2012年11月7日水曜日

マレー紀行 第4日目 マラッカからアロースターへ

マラッカでの3泊は快適な毎日でした。でも、まだ今日一日が残っています。今夜9時20分までにKLセントラル駅に到着する必要があります。ランカウイ島への乗り継ぎ口であるケダー州のアロースターへの列車の切符は既に予約支払い済みです。インターネットの社会はこんなに便利になったものでしょうか?日本にいながらにしてマレーシア国鉄の寝台券が入手できるわけです。勿論、このサイトは全部英文ですから、画面を見ながらその指示に従っていかなくてはなりません。列車を選び、席を選び、クレジットカードで支払いをするのが一般的な手順です。今回は日本の旧ブルートレインがマレーシア東海岸とシンガポールに国境を接するジョホールバルという街を結んでいるのを知って、その試乗をも予定にしていたのです。しかし、運悪く、我々が移動した時期にはすべて満席で売り切れになっていました。マレー国鉄の良いところは、窓口で買うと60歳以上はパスポートの提示で4割ほど安くなります。ちなみに、狙っていたブルートレインの座席は一等車だと一人100から147リンギット(2700円から4000円)です。窓口で買うと更に安くなるわけです。今回利用したKLセントラルからアロースターの寝台列車は一人50リンギット(1350円)でした。駅で直接買えば、三人分の4割引きで1000円ほど浮くのかもしれません。しかし、手間と時間を考えて日本で用意することにしたのです。乗車券といっても自分で印刷すれば終わりです。以外とあっけなく手続きが終わりました。
マレーシア国鉄のサイトは http://www.ktmb.com.my/ をご覧ください。ここから様々な情報を得ることができます。
KTM ticket_ページ_2
今日はゆっくりと朝食を済ませ、午前中は思い出の一杯詰まったマラッカ市街を再度ぶらぶらしてから、お昼過ぎにKLに向かうことにしました。昨日といい、一昨日といい色々なイベントがあり、皆さん少しお疲れになったようです。また私と行動するとどうしても歩く距離が長くなってしまいます。よほどの事がない限りは自分達の足で進むというが原則です。しかし、一般的な日本人の姿としては、近所のスーパーへ行くのも車を利用するのが当たり前になっている車社会です。私のほうは、日本でも車を使う事は滅多にありません。歩くことについては当方は何の不自由も感じていないのですが・・・・。そうした環境の違いからくるものか、皆さん夜はぐ
っすりとオヤスミになっていらっしゃるようでした。熟睡、爆睡だたんでしょうか?それとも「明日も又歩かされるかも」とうなされていたのかもしれません。午前中はゆっくりと税関博物館の見学をしました。ここは珍し展示があり、税関の押収品や、昔の古い税関職員の写真などが展示されて、無料で見学ができます。ちょっと一見の価値があるようです。内部は勿論冷房も効き一休みするには絶好の場所でした。そうこうする内に昼ごはんの時間になりました。宿には12時のチェックアウトを一時間延長して1時頃帰ると了解をとっています。今日の昼はマラッカ名物の海南鶏飯を予定しています。その前に川沿いのカフェで水代わりにビールを軽く一杯づつ。そしてちょっと洒落た雰囲気の良いお店で又ビールそして待望の鶏飯をごちそうになりました。この店はなかなか味も良くチキン4分の1皿が15リンギットです。これを蒸し鳥と焼き鳥の2皿そしてご飯とビールを注文して57リンギットの支払いです。円卓を囲みながら半日の疲れが吹っ飛んだようです。しかし、今日はまだまだこれからが長い一日になるのです。夜の9時過ぎまで何とかして時間をもてあます事のないようにプランを練らなくてなりません。
DSCN4259優雅な昼食を終えて宿に帰ったのが丁度午後1時でした。さて市内バスを使うかタクシーを利用するか選択が迫られています。皆さん折角のほろ酔いかげんですから、ここで炎天下の中を10数分歩くのは残酷な話です。それで急遽宿の主人に車を手配してもらいました。皆で記念写真を撮ってお別れです。どんよりとした曇空の下をタクシーはマラッカのバスセンターへ疾走したのです。駅から来るときは値切り交渉をして20リンギットが16リンギットでしたが、帰路は20リンギット。陽気な運転手が印象的でした。にマラッカセントラルバス駅からKL市内までは数社が運行し2時間で到着することができ、便利で快適なのですが、今回は別の方法で向かうことにしました。