ホームスティではトイレは屋外の別棟 |
でも、もうお父さんやお兄さんは朝の一仕事を終えたようで、お兄さんの長女が私がめを覚ました気配を察して、早速お茶を持ってきました。まずは、今日の予定です。少し待って朝ごはんを食べてから近所のホームスティ宅を回ることになりました。一般的にネパールの家庭では、朝起きた時にお茶を飲んで、その後10時過ぎに朝食を取る事になっています。
10時過ぎに朝食を摂って、動き出したのが11時です。まずは村一番に人気のある、校長さん宅のホームスティです。お父さんの兄弟というからには、ジャガットさんにとっては伯父さんに当たります。毎日朝8時に自宅を出て、谷を下ってまた登り、対面に小さく見える小学校へ通う校長さんです。元気溌剌そのものでいつも笑が漂っています。
学校は4時までですから、それから又1時間歩いて自宅に帰るという日々を送っています。雨の日も、雪の日も山道を歩く事には、もう慣れているのでしょう。彼らにとっては、何の苦痛もないようです。そして又、彼が通過する姿は村の多くの場所から見えます。ちょうど時計の代用にもなっています。
小奇麗な部屋、そして手入れされた庭には様々な花が色鮮やかに咲き誇っています。このIPトライアルと呼ばれるトレッキングコースは数年前から始まったばかりです。校長先生は早速ゲストブックを持参し披露してくれます。ゲストブックには、英国、USA、そして日本人、中国人など色々な国からの訪問者の名前が記載されています。段々畑の中腹にある、このホームスティは時間が止まったかのような錯覚を感じさせてくれます。ここでは、久しぶりにブラックコーヒーが登場しました。ものすごく薄くてカップの底が見えるわけですが、確かに紅茶とは違う香りがしました。
ネパールの台所 |
この伯父さんの息子は30歳前後で、今はマレーシアへ出稼ぎに行っているものの、会社の出張で一時帰国です。と言うと、何となく不思議な気がするわけですが、息子さんは、カトマンズに本社がある国際送金会社の社員としてマレーシアに派遣されています。これで謎が溶けました。この伯父さんも、実に陽気で明るい方です。この村からも、数多くの人々が出稼ぎに出ている現実を聞く事になりました。「斜め向かいの家のあの人は海外出稼ぎで300万円(4年間)で持ち帰り、自分の家を30万円で新築したばかりですよ。」・・・・・
ホームスティの看板 |
夕方4時頃遠くの方で車両の警笛がかすかに聞こえてきました。ここから歩いて1時間ほどの所に車が通れる道路があります。カトマンズからのバスは終点のデオラリという所までしか来ないので、その接続便として村々を巡回
小奇麗な寝室 |
このようにして近年はバスのネットワークが複雑に張り巡らせれています。上述のように、カトマンズから直行する便に接続するサービスという新手の商売も流行っています。いずれ、どんな村からでも歩いて一時間の範囲にバス停が登場する日もそう遠くはないでしょう。
お父さんの話によると、昔カトマンズに行くときはここから歩いて3日かかったそうです。バス道を計算すると160キロほどありますが、直線距離、山道だとすれば、その距離は半分ほどになるかもしれません。そうすると100キロ。昔の人は体力があったから、1日30キロを歩くことには抵抗はないでそう。今はバスでその日のうちにカトマンズに到着出来るようになりました。そして、バス代を支払うに十分な収入の増加もあるようです。しかし、この収入の増加は決して大地から得たものではなく、中東マネーと呼ぶ出稼ぎからの仕送りを通じて、村には色々なものが入り込んでいるのです。
9月から10月に開催されるダサインというお祭りの時期には、皆が海外から、カトマンズから帰り、賑やかになるそうです。
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