスが運行する方式に変更となりました。これは、ここだけではなく周辺国のカンボジアでも広大なアンコールワットの遺跡は主要な部分はフェンスに囲まれ、その入場券は3日券で62ドル、一日券が37ドルしています。今回はそうした事を避けて、地元の彼らなら知っている入場券不要で雰囲気が味わえる場所を求めてバイクで廻ることになりました。1時間ほどかけて広大な公園周辺は休憩を挟みながらドライブをしました。丁度お昼ご飯の時間が迫っています。どこで情報を得たものか、テグはインドネシアでも評判の良いインドネシアの古民家風のお店に連れていってもらいました。時刻は12時が近いので、駐車場は車やバイクが一杯です。なるほど有名店だけあって、歴代の大統領のサイン入り色紙が飾ってあります。卵料理が名物みたいで、カリカリしたオムレツと野菜カレー(日本のカレーとは大きな違い)そして飲み物の三点でおよそ250円程度ですから、格別高いわけではありません。
田園風景を前にして、ビニール製の茣蓙を敷き、その上で胡坐をかいて座り込んでの食事は不思議な感覚を伴います。敷地の外側には用水路があり、せせらぎが響きます。農家の人々は私達の存在は無関係で黙々と農作業にいそしんでいます。店員もこの時間になると大忙しです。レストラン内は幾つもの建物があり、古風な飾りものが何気なく配置されています。さて、このレストランのもう一つの特徴は、値段が自己申告制になっていることです。これだけごった返していたら、誤魔化す人もいるのでは?
その後緩やかなカーブの続く田舎道を二時間ほど走るとボロブドール遺跡の看板が目に入るようになりました。しかし目的地へはなかなか到達できません。何しろ10年前に購入したモペットタイプのバイクですからちょっとパワーがでませんが、その分安全ということにつながっています。エンジン全開してもトコトコという響きで走行していきます。この遺跡の入場料金は外国人が25ドルでインドネシア人は50,000ルピア(3.5ドル)という格段の開きが生じています。ここでは、無料で出入りできるボロブドール僧院を見学してきたのです。小さな僧院ですが、内部は綺麗に掃除され心の落ち着く空間です。一歩僧院の外に出ると他の国同様土産物屋さんから声がかかります。僧院見学を終えて近くにあるサンセットポイントに出かけることにしました。テグのバイクで麓まで送ってもらい、彼はすぐそばにあるモスクでお祈りの時間が近いので待機してくれました。歩くこと10分少々で展望台に到着です。道中は翌日朝の訪問者のためなのでしょう。街灯が点灯されたままです。幸いにも雨に降られることもなく、展望台からはボロブドールの遺跡が小さく見えました。そろそろ日没の時刻になりました。今からテグの住んでいるアパートに向かいます。彼にどの位時間がかかるのか訪ねると1時間半ほどと返事が来ました。が実際は自宅に到着したのは午後9時となりました。夜遅くなっても彼らにとっては、日常茶飯事なるようで、特別危険というわけではありません。彼に身を任せて、事故の起きないように祈るのみでした。
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