2013年5月30日木曜日

ヒマラヤの村第2日目(1) スルケへの道

PIC_0579さて、昨日は8時過ぎにベッドに潜り込んだので朝6時半までぐっすりと眠ってしまいました。ネパール方式で朝はミルクティーを飲んでおしまいです。それで、宿代と食事代の支払いをしたわけですが、料金は300ルピーです。何しろ寒村そのものですから、もらったお釣りは5ルピー札がびっしりと含まれていました。カトマンズでは1000ルピー札を出しても全くお釣りの問題はありません。数十年前にトレッキングに出かけた時は、事前に100ルピー札を沢山用意しなくてはなりませんでした。近年主要なトレッキング地域では、高額紙幣を出しても何ら不自由なくお釣りを受け取ることができます。当方、この事を忘れて1000ルピー札ばかりが財布に入っていたのです。

さて、今朝の天候はまずまずで、雲が立ち込めているのですが青空が広がっています。そんな中明るい気分でいざ出発です。GPSを片手にビデオカメラを片手の単独トレッカーとなりました。宿の人にどの道を進めば良いのか聞いていたのですが、いざ出発すると難関が待ち受けていました。ネパール各地は道路建設のラッシュです。道路といっても、日本のように完全舗装された道路ではありません。車が一台ようやく通れるように山腹を切り出したままの簡単なものです。赤土がそのままの所もあります。石ころがむき出しの所があったり、日本でいうと山奥の発電所建設の作業用道路という感じでしょう。しかも、それがあちこち分岐しているわけです。

ええぇ、どの道を行けば良いものか判断に悩んでしまいます。人の往来があれば良いのですが、それすらまばらです。現に今回も歩き始めてから40分後に人の姿を見かけることが出来たのです。旧道(昔からの歩道)と新道(建設中の車両用道路)が交錯する中、祭礼に向かう地元のグループに出会い安堵の胸をなでおろす結果になりました。ようやく道を確かめることが出来ました。

このようにして、道が各地に作られていくのは発展の過程にあるのは、地域開発の必要性から当然の事なのかもしれません。どんな山奥へも少なくてもバイクで自宅へ辿り着くことができるようになりつつあります。どんな山奥へも公共交通機関が進出し3日かけて歩いて都に出ることは必要がなくなりつつあります。その背景には、村から多くの出稼ぎが輩出され実質可処分所得が上昇し、バス代金(山奥の交通機関は割高-22キロをジープに乗ると300円、ポカラカトマンズ200キロのバスは500円)の支払いが可能になってきました。収入が上ったものの、どう使おうか、何に投資しようかとなります。

エベレスト方面のトレッキングルート沿いはツーリズムが始まっていらい、急激なトレッキングマネーが流入し、使い切れないお金は家を立派にし、子どもたちをカトマンズに送り込み教育に投資しました。これに似た現象が今ネパール全体に起きようとしています。出稼ぎマネーが大きく村の姿を変ようとしています。反面、こうした作られた道路は村落開発への道となるのか、故郷から脱出する道になるのか行く末を見も守らなければなりません。

さて、自動車道路から別れて今度は昔ながらの歩く道です。所々休憩の為に設けられたtチョウタラが目印で、それが丁度適当な間隔で木陰や見晴らしの良い場所に設置されています。これが本当のトレッキングの楽しみなのです。勿論、今回のトレッキングは普通のコースではなく、外人の往来が殆ど無い場所です。外人トレッカーがいたとしても、グループでガイド付きとならざるを得ません。こうした中を老体!に鞭打っての単独トレッキングをするには、かなりの勇気と覚悟が必要になります。行き交う人からは、貴方は何処からと聞かれます。今度は正直に日本人と応えることにしました。それで相手は、私の風貌を見て信じられないという顔つきをします。

PIC_0577自動車道は大きく迂回しているので、いわゆる近道という事で所々旧道が残っているのですがそれが又結構急勾配なのです。今回はまだ杖を準備していません。いつもだと、トレッキングを始める時には、途中で竹の棒きれを見つけ、それがステッキの代用となるのですが・・・・。

2時間ほど歩いて、ようやく尾根伝いのダラという集落に着きました。さて、これで、今日の道中の半分に達したようです。所がまたまた道が別れています。地図には書いてない車道が大きく迂回し、目測では、多分あの場所で合流すると予想しても、それを確かめるすべがありません。100メートル先に小さな人影が見えました。その爺さんが来るまで待機です。爺さんに聞くと、なるほど私が案じていたように、途中で合流するとの話です。こうして、馬鈴薯畑の中を歩くこと30分、合流地点に到達です。

合流したものの、ここからは、車道が二手に分かれています。もう、旧道は消滅しています。トタン板で覆われた看板も何にもないバザールに入り込んでまた質問。人の姿を見るのが嬉しくて、楽しくて仕方がないという状況です。トタン屋根の長屋は4つに仕切られ、雑貨屋が二軒、仕立屋が一軒そして飲み屋が一軒構えられています。そんな中で道を聞いて朝食タイムとなりました。続く

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