この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです
6.5インドの偉大さを再認識
英国植民地時代の建物 |
日本を離れて見ると日本の良さが解ると言われます。同様にインドを離れてみるとインドの良さを再認識するのも事実かも知れません。長年インドやネパール等を重点的に観察してきた私にとってミャンマー内部から見えてくるインドは大変偉大な国に感じる事がしばしばあります。
インドの産業の規模には改めて感心せざるを得ません。インドの強さは自国で全てのものが生産出来るという一面があります。また色々な地下資源も豊富です。経済活動も活発化しています。人口や国土の大きさがミャンマーのそれに比べて大きいという事だけではなく、文化面でもその音楽や芸能は世界の舞台で華やかに公演されて拍手を受けています。たとえマサラ映画でバターンが決まっているといえどもインド映画は発展途上国へ娯楽作品としてばらまかれ好評を得ています。
産業や文化の面だけではなく、政治や法律等の分野でも近代国家としての頭脳を発揮しています。インド自身が我が国は民主主義の国で世界の見本ともなろうという事を時々ぶち上げています。ミャンマーの国内情勢から判断するとインドの民主主義自身極めてインド的な性格のものであるとしてもこの説は肯定せざるを得ません。法律の
上では言論の自由や報道の自由が保証されています。しかし直接目に映らない昔からの慣習やカースト制度などからの軋轢で実際にその近代国家としての制度が充分発揮出来るとは限りませんが、本音と建前の二本だての制度は日本でも見かける事です。我々はインドの貧困や賄賂に満ちた社会等の面だけで本当の民主主義国家ではないと判断するのは危険な事ではないでしょうか?日本は本当の民主主義国家なのでしょか?インドネシアの回教文化圏では近代国家としての西洋の影響を
受けた法律と昔から存在する慣習を起源とする法律(アダート)の二本だてで法治している場所もあります。
そのことは英語が世界の共通語として使用される今日ですが、それぞれの国民にとって必ず靴りを伴って使用されています。インド人の言毒す英語、日本人の話す英語、フランス靴りの英語等世界中には色々なタイプの英語が存在するのと同じです。それにたいして我々は一体どれが絶対的なものなのか決め付ける事ができるでしょうか? 結論としていうならば通じれば良いというのが答えではないでしょうか? ,.
インドを眺めると以外と無法地帯でアウトロー的な地域もミックスされているのは事実ですが、アメリカと並んで世界有数な民主主義国家であると答える事が出来るでしょう。インドの戦後の歴史の中で我々はここが軍事政権の下で統治された時代を見ることが出来たでしょうか? 多くの発展途上国はその発展段階で強力な軍事力を有したリーダーの指導である程度成長を遂げる事ができました。しかしインドの歴史には軍事政権が誕生しなかったのが事実です。その代行者としてガンジー家が長期に渡って
政権を担当したのではないでしょうか?
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