2017年3月9日木曜日

10.2都市の個性



この記事は1998年にミャンマーを訪問した際の日誌を再編集したものです



10.2都市の個性

ヤンゴン市庁舎前にて
今回の旅で幾つかの主要な町を訪問する事が出来ました。それぞれの町のポイントを列記してみたいと思います.まずヤンゴンは矢張り首都としての風格及び活気があります。 そのエネルギーは隣りのバンコクに比べると規模の点では小さいのでしょうが、人口は周辺を加えると500万人とも言われています。今後急速に人口も増大していく可能性があるでしょう。しかし他のアジアの巨大都市と違う点はスラム地区がないという事ではないでしょうか? 今後2015年にはボンベイの人口は3千万を超える可能性があると懸念されています。果たして将来のヤンゴンの人口はどの位に増加するのでしょう。
マンダレーは別名中国人の町とも呼ばれています。この都市の仏教徒の数は7割しかいないという話を聞いた事があります。 最近はミャンマー語の話せない人々の数が急激に増えたと話しています。お隣り中国からの経済難民の流入でしょうか?市街は碁盤の目のような作りになり住所を示す時には何番通りと何番通りの間とか何番街と何番街のコーナー等という表現が為され大変わかり易いのが特徴です。いわゆるアッパービルマの中心都市なのですが、その規模は日本の何処かの人口10万人程度の地方都市という雰囲気がしないでもありません。

パゴーには有名な寺院が幾つかあります。ヤンゴンの衛星都市みたいな感じもします。市場はいつも賑わっています。どちらかというと喧騒の町とでも言いましょうか?ヤンゴン市内は最近ビジネスライクになったようで、大変忙しさを感じます。ここは、まだ田舎町の雰囲気が残っています。茶店のマスター相手にのんびりと世間話しをする余裕があります。町の中心部には回教寺院やヒンズー寺院があり、ヤンゴンほどではありませんが、ここも雑多な人種の集合地帯です。 この駅では今でも蒸気機関車を見る事が出来ます。 宿も安くて清潔で親切です。つい滞在が延びてしまいそうです。
パガンはほぼ100%仏教徒の住む遺跡の町です。 ですから極めてビルマ的雰囲気を感じる地域です。 その空気といのは、別の言い方をすればだらしなさ、いいかげんさ、怠惰な性格という意味合いも持っています。良い意味で表現すると寛大でこせこせしなく、ゆったりとした性格とも言えましょう。 ボヘミアン的空気の漂う町でした。 インド系住民や中国系住民からあなた方は怠け者だから発展しないと指摘されても平然として人生を送れる性格ではないでしょうか? 我々も少しなりともあやかりたいものです。
タウンジーは高原の町です。ここにも大学が設置されていますから、この地域での重要な地位にあります。ここには、ちらほらとインド系ミャンマー人も多く住んでいます。 何処かタイランドの北方の町に似た感じを受けます。 何処からともなく首長族みたいな少数民族が買物に来てもよさそうな町です。シャン州の州都としての繁栄は今後も続くの でしょう。何しろここはシャンプレートと呼ばれる大高原を抱えています。雨季の頃にくればさぞかし青々とした大地を見る事が出来るのでしょう。 高原野菜が沢山取れそうな感じがします。ジャガイモが美味しいのではないでしょうか?
ピーはミャンマーの中でもっともミャンマーらしい都市だといわれています。 ミャンマーの誇るイラワジ川に面して可愛い町です。7から8世紀に建立された仏教遺跡も修復作業が始まっています。ミャンマーの大半を構成しているビルマ族の根城ともなっています。ここもどちらかと言うと殆どが仏教徒です。典型的なミャンマー人の空気が漂います。しかもオリジナル的存在である事を誇れる町とも言えるでしょう。国家のヒーロー、アウンサン将軍は、ここが出身地ですからね。
カラオは別途詳細が述べてあるので重複するかも知れません。 英国人に依って造られた町でしょう。昔は何もなかったジャングルに近い所を切り開いて、よくも町に仕立てあげたものです。高原に位置していますから、気候的にかなり朝晩冷え込みますので厚手のセーターが欲しい所です。 そういった事でネパールのグルカ兵やその子孫が好んで住むようになったのではないでしょうか? インド系の住民やネパール系の人々も結構住んでいます。 ゴールデンカラオゲストハウスの大将はインドのパンジャビ州のシーク教徒がルーツです。彼の義理のお兄さんも同じくパンジヤビ人ですがネパール語はとても流暢なのです。 以前メイミヨウに住んでいたそうです。 今はここで木材商売をしているそうです。 彼らはインドのアムリッツアーにあるシーク教徒の総本山ゴールデンテンプルの事が大変気になる様子でした。 インドや世界の話をすると彼らの眼は生き生きとしてきました。
ニヤウンシェはミャンマーのベニスというのは大袈裟かも知れませんが運河に囲まれいつもカタカタと船のエンジンの音が響きます。近 くのインレー湖には少数民族も住みこの市場を見学するとそれが良く分かります。 町自体はそんなに大きくはありません。 2キロ四方程ですから、歩いて何処へでも行く事が出来ます。といってもインレー湖巡りを除いて特別に見るべきものはないのですが、旅の疲れを癒すのに、のんびりを決め込むのにふさわしいかもしれません。

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