2013年6月12日水曜日

ヒマラヤの村 第5日目(3)ガルパ

PIC_0710さて、予定どおり二時間の行程でガルパに到着しました。ガルパには、これといって有名な寺院や僧院があるわけではなく、ドランバから次の観光地カラデビへの中継地です。カトマンズからムレを経由してドランバへ行く道路は最近の雨で途中不通でバスは運行していません。

地元の人から、「それなら、ガルパに向かえばよいですよ。そこから朝7時半に乗合ジープがあって、カトマンズへ行くバス道路まで運んでくれるよ」という事でした。これは朗報です。そういったわけで、ドランバの宿泊は次回に回してガルパまで一気に進みました。

ガルパへの近道をしたわけですが、村が近くなって建物が見え、嬉しい気分でした。どうも学校の庭に入り込んでしまいました。校内の敷地からでようにも、校門には鍵がかかり出ることが出来ません。何かしらぐるぐる学校の敷地内を一回りし、ようやく民家との境界をくぐり抜けて大通りに脱出です。




PIC_0712ほうほう、珍しいバイクが、ジープが、そしてトラックがいるではありませんか。ここまで来れば明日は無事カトマンズに到着出来るものと胸が高なります。それにしても、今日の宿を決めなくてはなりません。ジープの予約もしなければなりません。

村の中心部には10軒ほどのお店が並んでいます。宿は3軒看板を上げています。三階建ての鉄筋コンクリートの家もあります。ペットボトルの容器(1リットル用)にはガソリンを入れて販売しています。ここでは、バイクタクシーも運行しています。この田舎の村でも、ここから更に工事中と思しき道が幾つもの方向に別れています。

宿とジープの予約をしなければと考えていると、どこからともなく声がかかりました。ちょっと太った青年が威勢よく答えてくれました。まずは値切り交渉です。最初の言い値が500ルピーそして妥結したのが300ルピーです。後で知ったことですが、ネパール人も同じ料金を払っていました。2時間22キロの山道を這うようにして進むジープの価格としては標準かもしれません。今年アンナプルナ方面にでかけた時、グルン族の故郷として有名なガンドルック近くのキムチェという村からナヤプールまでの16キロは200ルピーが現地人価格で、外人は300ルピーもしくは500ルピーという自由価格でした。

さてさて、明日の便が決まりました。それで宿もついてに決めることになりました。ちなみにこの地域の宿は、食事をしてくれれば宿代は不要もしくは、少額で済むというシステムです。さて、夕食を終えてから精算してもらうと何と夕食とベッド(相部屋)で130ルピーという破格の値段でした。
ところが、この宿がすごいわけです。今にも虫が湧いてきそうな寝具を備えたベッドが6台並んでいます。そんな中で既に4人程先客があります。彼らはトランプで賭け事に熱中しています。話を聞くと、ドランバの軍の駐屯地から遊びに来ているようです。何人かは、休暇をとって明日は自宅へ帰る人もいます。卑猥な話がボンボン飛び交います。軍の兵士はどうもここで憂さ晴らしをしているようです。今日のお昼ごろ出会った公用中の兵士とは全く態度が違います。軍人は制服姿の時と私服姿ではその態度が豹変することは良くあるあそうです。

本当に彼らは軍人なのだろうか?それとも野盗の一味ではなかろうかと疑わざるを得ません。しかし、ここまで来ると成り行きに任せるしかありません。宿のトイレと言えども一箇所しかありません。台所は建物の奥まった薄暗い所にあります。もう、心配しているときりがありません。

ジープの値段を交渉したオーナーは夕方になると、やおら香草の香りを漂わせています。すなわち大麻の常習者なんですよね。値段を交渉した時には、彼が運転するような事を言っていました。その数時間後から彼はひっきりなしに大麻を吸い続けています。こんな人が山道のジープを運転するのだろうか?もしかして崖に落っこちるのでは?またもや新たな不安が加わりました。

食事は当初予定していた7時半が1時間ほど遅れて始まりました。日没の頃バスが一台やって来ました。この地域の県庁所在地であるマンタリという町からここ、ガルパへ向かうバスでした。ほぼ満席の乗客を載せ到着です。途端に宿も賑やかさをましてきました。数軒宿があるのですが、どこも一杯になったようです。あぶれた人たちはバスの車内で仮眠です。

夕食が終わりベッドに戻ったものの、貴方の寝るのは、この部屋ではなく隣の部屋に引越ししてほしいと宿の主人から申し入れがありました。さて私達の部屋は軍人組が6人、ジープの運転手が一人、ジープのオーナーが一人そして私が入って合計9人です。ベッドが不足しているので小さなベッドに二人寝たり、バスの車内へ移動したり、ともかくてんやわんやの一夜です。

オーナーが部屋を変わってほしいという訳に納得が行きました。隣の部屋は家族連れ(子供を含めて)6人で貸切の状態です。この家族は奥さんが明日県庁所在地のマンタリで教育学の修士課程の試験があるので、明日が受験日だそうです。ここからバスで3時間から4時間の距離にあります。通信教育のシステムを利用して大学卒業の資格を取得しようとしているのでしょう。小さなネパールの片隅の村にも、こうした仕組みが採用され、人々がそれに参加しているという事に大きな驚きを隠すことは出来ません。

9時を過ぎて、さぁ眠ろうとすると、隣から話し声が聞こえます。隣の部屋と言っても薄い板で仕切ったあるだけで、当然の事ながら明かりももれます。話声も漏れてしまうのです。話と云っても、良く聞くと教育学関係の模擬テストを実施しているよなものです。男の人(多分夫でしょう)が奥さんに様々な質問をしています。その後丁寧に説明を加えての解説をしています。本に書いてあることを丸暗記しようとしている雰囲気ですが、そこには真剣さにあふれています。といいながら、すぐ側で子供がだだをこねて泣きき始めたりという混沌とした世界を形成しているのです。

そんな会話が1時間以上も続いたでしょうか。私の方もいつしか眠りについてしまいまました。今宵は何にも悪いことが起きませんように。4時間以上歩いたことで結構疲れていたようです。パソコンこそ持参していないものの、旅券、ビデオカメラそして5-6万円のお金を抱えています。

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