2013年5月28日火曜日

ヒマラヤの村 第1日目(1)悪路は続く

PIC_0568
ラメチャップ方面へのバス
今朝は5時半に起床です。昨日ドンゲ行きのバスを手配しました。料金は365ルピー(約400円)です。切符購入の窓口が何箇所かあるのですが、サインボードは勿論現地語です。マレーシアのバス駅はちゃんと看板があり、どの窓口で購入すれば良いのか誰にでもわかりやすくなっています。特にKLのバスターミナルは、空港のターミナル以上の設備とシステムが備えれれていました。中には、インターネットや電話で予約を済ませて、乗車券を引き換えるだけのカウンターもあります。人々は整然と窓口に並び、係員は手際よくパソコンの端末で発券、購入しています。それに比べると、ここは天国と地獄ぐらいの開きがあるわけです。まずは自分の行きたいバス路線の窓口を探すのに一苦労です。幸いに私の場合は現地語が多少出来、顔つきや容貌も現地人に近いので、難なくクリアです。さて、目的地へのバスは朝6時15分発で一本だけの路線です。係員に聞くと所要時間は6時間。となると多少遅れても現地へは午後1時頃には到着するものとほっとしていました。

バスターミナルは市内の中心街にあります。市の近郊路線のバスと東方面の長距離バスが発着する通称プラノバスパークは、早朝各地へのバスがほぼ時刻を同じくして地方へ向かうバスが10数台出発を待ち構えていました。そんな中で目的のバスを探すのも一苦労です。切符は全てネパール語、バスのナンバープレートもネパール語ですから、地元の人に訪ねて確認しなければなりません。バス番号は5777です。満員の客を乗せて定刻より10分遅れで出発しました。
さて、ネパールのバス(特に地方路線)は、大体において故障、遅れが続出するのが常です。今回も案の定カトマンズを出発して30分ほどしてからタイヤの空気補填です。空気を入れるといっても、コンプレッサーが稼動しなければなりません。所が停電が多い国ですから、圧縮された空気が空になると次に電気が来るまで待つか、他の場所を探す羽目になります。まずは第一回の出発後の車両整備で30分ほど遅れが出てしまいました。
今回訪問の概略(一部GPSデータ不良)

カトマンズは標高約1300メートルほどですが、一路東に向かい一ヶ月ほど前に訪問したドリケルを通過した後は一気に標高600メートル付近までの下りが続きます。9時半頃に、朝食タイムとなりおよそ30分ほどバスは休憩するのが、多くのバスの通例となっています。10時過ぎにはエンジンを噴かせてムレという町に向かいました。ムレはエベレスト街道へ続くカトマンズージリのハイウェイの中程に位置しています。ジリへはバスを利用して以前エベレスト街道へ出かけたことがあり、その記憶がよきります。途中朝食タイムの場所からは、今度は一気に勾配を上げ標高標高2000メートル付近まで一気に駆け上ります。車内はネパール音楽をガンガン鳴らしながら、エンジンをゴウゴウふかせながらの圧巻とした光景です。標高を稼ぐと共に周囲の景観も変わり、針葉樹林帯に入って行きます。カトマンズからジリへのバス道路はスイスの援助で作られたと聞きます。二車線の道路で大型車両がすれ違う際には徐行しなければなりません。最近は交通量が増え、道路各所の痛みが激しくなって来ています。ジリ街道の途中にあるムレという町からは、地方路線に入ります。
ムレでは乗客が乗り降りしただけで、休憩も何にもせずに通過し次の大きな村デオラリに向かいました。され、これからが本場のネパールの味を楽しむバス旅です。道路は舗装されるわけもなく、悪路が続きます。デコボコ道ですが、そんな事はお構いなしにバスは突っ走ります。走るといっても道が悪いので平均10キロ程度の速度なのですが、もろに座席に響き縦揺れ、横揺れの連続です。こうした状況でも誰も不満を待つ事もなく、車内は音楽が響く中、乗客はわけあいあいあと世間話をしています。およそ1時間半後デオラリに到着しました。さて、今度はここでタイヤの補強です。車掌は20分ほどで済むからという話でしたが、実際は1時間以上かかってしいました。タイヤのチューブを外して空気漏れを点検、修理していざ出発となりました。この付近は典型的な山村風景が広がり、随所に人の住む気配が感じられます。そんな中でここデオラリには数軒ものお店が並んでいました。目的地のドンゲまではあと僅かです。それでも到着は大幅に遅れそうです。しかも雲が多くなって来たのです。バスは快進撃かと思いきや、赤土道路の曲がり角でスリップしてしまいました。早速、同乗しているスタッフがスコップを取り出して周囲の乾いた土を後輪の間に投げ入れるという格闘を始めました。およそ20分の奮闘で、無事この難所を通過しました。所がまたまた難所が待ち構えていたのです。調子良くバスが運転を再会したかと思うと、突然犬が何かと出会い立ちすくんだかの如く、このオンボロバスも立ちすくんでしまいました。道路の先には、左右の轍にそって大きな水溜りがあります。運転手も、これをどうやって乗り切るか思案をしたのでしょう。かなり巨大な水溜りになっていますから、このまま通過しようとすればぬかるみにハマりこんで身動きがとれなくなるのでしょう。こうした経験は乗組員は経験済みなのでしょう。またスコップの登場です。客の中の有志が近くから樹の枝や枯葉そして石を集めて水溜りの中に放り込んでいます。スコップで溝をほり、溜まっている水を排出しようとしています。こうして即興の道路修復が終わり、客も車外に残し、空身で難所をくぐり抜けることが出来ました。この瞬間には大歓声が湧き上がった事は勿論でした。
さてさて、雨足が少し早くなってきました。私の切符は次の主要なる村ドンゲまでとなっています。到着予定を2時間以上遅れています。当初はドンゲで下車すれば、歩いて2時間程度で今夜の宿泊地となるコラカルカに到着しようという案を取り消して、追加料金を払ってこのままバスでコラカルカ(2950m)まで進むことにしました。所が、この区間がまた凄まじい道路です。むりやり切り取った崖の連続、、急勾配、ヘアピンカーブの続出そしてデコボコ道のスリル満点なるバスの旅でした。ランタン谷へは何度もバスを利用して山道のバス旅をしているのですが、あれは、まだまだ安心、安全道路、これは、本格的なオフロードの旅です。これなら事故の多発は避けられません。運を天にまかせての旅です。勿論地元の人々は誰も、そんな事は気にしていませんね。バスが村に入る度に、乗客達が、「**村だぁ、着いたゾォ」と合唱しているぐらいですから、私にも、今、何処に着いたのかわかります。こうしたユニークな世界に足を踏み入れてしまったのです。
こうした悪路に進むこと更に1時間半、バスは4時過ぎにコラカルカに到着です。このバスは私を含めて数人の客を下ろして更なる終点のドランバへ南下を続けていきました。バスから降りるや、小雨が襲ってきました。絶好のタイミングです。山の峠にあるこの村は数軒の平屋建ての質素な建物しか並んでいません。閑散としています。果たして、ここに宿泊する場所があるものでしょうか???
ここで下車

0 件のコメント:

コメントを投稿