2013年6月22日土曜日

夢農場(1)

最近風の旅行社に勤務しているホムさんと話をする機会が増えました。彼と知り合って12年過ぎています。私がエベレスト方面のトレッキングしていた時にデンボジェという村で出会ったのがきっかけです。食堂のストーブを囲んでガイド兼ポーターのサルキと話込んでいた所へホムさんが日本人のお客さんを連れて入ってきました。勿論私は現地語でサルキと話をしていたわけです。後日談ですが、それで、ホムさんはてっきり私をネパール人と思ったそうです。カトマンズによったら是非会社の方へも遊びに来て下さいとの言葉を受け、交際が始まりました。

交際と云っても、私は単なる貧乏旅行者の部類です。風トラベルというと、日本に本社があり、精選された手作りのパッケージ旅行を販売している会社で、私にとっては縁遠い存在です。そうした事はさて置いといて、風の旅行社を訪問してみました。何と珍しいオープンカウンター方式でスタッフ全員が一望出来る仕組みになっています。この類の事務所というと、何かしらスタッフそれぞれに部屋が割り当てられ担当の人に合うにはいくつかの門をググって辿り着くのが一般的です。これとは、違いまさしく日本式で、カウンターも低く設置され和やかな雰囲気が漂っていました。しかも頻繁にお茶をどうぞと勧められます。



時々本社へ送る書類や文書の校正を依頼されたり、パソコンの調子を点検したりする機会が増えてきました。その内他のスタッフとも親しくなり食事に誘われたり、おやつの時間に参加させてもらったりしていたわけです。そのお助けマン的存在も次第に高度なものになり、私が得意とするパソコンの賢い使い方やエクセルの関数などを披露し始めました。益々皆さんお気にいりなようで、恒例となった私の訪問を楽しみにして待ち構えているようになったのです。

勿論、私はお客さんを紹介したり、切符を購入したり等会社が直接の利益になることはしたことがありません。それでも、皆いつも気軽に声をかけて歓待してくれます。今年は新たにITテクノロジーの紹介です。と言えば大袈裟かもしれませんが、ホームページやブログの実務講座を開くことになりました。講座といっても、本格的なものではなく、それぞれの能力に応じて、それぞれの専門に応じたテーマを決めてブログとはどういったものか、どのようにしてデザインすれば良いか、教える事になりました。人に物事を教えるには自分自信が様々な事を熟知していなければなりません。すなわち教えることは教わることに繋がっていくので、私にとっても一石二鳥となります。勿論個人差がありますから、習得の早い人は、他の人に教えるという状況も発生してきます。

単にブログの発行といっても、様々な知識とアイデアが必要になります。文章を書く力、画像を適切な大きさに変換したり切り取ったりする技法も必要です。どんな内容にするか、良く吟味しなければなりません。そして、出来上がって見ると、それぞれの人々の個性が浮かび上がってきます。車を作るには様々な材料が必要となります。同様にブログを作るにも様々な素材と有効な組み立て方が必要になってくるのです。こうして私の素人ブログ教室が社内の雰囲気を少しづつ変えていったようです。何人かが、その楽しさを知るのみでなく、必要性や有効性を肌で感じるようになりました。
始めは単純なものでしたが、次第に高度なものになり、画像だけではなく、動画を加えたり、ゴーグルマップで作成したオリジナルの地図を配置したり、自転車ツアーで得たGPSの記録をゴーグルアースで表示させるなど、最新のノウハウがブログの随所に見られるようになりました。また、ブログの情報をフェースブックなどと連携させてアピールするなど楽しみながら学ぶホシバのブログ教室は次第に注目を集めて行きました。こうした活動に社長も賛同していらっしゃるようで、いつも笑顔を私を迎えてくれます。そうした中でホムさんが音頭をとって、このブログ教室を推進しています。

(ブログの左側のリンクには、風の社員の運営しているブログのリンクがありますご覧ください)
http://shresthahom.blogspot.jp/


そうした関係が続き、時々私はホムさんの自宅に居候することもしばしばです。しかし、ホムさんは単に旅行代理店の社員ではなく、別の顔も持っていました。カトマンズからバスで12時間ほど離れた南東部のタライ平原に位置するガイガートの出身です。彼は田舎で農業をやりたいという大きな夢を抱えています。若い頃地元で農業専門学校を卒業し仕事を探してカトマンズに出てきたそうです。仕事を探してレンガ工場で働いていた所を現在の社長の目に入って日系の旅行代理店で働くことになったそうです。後日談ですが、社長とホムさんは親戚関係にあったそうです。そうした事で料理係をしたり、出入りする日本人を通して日本語を習ったりしたそうで、今は日本語でブログを投稿するまで能力が高まっています。そんな彼との話で夢農場のプランがにわかに注目されることになったのです。

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