2017年2月10日金曜日

5.4ミャンマーの坊ちゃんとの会話(元活動家)


この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです


5.4ミャンマーの坊ちゃんとの会話(元活動家)

ヤンゴン市内で
先日ピーのゲストハウスに宿泊していた時にヤンゴンの青年と話をしました。英語もかなり話すので色々な意見を聴く事が出来ました。家はヤンゴン市内にあり、家族はあの有名なスコットマーケットで宝石屋をしているとの事です。本人は大学時代に知り合った彼女に合いにきたそうで、今回は一週間の滞在の予定とか、彼女の家は地元では有名なレストランを経営していて、かなりのお金持ちだそうです。新婚旅行で彼女はアメリカのダラスへ行きたいといっているのだけとも沢山お金がかかるから私はインドネシアのバリ島にしたいと噴いていました。在学時代は、民主化の選挙が行われた時で武器を持って活動した事もあると話していました。両方ともかなりの金持ちです。ヤンゴンの自宅には車もあるそうです。これから叔父さんのコネクションを利用して船員となり海外で働く予定でいるそうです。

彼は現在の軍事政権にかなり批判的な態度を示していました。最初の会話が「何も心配する事はないから率直に意見を述べて下さい」という事から始まりました。彼の生活では毎日自宅で衛星放送を通じて外の世界に何が起きているのか我々以上に知っています。しかし彼のような立場にある人々はごく僅かなのではないでしょうか? 当然のことながら彼の発言には、国外のマスコミを通じたミャンマー批判と似た点を感じます。報道の自由がないのもこの国の現状です。新聞は政府御用達で内容には批判的な面は登場する事がありません。
庶民の間には政府批判の声がくすぶっていて単に我慢しているだけという空気もあるそうです。変な事をいえば逮捕されてしまうから黙っているというのが実状なのでしょうか? こういった話は数人の人から今回の旅で聴く事が出来ました。しかしその会話は彼のような特殊な立場の人を通じての話です。真のミャンマー人の大衆の声はどうなっているのでしょうか? 不満はあるのかも知れませんが、庶民の日常生活に於いてこの事は何かしらの影響があるのでしょうか? もし民主化となっても人々の生活は大きくは変らないように思うのです。今後この点についてもっと深く観察して行きたいと思います。
彼の説によると国外にいる有能なさヤンマーの学者は現在帰国したくても出来ないのが現状でもし民主化が実現したら彼らは国の発展の為に帰国して活躍するだろうと話を続けました。しかしこれは本当に実現するのでしょうか? 理想論としては納得いきますが、多くの諸外国の例ではこの事は否定的ではないのでしょうか? 例えばイシド人は世界各地に散らばって住んでいます。彼らが母国へ眼を向けるのは極端にいえば経済的なうまみが熟したし時であり、真の愛国心から帰国の動機が生じないような気がします。
長期にわたり西欧での生活は完全に彼らの思考を洗脳していくのではないでしょうか? 母国インドで貧しい生活を送っていたのが何らかのきっかけでアメリカで医者の勉強をする事ができ、個人としての生活が安定した場合に果たして当の本人は愛国心に燃えて祖国インドの為に身を注ぐ事が出来るでしょうか? ネパール等でもこの縮図と似た事が起きています政府が折角、奨学金を提供して国外留学をさせて国家の発展に寄与して貰おうとしても、多くはそのまま異国の地に移住したままとなる状態が多くあるそうです。これに業を煮やしたネパール政府は卒業後4年間は本国で就職する事を義務づけました。果たしてミャンマーの国外に住む人々の行動は今後どうなるのでしょうか?

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