ミャンマーも今はスマホやiPhoneが急速に普及し始めました。今回は、ヤンゴンの空港で、パスポートを提示し、即購入してみました。私の使っているASUS社のアンドロイドスマホは購入してから一年経過していますが、本体に異常もなく、正常に稼働しています。昨年の旅行には、マレーシアでHOTLINK社のSIMカードを挿入して使いまくっていました。今回はミャンマーバージョンです。空港内にはMPT(ミャンマーポストアンドテレコム社をはじめ、数社がSIMカード販売のカウンターを持っています。さすが、空港では多くの外人が利用するのでしょうか!お姉さんは、手早く作業を進めていきました。まず、受付にあるスマホでパスポートを撮影し、基本データを保存です。完全ペーパーレス化しています。日本でSIMカードや電話の契約、そしてネットの契約をする場合は、住所氏名なんじゃら、かんじゃらと書類を記載して、サインもしくは捺印しないと成立ません。これは、日本よりもはるかに進んだ方法かもしれませんね。書類をたくさん作って保存しても、その管理に費用がかかります。何か事件が起きた場合にチェックするにしても、大変です。勿論、手書きまたは、人の手での入力作業を伴っての文書作成には、誤りが発生する確率は高くなります。こうして考えるとミャンマー方式がはるかに合理的でしょう。SIMカードカードそのものは、150円ですが、いわゆる通信料として前金を払う必要があります。私のミャンマー滞在は残り10日間ですから、3000チャット(300円)分を購入することにしました。カウンターの彼女は、手慣れた手つきでAPN、ユーザー名そしてパスワードを手動で入力してくれて、使える状態になりました。
これで、電話もネットもOKとなりました。基本設定では、国内電話は一分あたり23Kyat、ネットは1MBあたり6Kyatと説明がありました。3000チャットとなれば、およそ500MBの容量です。これならば、宿のWIFIや喫茶店のWIFIを併用して使えば全く不自由しません。しかも有効期限は何と来年2月まであるじゃないですか!三か月有効となっていました。いろいろと試してみると、結構使い易く、重宝なものです。なるほど、時代は大きく変化しました。12年前にミャンマーを訪問した時のインド系の友人は貿易商をしていました。当時はSIMカードは、軍事政権の下で制限され、一枚あたり2000ドルしたとの事です。その価格だときわめて一部の人々しか利用できません。それが、徐々に価格崩壊へと歩み、50ドルの時代を経て今は1ドル強で販売されています。格安が始まったのは2014年8月ということです。こうして、一気に普及に拍車をかけることになったのです。今はミャンマーの庶民にとっては、スマホは必需品になっています。誰もが持ち歩いています。ミャンマーの民族衣装ともいえるサロン(腰巻)にピッチリとスマホを挟みこんで仕事をしています。あれは、なかなか落っこちないものですかね。見ているとひやひやしますが、彼らにとっては、日常の着こなしの一つでしょう。今で財布も腰巻に突っ込んで歩いている人多くいますから。何しろ、この腰巻は布切れ一枚で間に合います。ベルトも必要ありません。いわゆる芸術の極みとでも言いましょうか!
世界的に広まる格安SIMカードの恩恵は、ここミャンマーでも多く見受けます。友人たちとの連絡そして、遠く海外へ出稼ぎに行っている家族との連絡も大きな費用をかけることなく長く話をすることができます。私も日本の友人たちとの連絡はFBやLINEを利用しています。WIFIの使える場所では無料で連絡することができます。勿論SIMカードのデータ通信を利用してのチャットも最近は十分可能になってきました。いずれにしても初期投資が若干必要になるのですが、SIMフリーの格安スマホを購入すれば、ほぼ全世界で利用可能でしょう。
さて、スマホの魅力はやはり使ってみると、益々その有難さを感じることができます。私が特に利用するのは、SMSです。SMSといっても一通あたり1円の価格ですから、無料同然で、友人との連絡にはもっぱら、これを使いました。ネット環境もまんざら悪くありません。ヤフーの記事などもさくさくと動いてくれます。フェイスブックのチャットも支障なく利用できました。つい今もネパールの有名な山に登頂に行っている友人と数分間ですが、ネットを利用して元気なることを確認することができました。雪崩で登頂をあきらめて引き返したそうで、アマダブラムのベースキャンプからの連絡でした。
このようにして、人と人とのつながりに価値を見出すことになっていくわけかもしれません。今までは、国際電話などに頼るしかありませんでしたが、スマホなどを通じてのコンタクトは、最近は低価格が進み、非常に利用しやすくなりました。こうして、お互いがつながっていることに、幸せを感じるのは、私だけではないでしょう。多くのミャンマーやネパールの人々は国外へ出稼ぎに行っています。こうした人々への楽しみの一つが家族への連絡なのかもしれません。
さて、スマホがヒットしたこの国では、いろいろな珍現象を見受けます。これは、ミャンマーだけではないのでしょうが・・・・。マレーシアからヤンゴン空港に降り立ったのですが、空港内でも職員がスマホいじくって遊んでいるようです。税関チェックポイントには、それらしきスタッフがいるのですが、誰が過しようがお構いなしで、小さな画面にくぎ付けという感じです。宿泊したヤンゴンの宿では、門番係は人の出入りのチェックというよりも、スマホのチェックに大忙しです。ともかく、スマホ狂騒曲が流れているかの印象です。これだと、生産性が低下するのは、当然かもしれません。いや、元来生産性の向上という意識がないのですから、低下したとも感じないのかも!路上での物品販売業者も、スマホの画面ばかり見ていて、お客さんが来ても気がつかないようです。スマホといっても、チャットにも使えるし、ゲーム機としての機能も備えています。
さて、こうした風潮は日本的思考からすると、節制がないとか、遊んでばかりいるからよくない、時間を無駄にしている等というマイナスの評価に溢れてしまいます。しかし、逆の発想をすれば、それは、日本を基準に考えるから時間の無駄という認識にしかすぎません。長い長い時空で考えれば、この方法こそが、現存する社会を持続可能へ導く賢明な方法とも受け取ることができます。生産性向上、効率アップだけの社会では、そこに住む人々の心の状況は無味乾燥状態です。そんな中でゆっくりと前進すれば十分なのかもしれません。これからは、ミャンマーに学ぶことが多くなるかもしれません。
ヤンゴンの繁華街にひしめく路上売店の留守番少年達(10歳位か)でも、スマホに夢中です。我々は4人で旅しましたが、ガラケイ人間の私は、時として ひとり取り残されることがあります。WIFIの通じない場所に行くとホットします!!坂本
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