2017年11月23日木曜日

スマトラ紀行(11)サルマンの日々


鶏唐揚げ定食(80円)
サルマンの生活も大変なようです。この地域の習慣として女系家族で悩んでいます。妻の方が実権が強いので今の彼には何をすることも出来ません。よくここまで人生を送ったものです。日本的に考えると情けない部分があります。正直言うと愕然としてしまいます。はるか遠くから訪問したはずですが、安宿に篭り、本人も自分の不甲斐なさを反省せざるを得ないのが現状です。今私の家では、妻の方が80%私が20%ほどしか実権がないんですよ。でも、これから少しづづ改善していきたいと思うんだけど!このウエスト・スマトラ州はミナン族が住む地域で、伝統的な女系家族を構成しています。財産相続権は娘に引き継がれますから、当然の事ながら女性の権力が強くなります。
80円均一の食堂
いわゆる、この地域の男性はすべて婿入りしていることになります。ちなみに、サルマンの兄弟の中で兄の家では旦那が4割ほど力があり、彼の妻の方がまだ実権が強いとの事です。弟のヤントの家では半々だとか。そう言えば、アストゥティ女史の動きを観察すると、いつも旦那が奥さんの言うとおりに車で迎えに来たり。送ったりしています。STTPの守衛アントーさんやパソコン技師のラムジルさんの様子を見ていると、どうも奥さんには頭があがらないという状況が見えて来ます。

それにしても、このサルマンはおっとりタイプというか、考え深い性格で信心深い人物です。時々ちょっと失礼、お祈りの時間だからと言って姿が見えなくなります。お店の後ろに回って熱心にお祈りを捧げています。時々思い出したように、「あなたからから教わったんですよ【一歩一歩ゆっくりと進めば成功するから】」と今の自分の仕事に夢と誇りを持っています。開店当時は親戚からお金を借りて開店したものの、最初の一ヶ月は殆ど客もなく、困り果てたようです。しかしここに来て、順調に進み、近所のクリーニング店を追い抜いているようです。ここ二年ほどの間に様々な実地経験をしたようです。他の店の事例を参考にして、自分自身の誠実な対応を常に心掛けているのが良くわかります。従業員と共にアイロン掛けをしたり、洗濯機を回したり、干し物を取り込んだりも行っています。
以前銀行に勤務していた時の友人も、その銀行を辞めて自分でクリーニング店を経営し大成功を収めています。家庭用大型洗濯機3台を準備し、ガスを利用したスチームアイロンを導入して、毎日多くのお客を確保しています。
サルマンの説によると、お客様が汚れたものを持ってくれば、それをきれいにしてお返しすることが私のサービスです。そしたら、お客さまも幸せです。私も幸せです。」と張り切っています。結婚した当時は銀行に勤務していたので、毎日背広を着て、靴をはいて格好は良かったのですが、実際の仕事は借金の取り立てとローンの貸出の営業職ですから、真面目人間のサルマンには面白くなかったことでしょう。取り立ての問題が発生し、顧客が銀行に乗り込んで、サルマンの上司と刃物沙汰になって以来、この職業に嫌気が指したのでしょう。サルマン自身は、その顧客から責められる事はなかったそうですが・・・・。また、ジャカルタで2年間過ごした時は、路上で日々を過ごしたこともあったとか。しかし、こうした人生の様々な経験が今の彼を杵築あげたのでしょう。今日も一日私の財布からは出費なしです。
彼には二人の姉と一人の兄、そして二人の弟がいます。その中で出世頭は、今ジャカルタに住んでいるムスリムです。25年前に出会った時は小学生でやんちゃな性格でした。学校を卒業してから、ジャカルタに出て衣料品の販売を始め成功をなしたようで、今は車も持つようになりました。母親を引き取って家族と一緒に住んでいるようです。そして末っ子のヤントも大きく成長しました。何しろ25年までに会った時は小学校一年生の鼻タレ小僧が、今は鼻タレ小僧を抱えたお父さんで貫禄もついてきました。しかし、昔の優しさ、微笑みは今もどこかに残っています。それぞれが、自分たちの家を持って(男の場合は家といっても、嫁さんの家)それなりに生活しています。

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