今から30年前、この道路は埃だらけのガタガタ道でした。ぎりぎり2車線で、対向車が来ると徐行運転をしなければなりませんでした。それから30年後、状況は一変しました。10年ほど前から、この近くはIT関連産業が軒を並べるようになりました。それに付随して私立大学も広大な敷地に大きな建物を作り全容を誇っています。働く場所があると、当然の事ながら、団地やマンション、ショッピングモールの造成も必要になります。マハバリプラムからチェンナイまでの所要時間は今も昔もそんなに変わりません。道幅は広くなり、4車線、6車線になりましたが、交通量も同時に増加し、ラッシュ時間帯には渋滞があちこちで発生します。様々なタイプの車両がうずまく、インド的な光景です。所々まだ工事中や道路補修中の箇所があり、そこへ出入りする重機車両が道幅を狭くします。道路もすぐに痛んでしまい、随所に穴ぼこが生じます。スイスイと走っていたのが急に速度を落として走らざるをえません。それにしても、交通量の増加には目をみはるものがあります。料金徴収所もあり、日本でいうETCの仕組みもあります。交通規則といっても、あるようで、ないようで皆思いのままに動いている?そんな中をお巡りさんが、警棒を叩きつけてやけくそになっている光景は日常茶飯事です。政府が決めた飲酒運転の規則もあってないようです。話によると、飲酒運転が発覚し正式に告訴されると500ルピーの罰金が待ち構えています。それを三回繰り返すと免許停止措置が取られるというのは、日本でもおなじみかと思います。ここで大きく異なるのは、この国では、500ルピーで正式に交通違反切符を切る変わりに、100ルピーか150ルピーの目溢し料を直接お巡りさんに払うことで、物事が丸くおさまるという方法が幅を効かせています。そんな事もあって、インドのお巡りさんはやけにメタボ気味なのかも知れません。
同様に、排気ガス規制も実施されているのですが、政府が運営するバスの中にはものすごく古い車両があります。大都市区間を走るバスが一定の期限に達すると、それが、地方の田舎路線用として転用されています。車体に描かれた行き先表示もそのままで走っています。地元の人のみが知るまさしく路線バスになってしまいます。それに比べると民間事業の運営するバスは規則に準じて、次々に新車に買い換えをしています。トラックも、排気ガス規制があるのですが、車両点検には、賄賂が幅を効かせて古くても難なく通過しています。インドだけではなく、南アジア社会に広がる、こうした習慣が続く限り、発展への道は険しいようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