2016年11月12日土曜日

どこへ行くスリランカ



どこへ行くスリランカ

さて、久方のスリランカです。およそ一年振り、懐かしの我が故郷に帰宅です。どうも、ここでは、言葉が通じすぎて、全てのストレスは吹っ飛んでしまします。例によって怪しげなるガイド群が付きまといますが、難なくスラリと交わしておしまいです。
先ずは、前回の訪問地ヒッカドワに到着しましたが、全く不調、不景気そしてドン底という感じです。一昨年、昨年と打って変わって静寂そのものです。聞くところによると、大きなホテルのみ利用者増減なしで現状維持をしているものの、中小のゲストハウスは軒並み利用者が減り、部屋代も下がる一方です。前シーズン50ルピーの部屋は現在30ルピー。且つ我は友人割引とか称してシャワー、トイレそして庭付きの結構良い部屋を15ルピーで利用している次第です。

浜辺にブラブラしていた不良グループの数もめっきり減り、通称ヒッピー族も数割方の落ち込みを見せています。と同時に外人と地元青年の傷害事件や、ドラッグ所持のタレコミ(通報)による拘置事件などが頻繁に発生しているようで、どうもギスギスした感じはぬぐい切れません。聞くところによると、現政権はお金持ちにとっては非常に好ましいようですが、貧しい人々にとっては不利な状況においこまれているそうです。
それは、まあ資本主義政策の当然の結果なのですが、スリランカの行き詰まりは、根本的な問題を抱えているようです。しなわり、数年前までは、庶民は現政権を支持信頼し、新しく資本の自由化、個人所得の拡大に全員浮き浮きしていたのですが、今はお金持ちのみが、微笑み、大衆は再び不満を強く主張し始めたようです。
スリランカの政治の歴史を眺めると、数年間で右と左の政権が交代しながら続いていたようです。勿論インド文化の影響も大きく、カースト制度(身分制)の名残りを維持しています。親インド派の政治になったり、反インドになったりの繰り返しです。今の首相は人気があるけれども、身分が低いから大統領にはなれないと呟かれています。回教国のように背景に強い宗教感を持った強権政治も出来ず、いつまでも宙ぶらりんの状態が続いています。
現在のインドのラジブ新首相の政策は随所に資本主義の要素を取り入れて近代化に取り組んでいますが、完全な自由主義経済になるのは、殆ど不可能かもしれません。あくまでも、インド式社会主義を継承しながら、徐々に経済的には自由主義への道を歩むものと感じます。
食べるものに不自由もない豊な国とも思えるスリランカは、自分達のその豊かさに気がつかず、永遠に物乞いをしながら(国そのものは海外援助、国民は外人からのチップを狙う)続けていくのだろうか?それに比べるとやはりインドは大国を感じてなりません。
スリランカでは、政府軍とタミール戦線のいざこざが膠着状態が続いています。世界的な麻薬密輸事業はここ、スリランカにも蔓延し、我がカンディの愚連隊なる友人達の中にも、通称ブラウンシュガーの中毒に陥る者も数多くいます。一見平静なように見えますが、多難な問題が蓄積し、物価上昇が庶民を襲っています。品物(車やバイク)が氾濫すると同時に事故も増大し、それらに対して為すすべもなく、歯車は回り続けています。こうした混沌とした状況が今のスリランカかもしれません。

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