この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです
11.庶民の暮らし
11.1給料あれこれ
パゴーの寺院 |
パゴーのサンフランシスコゲストハウスの隣の家は内職としてシガー(葉巻煙草)をセロハンでくるむ作業をしていましたが1000本巻いて12チャットの収入とか、一日平均7000本の作業をするそうです。一日の日当は12×7=84チャット即ち40円と言う事になりましょう。矢張り如何に賃金が安いか解ります。何故こんなに賃金が安いのでしょうか?この国の不思議の一つです。
ピーのパンガバ・ゲストハウスで半年前から住み込みで働いている20歳の青年は一ケ月1000チャットの給料です。いつも明るく我々を迎えてくれます。インドのホテルで働く人々も結構明るいのですが、マネージャーとルームボーイそして掃除の係りという具合に厳格な階級制度が根底にあり、何となく陰湿なイメージをぬぐいきれません。しかしここではそう言った制約を余り感じる事なくおおらかに生活している感じがします。
地方の喫茶店等で働いている少年達の給料が一ケ月700チャット程度という話です。勿論食事と住居は与えてもらえます。お祭りの時等は別途200チャット程お小遣いが頂けるそうです。 また年に一度はロンジー等が支給されると言います。一日の手取りが20から30チャットすなわち円で換算すると15円という事でしょうか? これがヤンゴンになるとかなり跳ね上がって一日の平均賃金は150チャットを超えるようです。しかしここから食事代を自分で払う事となれば手元には殆ど残りません。マンダレーの日雇労働者で、大体100チャットと言われています。
銀行の支配人の給料は一ケ月2,000チャットと言われています。しかしこの給料で家族を養う事が出来るのでしょうか?学校の先生は一ケ月1500チャットとなっているそうです。 しかし彼らの表現は過小評価とも言えましょう。公務員は米と住居が別途支給されています。その他に我々の目に見えぬ所で色々な余録が回って来る事と思います。この闇の経済の支配が浮き彫りになって来ました。彼らはそれを何の惨めさを示す事なく明るい表情で説明してくれます。不思議だと思いませんか?
ミャンマー鉄道の管理が悪いのはどうも職員の安月給にあるようです。彼らの給料は月に900チャットだそうです。 これでは他の仕事をした方がましでしょう。 ある鉄道員は偽の診断書を提出して辞職し、2万チャットの資本金で自分で商売を始めたら一ケ月20000チャットの収入が確保出来たそうです。 鉄道の保守管理をするよりもジャングルで薪を集めて売る方がよほど収入がよいのが現状です。今後のミャンマーレイルウェイはどうなるんでしょうか?
これだと何らかの方法で小遣いを稼ぐ事が大はやりになるようです。一寸英語を知っていればすぐ家庭教師が勤まります。 白タクならぬ白自転車運送業等も立派なお小遣い稼ぎなのかも知れません。しかし人々は何と仲睦まじく暮らしている事でしょう。
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