2017年11月18日土曜日

スマトラ紀行2017(5) バングルーランへの道

ブラスタギからパングルラン
今日も少しエキサイティングな日でした。朝食を済ませてバス乗り場に向かい問い合わせると後30分ほどでバスが来るとの事でした。早速宿でチェックアウトを済ませて、宿の人にも料金の確認を行うと、同じ料金で65000ルピアでした。これはおよそ5ドルです。いやはや、すごいオンボロ乗り合いワゴンです。ドアは壊れているので、素人では容易に開け閉めできません。窓を閉めるには、ダッシュボードにあるスパナを利用して開閉することになります。時速40キロ程度しか出していないのに矢鱈と轟音を立てて走ります。運転手はチェーンスモーカーで、矢次早にタバコを更かしながらハンドルを握っています。すぐに追い越しをかけるのが気にかかりますが、彼らにとっては当たり前なるようです。

大昔火山が噴火した地形は、肥沃な大地で野菜の一大生産地とでもいいましょうか?キャベツを満載したトラックを追い抜いています。様々な野菜畑の中を猛進していきました。その割に客が少ないのです。20分ほど走った所で最前部の席が空いたので、急遽移動です。運転手も、「よかったらこっちに座って」という感じです。これならしっかりと写真を撮影することができます。しかし運転の荒いことは天下一品です。何しろハンドルを握りながら札束を数える運転手ですから。まあ運を天に任せるしかありません。日本の林道を走っているような錯覚をお越します。時々大型トラックにすれ違うのが大きな違いでしょう。乗車率は全区間平均しても20%ほどしかありません。きっかり4時間後には無事目的地に到着したのです。終点が近くなるとトバ湖が見えて来ます。世界最大のカルデラ湖だけあって、雄大な眺めが拡がります。
さて、ここで以前宿泊した宿で値段を聞いてびっくり、22万ルピアしています。これは当方にとっては負担が大きいので、他を探すことになりました。とぼとぼ適当に歩いていくと、1軒の宿が見つかりました。HOTELと書いてあります。表向きは立派そうな宿です。値段を聞くと20万ルピアです。粘って安い部屋はありますかと聞くと、その半額の部屋がありました。これは大正解でした。一応トイレとシャワーもついています。20万ルピアの部屋はバルコニーがついているかどうかの違いです。夕方になって温泉に散歩に行きました。道中宿がありましたが、値段を聞くと同じ10万ルピアでもトイレは共同トイレという事ですから、ここが遥かにお得です。簡素な宿ですが、一応安心して宿泊出来ました。何と翌朝は簡単なものですが、翌日朝にはパンとお茶のサービスがありました。ひなびた田舎の宿という感じです。概してインドネシアの宿は表側には、立派そうな部屋があり、裏側には経済的な部屋が設置されているようです。安いと言っても、バルコニーがあるかないかの違いです。近くには安飯屋も並び落ち着いた町並みです。しかし、ここへは、外人観光客の姿は殆ど見かけません。
さて、この宿は誰が主人なのか良くわかりません。中学生のような女の子と小学生の男の子が留守番をしています。料金表も貼ってありますが、どれも20万ルピアと表示されています。ああ!ここも高いなあと感じながらも、安い部屋があるのかと聞くと、案の定半額の部屋が、建物の裏側にありました。それでも、一応トイレとシャワーが付いています。扇風機がないのは、インドネシアの安宿の場合一般的で、20万ルピアの部屋にはありますが・・・。奥まった部屋ですから、静寂そのものです。窓もあり、一人では広すぎる部屋です。もうここに決定です。さて、支払いの段階になると、領収書もなんにも出ません。現金を渡しておしまいです。これで良くトラブルにならないものです。郷に入れば郷に従えですから、気にかけることなく、お嬢様に現金を渡しました。翌日のチェックアウトの際には、何の問題もなく、鍵を返して「ハイ、さようなら。又来るね!」そんな社会です。
現地の一部のバスも同様です。切符があるわけでもなく、降りる時に現金を渡すと、お釣りが来るわけです。整理券とか、乗車地の証明でカードをタッチするという面倒な方法は不要です。単純そのもので、乗り込んで、降りる時に支払う。改めて経済の原則を知ることとなりました。
レストランや食堂でも同じ事です。一般的には、食べてから帰る時に清算します。しかも、これは、どちらかというと自主申告制ですから、自分のたべたものが何なのか口頭で申告しなくてはなりません。国が変わってマレーシアやシンガポールの屋台や安宿等では、注文した品物が届いた時点で現金決済しますから、何を頼んだのか言う必要はありません。こちらの方が我々には楽なる方法です。インドネシアの場合、副食となる料理を覚えるのは大変です。出来るだけ、小さなお店、客の少ない時間を狙って食事をするのが旅の知恵の一つです。食べ終わってから「いくらですか?」と聞けば良いわけですが、答えは当然の事インドネシア語で跳ね返って来ます。
もう一つ、便利な方法は、持ち帰りすることです。食べたいものを指差して「ブンクス」と言えば注文品(例えばチキンカレーや、魚のフライ、油揚げ)を指定すると、ご飯とちょっとした野菜に漬物と食欲をそそる唐辛子ペーストをセットにして、上手にパックにしてくれます。これだと、その場で決済しますから分かりやすいわけです。ちなみにブラスタギでは、卵料理とご飯のセットで10,000ルピア、チキンとご飯のセットで15,000という価格でした。
温泉へ散歩

一休みして、夕方になって、温泉まで散策に出かけました。のどかな田園風景の中を散歩するのは気持ちの良いものです。しかも世界最大のカルデラ湖の河畔を散策です。夕方の雲を眺めていたら、地元の人が人懐っこく声をかけて来ました。屈託のない平和そのものなる空間です。温泉に行く道中、1軒の宿を見つけました。ここも同じような料金設定でデラックスが20万、エコノミールームだと10万ルピアです。でも窓もなく、トイレも共同ですから、最初に見つけた宿が大正解だったようです。この宿は外見がバタック様式の伝統的なデザインを仕込み、広い庭もあり、のんびりするにはふさわしい宿でした。

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