2013年5月14日火曜日

ドゥリケル紀行 第1日目

さて、今回の坂本夫妻のネパール旅行はゴーキョ方面の旅を予定していました。予定通りだと2週間程度の山行となるのですが、大幅に変更となりました。ABC方面へと切り替わりポカラ観光をすくめて11日間で終わりました。となると余った時間をカトマンズにベッタリいるよりも、何処か他の場所に出かけようということになったのです。候補として上がったのが、ドゥリケルでした。早速実行です。時は丁度ネパールの元旦の日でした。
ドゥリケルはカトマンズから32キロ東にあり、古くからネワール族が住み、ヒマラヤの展望台としても有名な場所で、高級リゾートが並ぶ土地柄です。今回は勿論LCCタイプの旅です。地元のローカルバスと現地の安宿そして現地食が主体となる干場企画です。
常宿となっているフジホテルからカトマンズの近距離バスターミナルへは、細い路地裏をくぐり抜けておよそ20分の距離です。今日は休みの日で市内の渋滞はないものと安心しきっていたのですが、何故かしらバスは大混雑しています。きらびやかな衣装を着飾った人々が乗り込んで、車内はあっと言う間に満杯になりました。この路線は途中サンゲという所に有名なヒンズー寺院があり、初詣に出かける客でごった返しています。見事なくらい車内は日本の通勤電車のラッシュアワー同様ぎゅう詰めになり鼻叫喚の世界と化したのです。事実我々が下車する際も後部の座席に座っていたので、人をかき分けて降りなければなりません。かき分けるといっても、足が中に浮いたまま乗降口まで進まなければなりません。本当にかき分けてたどり着くしか方法がありません。通常1時間半の所要時間は2時間となる混雑ぶりです。

まずは脅威のバスから解放されて、停留所の前にある茶店で一休みです。ここまで来るとお茶は一杯10ルピーと格安安心価格です。しかもミルクの混合度合いも高く、濃厚な良いお茶を嗜むことができます。地球の歩き方を広げてじっくりと宿情報の検索です。手頃な宿が二軒、一つはナワルンガ・ゲストハウスそして、もう一軒はロイヤルホテルです。とりあえず初日の宿はナワルンガに向かうことになりました。
ナワルンガ・ゲストハウスはバス停から10分ほど歩いた距離にあります。そもそも、町の規模自体大きなものではありません。ガイドブックに載っている地図をみながら容易に発見です。外見はまずまず。中に入ってみると何となく異様な雰囲気です。やたらと水彩画があちこちに貼り付けてあるアートの世界です。ところが、あまりにも雑然としてこれでもか、これでもかという感じで随所に並んでいます。もう少しセンスのある配置をすればすっきりするだろうに!まずは宿泊料金の交渉です。とことこ階段を登って3階の一角にベッドが4つある通称ファミリールームを案内されました。まあまあ清潔でカラフルなベッドカバーがセットされています。ここにも絵画が沢山貼り付けてあります。一人300ルピーで三人で900ルピーを700ルピーに値切って交渉成立。さて昼食です。これが注文してからえらく時間がかかりました。味もどうもイマイチです。宿の旦那が言うには「今日は新年の休みで家内が外出中だからあまり美味しいものが作れなかった、へへっ」それで、やたらと飾ってある絵の販売を始めました。確か一枚1500ルピーとか言ってましたかね。我々はあまり絵画には関心がありません。しかも到着してやれやれという時点で、絵画の押し売りに出会うのは気持ちの良いものではありません。ネパール語で丁寧にお断りして昼食終了です。
午後は、ちょっと一休みして、古都の面影が漂わう旧市街の散歩です。しかし、あまりにもこじんまりとした旧市街が15分たらずで一周してしまいました。町の東側には有名なお寺と展望台があると聞きました。歩いて1時間ほどかかるそうです。こんもりとした森の中に巨大な仏像と展望台らしきものが見えています。まだ日も高く、宿に帰っても手持ち無沙汰です。山頂にある寺院をめがけて出発です。延々と続く石段はお正月のハイキングで賑わっていました。参道はは比較的綺麗で、所々ゴミを入れるカゴがあり、「ゴミは私に頂戴ね」と書いてあります。
歩くこと40分、ようやく峠に到着です。着いてびっくり、視界が開け、白き峰々が輝くヒマラヤは見えないのですが、のどか丘陵地帯が広がり平凡ながらも、魅力ある光景を創りだしています。ちょっとした感動の世界です。ヒマラヤと名の付く大きな景色でなくても、どこにでもあるような景色でも、感動を覚える事が出来る心を育てたいものです。

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