南インドは大きくかわろうとしています。特にバスを乗り継いて各地を回ってみると、色々な事に気が付きます。インド最南端のカンニャクマリからケララ州の州都トリバンドラムに向かった時に気がついたのは、病院の多いことです。また同時にキリスト教の教会も多く見ることが出来ました。
ケララ州をバスで走っていると、荘厳な新しい回教寺院が目に焼き付きます。この地域は昔からアラブのトレーダーなどが出入りしていた地域で、多くのイスラム教徒が住んでいます。またキリスト教徒も15%を占めています。ケララ州の場合はヒンズー教徒の数は他の地域に比べると少なく65%程度を占めるのみになっています。さて街道沿いのイスラム教寺院はさぞかし、アラブマネーの還流を受けて作られたものでしょう。中には、まだ工事中のものもあります。道路も立派になりました。今までは2車線しかなかったのが、4車線から6車線になり、区間によっては中央分離帯も作られています。高速道路の料金所も整備されています。マドラス周辺ではETCの普及も進んでいるようです。そんな中で、大きく目につくのが、何の変哲もない村の中にポツリと広大な敷地を構えての大学(私立)が造成されていることです。いずれは、この周辺地域は大学の街として発達していくのでしょう。マハバリプラム郊外にも二年前から大きな大学が出来ました。校舎は一部完成とかで、授業は始まっています。既に1000人もの学生を受け入れているそうです。建物はモダンで垢抜けたビルの本館が目立ちます。学生や教職員の送迎用の大型バスが20台走りまわっています。完成した暁は、広大な敷地にいくつもの建物(棟)が並ぶことでしょう。学生は周辺地域だけではなく、遠く北インドからも勉強に来ています。勿論寮も完備しています。ここは、工科大学として名を連ねていますが、様々な科目があるようで、環境工学やバイオテクノロジーの学部もあるとの事です。学校の名前は長ったらしく、Dhanalakshmi Srinivasan Enginnering Collegeと名前がついています。いずれは、今の規模が更に膨れ上がり1万人ほどのマンモス大学になるのでしょう。かくして、ここマハバリプラムも次第に北インド系の住民がじわりと増加していくことになるでしょう。幸いに、マハバリプラムからIT工業団地までは30キロも離れていません。就職の道も多少は希望が見えてきます。インドの場合は学業を終えたから、就職は国内でという説は当てはまりません。日本では多くの卒業生が国内に就職を求めます。それは、主として日本語しか出来ないというハンデが伴い、海外への就職という枠が見当たらないわけです。またそういった発想は存在していません。しかし、ここインドでは技術系の大学ともなると英語で授業がなされるわけですから、一応国際的に通用するのも当然です。就職の道は国内外を問わず、広く対応出来るのがインドの強みといえるでしょう。技術系大学だけではなく、医学関係の大学も卒業すれば、国外就職という道も広がっています。こうして、インド社会はあらゆる部分で国際化の波が押し寄せてきます。それに比べると日本の国際化というのは、完全に立ち遅れてしまったと言えます。日本人の海外への渡航者数が1500万人を越えているはずですが、その多くは数日間の観光旅行としての渡航が大半を占めています。南アジア諸国での渡航者数というのは、主に海外出稼ぎ組の数に比例しているでしょう。近年インドからの観光客が世界各地で見受けることが多くなりました。確かにインドパワーには目をみはるものがあります。しかし、その実態をどのように解釈すれば良いものでしょうか?
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