2011年1月27日木曜日

収入格差


さて、ネパールやインドは人件費が安いと定説になっています。果たして人件費は本当に安いのでしょうか?今までの説明では重要な部分が欠落しています。すなわち、生産性を基本にして考えるならば、決して安いとは言えません。もしかすると、それは日本より高いかも知れません。例えていうならば、南アジア諸国の多くの官僚の行動を見れば良くわかると思います。日本の農協の理事職に似た職員が大半を占めています。10時出勤、4時半帰宅、昼休みはたっぷり2時間、実際の仕事は2時間もすればましなほうかもしれませんね。一ヶ月の給料が現地では比較的良いとされる10,000ルピー(12000円)としましょう。お祭りの多い国ですから一ヶ月に20日出勤すればましな方でしょう。実労働時間は2時間×20日とすると40時間で12000円とも読み取れます。そうなると時給で300円。まあ日本の最低賃金の半分程度に該当します。更に、公私混同による受益分(公用電話の私用化、インターネットの個人使用や消耗品の私物化などなど)を加算すると、日本と同様な水準に達すると言っても良いでしょう。国民の数%がこう入った役職についています。公務員以外でも、労働市場は拘束される時間は8時間程度となっていますが、インフラの未整備などで、待機時間が大きく増加しています。この観点からすると実際の労働時間を調整しなくてはなりません。一日3組しか客がこないレストラン(特に外人向け)でもウェイターや料理人を配置しています。人材豊富な国ですから、自ずから買い手市場となり、実際の給与は下がります。しかし、労働密度からすると、一日一時間しか働かないのと似ています。働いている人々全部がこうした計算に該当するわけではありませんが、国際的な統計をとって比較するには、生産性などを含めた新しい観点が必要でしょう。なるほどネパールの銀行員のようにかなりタフに仕事をこなしているケースも見受けます。勿論彼らの場合はそれに見合った高収入を得ていると言えるでしょう。高級ホテルで働く人々はそれなりに、国際標準の礼儀作法を心得なくてはなりません。小さなホテルだと、客がいない場合はうたたねしていても平気でしょう。しかし、前者の場合はそんなわけには行きません。緊張の連続とも言えるでしょう。それは、すなわち労働密度が高いとも言えます。国際的に所得を比較する場合、こうした観点からすると、南アジアの人々の所得は実際以上に低く統計に出される結果になってしまいます。また、南アジア特有の喜捨(バクシーシ)や賄賂による副収入は統計上現れていませんから、現地の人々の実際の所得はかなりの額が上乗せされるのが実情です。国民全てがこうしたブラックマネーの恩恵に預かっているわけではありません。中には時間から時間へと過酷な労働を強いられている人々も存在します。ネパールを語る場合には、最初のスタートが、「ネパールは年間所得一人当たり250ドル程度の貧しい国です。」という観点から始まっていますが、どうもそうではないようです。

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