今日の歩行もゆっくりとしたものになりました。夜寝るのが早いので、自然に朝も早く目が覚めます。快食快便の日々が続いています。今日はヒマラヤンからマチャプチャレ・ベース・キャンプへ向かう予定です。いつものように、グルンブレッドで朝食を済ませ7時過ぎには出発です。今朝は真っ青な空を見ながらの山行です。標高をじわじわと上げているのですが、全員高山病の気配は全くありません。昨年のランタン・トレッキングでも病気らしい病気もなく、平穏無事に終えることが出来ました。今回もそうありたいものです。昨日は天候が荒れ、ここヒマラヤンでも雹やあられに見まわれたのです。しかし翌日は快晴で気温もぐっと下がっています。ヒマラヤンを過ぎると次の集落はドバンです。ここでいつものようにお茶の時間をすごしてデオラリに向かいます。ずうっと谷の奥へ進んでいるという実感が沸き上がってきます。このどん詰まりの場所がマチャプチャレ・ベース・キャンプと頭の中で理解していても、現実はそう簡単なものではありません。ともかく一歩一歩確実に近づいていくしかありません。ドバンを過ぎて1時間ほど進むとヒンク・ケーブという場所があります。地名の通り大きな岩が洞穴のように頓挫し絶好の雨宿りの場所ともなっています。さらに20分ほどあるくとデオラリという場所に着きます。ここで、もう一度お茶の時間です。水分の補給を兼ねてのティータイムはトレッキングには欠かす事ができません。
私の場合は現地の人々が飲んでいる水(宿で入手可能、概してろ過してある)を飲んでも胃腸は何ともありません。同行の坂本夫妻も徐々に慣れていらっしゃったようで、ドサクサに紛れて私の持参している水を飲む場合もしばしばです。嘘も方便かもしれません。「この水は煮沸ろ過してありますよ」と適当な注釈をつけて、「はいどうぞ!」標高が高くなり、マチャプチャレ・ベース・キャンプ以上になると、ペットボトルの水も販売していません。そうなると目をつぶって飲むしかありません。そんな理由もあり、坂本夫妻はマチャプチャレ・ベース・キャンプに着く頃には、普通の水でも対応出来るようになったのです。要は気の持ちようかもしれません。心配していると際限がありません。ご飯を炊く水はどうなのか?馬鈴薯を洗う水はどんな水?食器はどのようにして洗浄しているものか?郷に行ったら郷に従うのが最善の方法でしょう。
日本からの単得トレッカー(右側) |
さて、デオラリを過ぎてからは、所々雪の跡が残っています。日陰の場所は、氷が張ってツルツルしています。ここから先は谷が次第に細くなり谷にそって荒涼とした岩場が続きます。この谷の左側の道は雪崩やがけ崩れの危険があり、今は廃道になっています。新しい道が対岸に出来ています。と云っても岩場の多い道で、結構険しく、慎重に進まなければなりません。簡単な木製の橋が二箇所あるのですが、最初の橋は短いのですが、杖があっても、丸太全体が氷に包まれて非常に危険です。ここは、ともかく這いつくばって通過するのが最善の策です。万一ここで事故ったらABCは断念しなくてはなりません。緊張の走る一場面です。
この時間帯になると、ABCやMBCから下山する客と出会うのが多くなります。そんな中で日本のお姉さんにあいました。私達が今回のABCトレッキングで最初で最後にあった日本人でした。30歳前と思われる活発な女性です。ポーターやガイドを付ける事もなく単独のトレッキングだそうです。となると自分で荷物も担がなけれあなりません。まだ旅は始まったばかりとかで、これからアジアを横断してヨーロッパに向かうという逞しさを秘めています。最近はそういった逞しさを持つ日本人を見かけることは少なくなりました。
マチャプチャレベースキャンプより |
道中多くのトレッカーが声をかけてきます。アジア系でも最近は韓国や中国の人々も増えています。ある中国人は、「昨日はABCは夜の11時頃から雪が降って今朝は15センチの積雪でしたよ。大変滑りやすいから気を付けてください」と忠告してくれました。
なるほど、言葉の通り、ここから先は数箇所雪渓の残る斜面を横断しなくてはなりません。幸いにお昼が近くなり、気温も上昇し氷雪は緩み歩きやすい状態になってきました。まだお昼になっていません。時間もたっぷりあります。久しぶりの日本人にさようならをして、一時間もしない間に今日の終点MBCに到着です。11時半過ぎには、無事MBCに到着してしまったのです。
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