2017年2月3日金曜日

3.7観光客からの影響



この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです

3.7観光客からの影響

パガンの仏教遺跡
さて観光客の増加に依っていわゆる文化汚染というものも付随していくのが各国の実状です。ここでアジア各国に於いての近年の流れを眺めて見る事としましょう。
スリランカは1979年に社会主義体制が大きく変化し当時のジヤヤワルデネ政権の誕生で一気に経済の自由化に移行してから順調に所得の増加を計ってきました。勿論観光産業を通じての外貨獲得の位置も常に上位3番目近辺を漂っていきました。1984年から北部でタミル人ゲリラの活動が活発化しても毎年一定の観光客が訪問しています。この国では外に主要な外貨獲得の位置づけとして前述の海外への出稼ぎがあります。
同じ系統の仏教国でありながらそれぞれの国家としての生き方もかなり異なって来ました。スリランカの場合は島国という環境にあり、16世紀のパスコダガマの世界一周以前から対外との交渉を多く持った地域です。ここにミャンマーのような比較的外部との接触が少なかった地域との差違を見出す事ができるのではではないでしょうか?スリランカはインドの影響を受けた仏教国ながらも身分制度の一面を抱えています。仏教徒の総数は約65%とい
われビルマのそれよりも遥かに低い数字です。スリランカではミャンマーのように仏教の教義を基本として生活するのでは民族のアイデンテティが成り立たないという側面を持っているように見えます。スリランカの古都キャンデーに友人がいますが、その家庭の隣別まヒンズー教徒,向いの家は回教徒、I数軒離れた家はキリスト教を信仰しているという複合所帯です。そうすると宗教に関しても・自ずと自己主張をする必要となって来ます。基本的にはミャンマーのような穏健な仏教的風土が築き上げられる要素とは言えなかったように見えます。様々なシステムが混合した社会でもありましょう。
教育制度や行政組織は英国の方式をそのまま引継ぎ現在に至っています。観光客の増加に伴って各地で様々な被害が横行し始めました。昔は南国的で陽気な仏教徒のイメージでしたが、観光客の増加や国外への出稼ぎの増加と共にその文化自身も年毎に変遷を続けて行きました。80年代初頭までは首都コロンボでもルンギ(現地の腰巻き)姿の人々が多かったのですが、これらは最近では殆ど家庭の中のみで使用されているに過ぎません。
さてお隣りのタイランドはどのように変化して行ったのでしょうか?この国の外交上手は世界的に評判がありますこヨーロッパ各国のアジアの植民地化が始まろうとした時にも幸いにこの国は外国からの支配をまぬがれ独立を保ち続けた事は有名です。最近急激にこの国が経済的に発展した背景にはベトナム戦争での特殊な位置づけにあるように感じます。もしこれがなかったとしたらタイランドの進展はかなり遅れたのではないでしょうか?急激にアメリカナイズしたタイランドへどっと押し寄せる観光客の波はこの国での観光公害を肥大化させていったのではないでしょうか?全ての国民がそのように変化したのではありませんが、近年の都市部における観光客の被害の増大がそれを証明していると思います。国民の大半が仏教徒でありながら隣りのミャンマーとは社会事情を大きく変えてしまう結果となりました。しかしタイランドの地方へ行けば今でもミャンマーに似た平穏さを感じる事ができるのも事実です。どれだけ観光客が増えようが自国の仏教文化を根底としたタイランドとしてのアイデンテティを失っていない面を見落としてはなりません。しかし70万人の観光客を迎えるこの国は次第に外部からの影響を気づかないうちに受けてきているのではないかと思います。
一方ネパールはどうなのでしょうか?この国が一般の観光客を受け入れるようになったのは1960年の後半からだったと思います。観光客を受け入れるようになってからそろそろ30年を迎える時期です。国土の狭い場所にしかも特定の観光地に集中するのでその客の数は実際のそれよりも多く感じてしまいます。昨年度当たりでおよそ25万人程度の外人観光客を迎え入れているものと思います。国外からの影響を受けざるを得ません。英語を話す事が国際的な人種への道という錯覚すら起きています。自国の文化を失う事もやむを得ないと考える面も見えて来ます。特に観光産業に携わる人々の多くはその影響を強く受けているように見うけます。自国の文化の跨りを忘れ相手が金持ち国家であればそれに同調するのが鉄則かの様に会話が進んで行きます。互いに双方の欠点を語る事なくむなしい国際化が今もカトマンズ市内
のあちこちで行われているのが現状かと思います。この国はインドとの関連も多くタイランドやミャンマー等に比べて英語の普及が発達し彼らとのコミニュケーションが比較的容易である事から外国文化の普及度も高くなったのではないでしょうか?
さて南アジアの大国インドではどのような経過をとっているのでしょうか?つい5年程前迄は観光客の数は年間100 万人程度でしたが近年は200万人程度の外国人を受け入れるようになりました。徐々にではありますが、観光客の増加を見る事が出来ます。この国では観光客の増加が国家の体質を変える様には見うけられません。.東南アジア諸国の様な軍事政権とは体質が違います。.元来からの複合民族国家の一つLです。総人口が.10,億を越えたものとされています。ここへ数百万人の客が押し寄せた所で何ら大きい変化をかもし出す可能性は低いのではないでしょうか?民主主義国家の筆頭として言論や表現の自由が保証されています。取りたてて外人の訪問は珍しくも何ともないのが真相ではないでしょうか?多くの国では外人を的にして騙しをする場合があります。インドの場合、それは_外人に限らずインド人自身も観光客として違う場所を訪問すると騙される事がしばしば起きています。

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