2017年2月1日水曜日

3.5ドル現金とFECの差違



    この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです

3.5ドル現金とFECの差違

普通車内
ミャンマー入国の際には規則として強制両替をしなければなりません。短期間の滞在を予定している旅行者や我々のような経済的な旅をしている者にとっては頭痛の種です。色々とコツがあるようで、係官の眼をごまかして来た人や強制両替の額を割引して貰ったり皆必死で対策を講じているようです。最終的には旅行者同士でFECをドルの現金と交換したり、マーケットで差損を覚悟で闇での再両替をしたり方法は各種あるようです。
今回は21日にミャンマーに入国しました。当日早速ホテルでFECを現地通貨に両替をしたのですが、FECとドルでは値打ちが違って来ています。しかしFECの表面に、しっかりとこれはミャンマー国内に於いてドルと等価のものである事が明記されているのに拘わらずこの事態が発生したのです。・これはヤンゴンだけではなく、何処でも誰に聞いても同様な答えです。明らかにFEC
ドルの値打ちが違っています。最近はFECが余り始めたのではないでしょうか?いつもFECは新品の札ばかりが流通しています。政府としては単に印刷すれば良いだけです。どうも納得のいかない状況です。地方に依ってはその差も大きく開き、ある所ではFEC170チャット他方ドルキャッシュは200チャットで交換という現象も生じました。さてこれらの交換されたFECは再びどのように還流するのでしょうか?
一般的に闇両替という言葉がミャンマーの国内で使われていますが、この言葉を誤解しているケースが多いのではないかと思います。現在の政府はFECからチャットの交換を認めているのですから、FECをチャットにする事は違法ではない訳です。ですからこの行為は闇両替でも何でもないのです。ただ公式な許可を持った両替商を通じて交換するのか、無免許の人を通じて両替するのかが違いで、後者が闇両替と呼ばれる性格でしょう。街角では大きく看板をあげて公認FEC両替商と言う場所があり,そこでは決してレートは悪くありません。しかしここでは今だにドルと現地通貨の交換率は一ドルが6チャットと銀行の店頭にはっきりと記されています。この事を読み替えるとドルキャッシュを直接チャットにしないでくださいとも見れます。
形式上貴方の持っているドルをFECに交換してください。FECはチャットに交換可能です。と言う事でしょうか?FECからチャットは合法でドル札からチャットは違法で取り締まりの対象となるようです。
最近は日々の変動が大きくなりました。東南アジアの通貨混乱の影響があるように見うけます。闇両替の取り締まりが厳しくなったからチャットの値打ちがあがった等という話しがささやかれ、あたかも真実の様に聞こえますが、どうもこの説は胡散臭くてなりません。アジア各国では闇両替が全く存在しない国でも時によって大きく変動するのは何故か考えてみれば答えは明確かと思います。FECとドルキャッシュの開きが何割も生じればその差が闇取り引き取り締まりの影響を受けたものと考えられるでしょう。ミャンマーでの闇両替は色々な解釈が横行しています。
いずれにしろお金を使う人は使って帰ります。この政策を実施してもしなくても外貨収入には大きく開きが出てこないと思います。ネパールが一時期査証の延長時に両替証明を要求した事がありました。一日の延長に付き20ドルの証明を必要としました。これでは貧しいお客さんお断りと看板に書いたも同然です。極めて不評なるこの方針はすぐにすたれてしまいました。
出来る限り早くこの方式が解消される事を期待しましょう。

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