この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです。
1.2栄え続ける仏教
パガンの遺跡 |
この国では長く仏教が栄え続けました。今でも国民の大半は仏教徒です'.インドで発祥した仏教の教えはインドで根を張る事はなく他の国に伝播しました。東は日本、南はスリランカ、北はモンゴル-と広がりました。今でも多くのアジア諸国で深く信仰されています。パキスタンを眺めて見ると今は遺跡となっていますが、一時期ガンダーラという地で栄えた事が知られています。仏教の教えは当時現在のアフガニスタンの中央部まで拡大しました。東に眼を向けるとインドネシアの中央部のポロブドールにも巨大な仏教遺跡があります。しかしこれらの両国の現在は圧倒的に回教徒に支配されている土地です。両地域とも現在は、単なる遺跡となり当時栄えた仏教が現在に受け継がれていないのが現実です。
数千年を通じて仏教の教えが受け継がれて来た国としてはタイやラオス、カンボジア等があげられましょう。最近の仏教と園内情勢の関係を眺めてみるとタイランドはベトナム戦争以降急激に生活がアメリカ化し徐々にそのライフスタイルを変えてしまいました。ハンバーガーとコークをほおばりながら仏教の聖典を読んでいるように見えます。カンボジアは内戦に明け暮れ国のあちこちの地雷がいつ爆発するのか恐れながらのお寺参りとなります。ベトナムは昔から中国と国境を接し対立関係にあり中華思想の影響を強く受けているのではないでしょうか?
共産主義政権下にあったり資本主義政権の下にあったり、どうもこれらの国の人々は金の勘定をしながら寄進しているのではないでしょうか?
スリランカの仏教は、その歴史的経過から眺めると、併存するキリスト教や回教と張り合う形で展開したのではないでしょうか?スリランカの古都キャンデーに親しい友人がいますが、この家の隣りの家族はヒンズー教徒です。向いの家は回教徒です。3軒降りはキリスト教徒です。それぞれに考え方が異なるようで、異教徒同士の交際は殆どありません。私が喋りのヒンズー教徒の家へ遊びに行くと我が友人の家族は何となく不機嫌になります。このような環境では自己主弓長を強くしないと暮らしていけません。
同じイスラム教でも中近東の砂漠地帯で育った回教と、インドネシアのように熱帯雨林に気候の下で発展した回教は、その内容が若干異なるはずです。或る宗教は土着の信仰と結びついた形で発展する場合も多く見うけます。それぞれの土地に於いて宗教は風土環境に左右され変化しつつ現在に至っているようです。
インドではヒンズー教に押され今は極めて僅かな人々が仏教を信仰しています。ネパールでは仏教とヒンズー教が融合した形が一部で見られます。チベットでも仏教が信仰されていますが、これは基本的にかなり異なるものとされています。こうして眺めて見ると純粋に仏教の教義を長期間に渡り守り続けた土地はどうもミャンマーにあるように思います。
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