この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです
8.2新しい訪問者
パゴーの寺院 |
最近近日本の人が多くがミャンマーを訪問するようになりました。戦没者の慰霊を兼ねた年配の人々もいます。ミャンマー観光年以来観光客やビジネス客は増加の一方をたどっています。太平洋戦争当時喝役であった人々はかなりの高齢に達しています。今はその子息達やお孫さんに当たる人々が慰霊を兼ねた旅に加わっているとも聞きます。NGO を兼ねて訪問する動きも多少活発化して来ました。多くの学生が卒業旅行と称して外国へ足を踏み入れます。ミヤンマーもまだ数は少ないのですが、一部の学生のあこがれをそそっています。多くのパッケージ・ツアーの人々が日本からビルマに観光に来ます。年金/叫カーとか称する中高年の長期滞在の人々も増えて来ました。様々な人々が謎の国ミャンマーを一日見ようと乗り込んで来ました。 最近の統計では日本人の訪問者の数は年間2万人程度となっています。しかしその多くの人々はミャンマーをどのような目で捕らえて帰国するのでしょうか? 彼らに共通するのはなんでしょうか?
最近の我々の生活に於いては異国の文化を国外で生の体験を通じて知る事が極めて容易になりましたd何しろ昨年度は1300万人の日本人が国外へ出かけています。 異国の文化を国外での生の体験で知る事ができるのです。しかし文化を共有するということまでは発展していないように見受けます。彼らの結論は、日本はやはり良い国という印象を持って帰ります。日本の国が一番優れているという認識を発見して帰国する人々が多いようです。 他国の文化についてもガイドブックに記載してあることを確認しただけにしか過ぎません。 何故もっと深く異国の文化を各人がそれなりに考察しないのでしょうか?多くの日本人が殆ど同様な答えを見出して結論を述べています。 文化の相違イコール単に風変わりである事のみで済ませてはいないでしょうか?表面のみを眺めて帰る旅行はそろそろ終わりにしても良いのではないでしょうか?
異なった気候や風土に於いては異なった文化の基盤が存在している事は事実です。さらにその基盤が人為的な環境で育まれ周囲の影響をうけあい独自の文化圏を形成してきたのではないでしょうか?日本の文化が決して優れているとは言い切れません。気候や風土が変ればそれに応じた文化の発展が存在しています。そう言った事実を認識し、考える事から真の理解が得れるのではないでしょうか?
ミャンマーを旅した人の意見を聞くと大概は良い国だったと答えが返ります。しかしどういった点が良いのか? 何故良いのかに関しては答えが見つかりません。 単に遺跡はすごかったとか、物価は安かったとか、ミャンマー料理は油っぽい、人々は素直で安心して旅が出来た、パゴダが素晴らしい、等と述べています。そしセミヤンマーは矢張りまだまだ遅れていて貧しい園というイメージで終わっています。本当にミャンマーは遅れているのでしょうか? 本当にミャンマーは貧しいのでしょうか?その国を表面的に眺めるだけではその文化を真に理解できないと思います。あらゆる視点から常に疑問を持って旅を続けて行きたいものです。
第2時世界大戦は日本の軍隊はアジア共栄圏というスローガンを掲げて南洋やアジア諸国の侵攻を始めました。それは経済的利益の確保を理由としての行為だったと思います。そして最近再び、多くの大量の日本人が押しかけるようになりました。さてその目的は一体何でしょうか? それは以前と同様に経済的利益の確保が出発地点となっていないでしょうか? 商人やビジネス関係の人々は当然の事でしょう。 我々自体の生活が完全に資本主義の枠組みに縛られている限り利益を生み出す可能性があるからこそ、そこへやって来るのが現実です。
また観光旅行社の主催するNGOツアーにも疑問点が沢山残ります。 彼らの行動はどうも現状を真に理解していないように見えます。 賛沢三昧を兼ねた観光ツアーを何故何々NGO ツアーと名前をつけるのでしょう。国との関係に於いて我々はすぐに経済的な尺度をもってその国の豊かさを決めがちです。そこからは真の文化理解が得れるでしょうか? 「ビルマは矢張り貧しい国ですね」という反応しか見られないのは残念な事です。今後の国際関係を見るにあたり精神の豊かさを必ず加味する必要があると思います。単に貧しいから援助を差し伸べるという発想はそろそろ転換すべき時代になって来るのではないでしょうか? いつかは精神的に豊かな国が、物質的に豊かであっても精神的に貧しい国に対して援助を与える時が来るのかも知れません。簡素な生活を営むミャンマーの僧侶が日本の国家のアドバイサーとして登場する日がくるのでしょうか?そういえば日本の経済評論家の大前研一氏はマレーシアのマハテール首相の要請でマレーシアのアドバイサーとして起用されたと聞きます。
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