2015年12月13日日曜日

ミャンマー事情2015 (9)ポパ山


パガンから東へおよそ60キロの距離に土着信仰ナッツの神様を祭ったポパ山があります。ここへ行くには乗り合いタクシーが最も便利です。ここ、パガンのピンサ・ルパゲストハウスは一部屋20ドルで快適に過ごすことができます。日本語堪能な世話係、自称門前小僧という日本語が達者なミャンマー人が常駐しているので、何かと便利です。彼が言うには、「他で申し込むと10,000チャット要求されますよ。私は9,000チャット(900円)で手配しますよ。他の人に言わないでくださいね。」ということで明日の朝8時半出発の手配を依頼しました。


途中で立ち寄った椰子工房にて

ポパ山への階段

よく登りましたね。

岩山の頂上を目指して

これがポパ山

当日は私達4名のほかに外人が二人乗り込みました。私達は門前小僧さんに料金は支払い済みです。支払ったといっても領収書があるわけでもなく、顔バスで信じるしかありません。さて、この乗り合いタクシーは運転手が宿や客引きと契約していて、宿への送迎が含まれています。私達を乗せて、次の客が乗り込む時に、仲介役が運転手に7000チャットを払っていました。ということは、もしお客さんから10,000チャット集めていたとすればその差額の3000チャット(300円)が仲介役の手数料ということになります。この300円という金額は、彼らにとっては大きな収入です。何しろたらふく二回の食事にありつける金額です。いわゆる、闇社会の典型ですが、私達は何の違和感もなく、騙されたという怒りでカリカリするわけでもありません。私達の脳みそがミャンマー化したのでしょうか?私達の身の回りを振り返れば価格というものは一定でなくてはならないという既成観念があります。それを逸脱するとぼられたとか、吹っ掛けられたとかなどと失念しがちです。視点を変えて眺めれば、私達の社会が異常なのかもしれません。ミャンマーの場合は、このようにして、価格にいろいろと手数料が上乗せされる場合が常々ありますが、インドやネパールなどのように、二倍や三倍になることはまずありません。手数料というのは、正当なのか、不正なのか、誰が、何を基準にして設定するのでしょうか?ミャンマーの風土は、そうしたケースにぎすぎすした印象を持つことは極めて少ないようです。この手数料(コミッション)の意味は、立場を変えて言えばワイロにもつながります。寄進にもつながります。そうした境界を感じることなく、何かしらスムーズに要件が進められるまろやかな社会に見えてなりません。
途中で立ち寄った椰子工房

8時半に出発した私達のワゴンは遠くニューパガン方面まで向かい客を拾っての出発です。最初に聞いた話では2時間で到着するからという話が3時間になってしまいました。途中で私達の車は、椰子工房に立ち寄りました。椰子酒の試飲や、椰子の甘味を使ったお菓子の販売などを展示しています。そんな中で、ピーナッツからオイルを取るのに、ろくろ方式で牛も活躍していました。この光景は12年前と全く同じです。ミャンマーの経済活動は最近急激に進化し、ヤンゴン市内はスーパーマーケットが乱立しています。加工食品や台所製品、電化製品など数多くが中国やインドからの輸入品で埋め尽くされています。そんな中でミャンマーの商品を見出すのは至難のわざです。概してミャンマーは第一次産品には自信があっても、それらを加工する技術はまだまだこれからです。こうして立ち寄った工房は次第に見世物化してしまうのは時代の流れかもしれません。しかし、周囲の眺めにぴったりとフィットしています。
さて、余談ですが、先日ヤンゴンで洗濯用洗剤を購入しました。1パック120グラム入りが250チャット(25円)でした。この商品はバンコクからの輸入品で、パッケージもタイ語で埋め尽くされています。昨年タイで同じ商品を購入した時は⒑バーツすなわち30円でした。タイバーツは今強くなっているので、現在の価格では35円弱となります。以前ミャンマーを滞在した時にも、こうした不信感を感じていました。その理由は通貨のからくりに大きく左右されているようです。一般的にミャンマーの通貨は弱いとされています。慢性的に価値が低下していく傾向にあり、2012年は1ドルが850チャット、一年前は1ドル1000チャットだったのが、今年の11月には1300チャットに近く数字になっています。ミャンマーの商人が仕入れた時に設定した価格で販売されているようです。チャット安差益とでもいいましょうか!
さて、こうして11時前にようやくポパ山の麓に到着しました。運転手は午後1時にここに集合してくださいとの事で各自自由に散策を始めることになりました。およそ700ある階段を登らなくてはなりません。途中多くの掃除の人が待ち受けています。まるで失対事業をやっているかのように、20メートル毎に箒を抱えて巡礼やからの謝礼を待ち構えています。観察してみると、彼らは高額紙幣(1000チャット)が目に入るように一番前において通り過ぎる人々の歓心を買っています。しかし、どうも真剣さがかけているというか、掃除しているようなしていないような!途中のお店では、売り子さんたちの多くはスマホを抱えて熱中しています。これって商売成り立つものでしょうか!ここだけではなく、世界全体が同じ傾向に向かっています。スマホの普及は使い方次第で生産性が大幅にダウンしてしまいます。
苦労した登頂の成果ありで、頂上はさわやかな風に包まれて、広大な景観そしてユーモラスな神様達が鎮座しています。このポパ山は年間を通して巡礼が盛んと見え、通路には雨が降っても大丈夫なように、屋根付きの通路になっています。傾斜の強いところには手摺が設置されミャンマー版ですが万全の対策がなされています。こうして無事ポパ山巡礼の半日(宿への帰着は午後2時過ぎ)が終わりました。

スマホで記録したデータは以下のデータをダウンロードすることでGOOGLE EARTH上で自由に操作して閲覧することができます。


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ファイルサイズは20メガバイトあります。
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1 件のコメント:

  1. 旅していて悩みの一つが、寄進・物乞い・物売り・呼び込みへの対応ですね。貧しい所へ行けば、物乞いがズラット並んでますから、いちいち対応していれば 小銭がいくらあっても足りません。もっとも困惑するのが、身体に障害のある幼い子供が、懸命に憐みを示してくる場合です。ヤンゴンでは、親に強制されて我々に何度も迫ってくる幼子がおりました。心優しき私たちは・・・・・!!

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