2017年11月20日月曜日

スマトラ紀行(8)ブキッテンギへ

ALSの事務所ではバスの出発は18時だから予定の30分前までにバス駅に到着するように説明を受けました。宿のチェックアウトは12時になっています。ギリギリの時間まで粘ってチェックアウトです。30メートルほど離れたところには、ちょっと小奇麗な喫茶店兼食堂があります。価格表示もあり、安心です。スマトラはコーヒーの栽培が有名ですから、人々は一般的にコーヒーを好みます。と言ってもインドのようにミルクを入れるのではなく、ブラックで砂糖を入れたものを飲んでいますが、これがもうむちゃくちゃ濃いのです。それで、タバコをプカプカさせるのが、あたかも身だしなみという風潮です。もう、街のあちこちに吸い殻が散らばっています。世界全体が灰皿の社会で、誰も遠慮することなく吸い殻をポイポイと捨てています。日本や西欧社会のような禁煙化しつつある社会とは大きく事情が異なります。
ともかくバスの出発まで6時間もあります。この喫茶店はWIFIもあり落ち着ける場所です。昼ごはんを食べ、コーヒーを飲んでいるとあっと言う間に2時間経過です。さて、この喫茶店の主人やスタッフの昼食の時間です。私が日本人だと知っていたので、ご飯を一緒に食べませんか?と誘いを受けましたが、残念、今食べたばかりですからねぇ。なるほど、親切な人々も沢山います。
トバ湖周辺はキリスト教徒が多いので、アルコールの規制もゆるいようです。ここでは、キリスト教徒が大半でイスラム教徒が少数化という背景があります。やたらと目に入るのが教会です。
ご飯とお茶で時間を潰してもまだバス駅に向かうのは早すぎます。7キロの荷物を抱えながら、ブラブラと市内を散策です。どこにいても湖が見えるので大満足です。そうこうしている間に、そろそろ駅に向かう時間となりました。
メダンとパダンを結ぶバス
18時発のバスは予定よりも5分早く到着しました。図体の大きなメルセデスベンツの大型バスは5時55分に到着し、私を含めて二人の乗客を乗せて出発です。さて、今から16時間のバスの旅が始まります。マレーシアの場合は贅沢で3列席の配置ですが、ここでは2人と2人の4人がけが一列にならぶバスです。もう既に座席は満席の状態です。幾つかの空席を残したままの出発となりました。座席は意外と座り心地が良く、これならぐっすり眠れそうです。車内は音楽がガンガン鳴り響き、後ろの方からタバコの匂いとトイレの匂いが立ち込めています。日本の高速バスのイメージとはかけ離れた存在です。ああ、こんな環境の中で16時間も過ごすとなると、ちょっとビビリます。しかし9時を過ぎると音楽は消滅でやれやれ一安心です。道中7時頃は夕食タイムとかでバスは
近くの食堂で40分ほど休憩です。そして10時頃になると、今度はお祈りタイムとかで、1軒の回教寺院の前に停車して30分ほど休憩です。国が変われば、習慣も大きく異なります。これぞ、まさしく異文化体験というものでしょう。本当の異文化に触れるには、観光タクシーで回っていても読み取ることが出来ません。ガンガン鳴り響き音楽が聞こえるのが彼らにとって異質なものではなく、そこに本当の生活の香りを見出すことが出来るのです。
さて、バスは30分もすると周囲が薄暗くなりました。赤道が近いので一年を通じて日没と夜明けの時刻に大きな開きはありません。山岳道路を走るものですから、平均時速は30キロほど進めば良いほうです。道幅が狭いのに、図体の大きなバスですから、対向車が来る度に超減速しながら徐行運転です。果たして予定どおりに到着するものでしょうか?

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