2017年11月25日土曜日

スマトラ紀行(13)ファーリ少年

ファーリ少年の事
始めての絵
このクリーニング店は、三人の従業員を抱えています。一人はこの地方の田舎の娘でジャカルタで働いた事もあるという女性、そしてもう一人は、この建物と同じブロックに住む夫婦の奥さん。そしてクリーニング店の裏側に住まいがある女性がパートタイムで忙しい時に応援来てくれます。この奥さんは、まさしく働き者で、陽気な性格です。旦那はバス会社の客案内係として働いています。奥さんは、色々な仕事を経験しています。メイドさんとして働いたこともあったそうです。しかし学歴が低いので、給料の良いところへは就職は出来ません。幸いにちょうど良い場所が見つかったものです。サルマンも彼女の事を気に入って信頼しています。
5日後の絵
先日は数日間実家の父親が病気だったので、急遽実家に帰っていたので私が到着した時には会うことができませんでした。成る程実直そうな人柄です。そして小学校一年生のファーリという一人息子も一緒です。このファーリ君はなかなか可愛い少年で、はにかみ屋ですが、挨拶を交わしてしばらくしてから、私のパソコン(タッチパネル方式)で絵を描く練習をすることになりました。
いや、結構頭脳明晰な子です。簡単に使い方を教えると、少しづつ描きはじめました。直ぐに要領を覚えて、山を書いたり、雲をか
いたり、飛行機を書いてみたりしています。時々、考え込みながら、次は何を書こうかと真剣な眼差しをしています。色の使い方、消しゴムの使い方や、訂正の仕方などは、言葉も不要で、私の作業を数度観察しただけで、コツを覚えてしまいます。このお絵かき教室は、数日の間続けることになりました。本人も学校から戻ると、恥ずかしそうに、私のそばによって来ます。もう何を期待しているか言わなくてわかります。「さぁ、今日もお絵かきしようね。」ニンマリとしてパソコンに向かっています。
ニコ・レオナルドの事
サルマンの友人にはニコというニックネームの青年がいます。彼は大工仕事や機器の取り付けなどの作業にたけていて、サルマンのお店の設立以来の協力者だそうです。さて、彼の名前は一見クリスチャンの名前ですが、この地域では一般的で西洋風な名前をつけても立派なイスラム教徒です。この例は数々あり、私の友人の一人で、4年前にアストゥティ女史と一緒の飛行機に乗ったマリアさんも実はイスラム教徒の女性です。サルマンの同級生なるボブも回教徒です。
さて、このニコさんは時々お店にも顔を出しますが、それは、夜が更けてからの出没です。始めは不審に思っていたのですが、ようやくその謎が解けました。何しろ彼は無免許運転そして、バイクにはナンバー・プレイとが着いていません。勿論ヘルメット無装着で走ります。「夜、暗くなってからだと、お巡りさんいないから大丈夫」ああ、参った、参った。日本では信じられないことが起きています。そう言えば、こうしたケースは良く見かけるわけです。


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