まずは中間程に位置するセレンバンという町を目指します。ここまではバス料金は7リンギットです。この区間は一時間に一本しか本数がありません。まあ旅というものは待つことも必要です。待つのが嫌になる旅はやめたほうがよいでしょう。待っている間を利用して色々な楽しみができるのも旅の醍醐味です。人々の観察、駅構内の設備の徘徊。実際に取り組んでみるとあっという間に時間が過ぎていきます。要するに私達の行動を時間に合わせればよいのです。と言っても、老輩で横文字に弱い場合は退屈かもしれません。でも2時間も3時間も待つわけではないから許してもらいましょう。マレーシア各地にはこうした巨大なバスセンターが発達し、ここには様々な設備が整っています。大体が町の郊外にあり、市内中心部へは、バスを乗り換えるか、タクシーを利用することになります。だたKL市内はタクシーを利用しなくてもLRTという高速鉄道網やKTM(マレー国鉄近郊路線)が発達し、市内各地へのアクセスは便利に出来ています。
DSCN4279DSCN4280セレンバン行きのバスはEXPRESS NATIONALというマレーシア最大のネットワークを持つ会社です。出発五分前に改札めいたものが始まり車内に乗り込みます。ほぼ定刻に出発。所要時間一時間半ほどでセレンバンに到着です。さて、ここはバスセンターから鉄道の線路が見えるのですが、近いようで遠いのです。地下道をくぐり、専用道路を歩いて約10分の距離にあります。幸いに我々のグループにはスーツケース持参ではなく、AIRASIAの予約の際も預ける荷物不要(持ち込み荷物は7キロ以内)の身軽な旅です。もし、通常の旅行のパターンだとすれば、この距離を歩いて移動というのは相当な困難を伴ったことでしょう。やはり旅の荷物は軽いにこしたことはありません。ここまで来るともう安心です。KL市内とこの町は通勤路線としての車両が20分毎に運行されています。しかも料金も一人6リンギット(150円)ほどで、日本の市内バスよりも低価格です。如何にこの国の交通費が安いか実感できるでしょう。これがパッケージツアーだと、貸切の車から車への移動となりますから、その国の実情が皆目わかりません。今回は皆さんに様々な体験を通じて、マレーシアという国を理解して頂こうというのが基本です。まだまだ、これから怪しけな事柄が待っているのかもしれません。乗り込んだ通勤電車は最新型の車両で内部も綺麗で快適なものです。冷房ががんがん効き寒いくらいでした。KLはまだまだ先ですからのどかな田園風景を目にしながら約60キロの距離を一時間半かけてゆっくりと進んでいきます。直行バスで高速道路をまっしぐらよりも景色を楽しむことが出来たかもしれません。そして、この車両は女性専用車両なるものが二両連結されています。以外と進んでいますね。
さて、この女性専用車両は日本にも最近施行されていますが、こちらの国は先進国なようです。女性専用席というたぐいは、もっと古くから存在していたのです。20年前にパキスタンの市内バスに乗り込んだ時、前半分は男性席、後ろ半分は女性専用となり、厳重にバスの内部が金網で仕切られていました。そんな中を男性専用乗降口と女性専用のそれをいったり、きたりして切符を販売していた車掌を思い出します。今でも、この習慣は続いていることでしょう。南インドでもバスの左側は女性席、右側が男性席と暗に指定されているケースもありました。空いていれば男性が座ってもいいけど、女性が来たら席を明け渡さなくてなりません。比較してみると、仏教国は概して男女同席があっても違和感を感じることはありません。
こうして通勤列車は夕方6時半前にKLセントラル駅に到着です。ここで我々の乗る列車の確認をし、荷物三個を一時預かり(一個3リンギット80円)にし、チャイナタウンに食事に出かけることにしました。セントラル駅とチャイナタウンのあるパサール・スニ駅は5分毎に高速鉄道が運行され待つこともなく至極便利になっています。ただもどろっこしいのは、自動切符販売機の動作が遅いのが難の一つです。しかも紙幣認識のセンサーも鈍いわけです。切符といってもチップが埋め込まれたプラスチックのコイン状のものが吐き出されるのですが、それがい~ち枚、に~枚という具合にボロリ、ポロリとでてくるのが特色です。関西のおばちゃん達が、この機械を見つけたらドヤサれるに間違いありません。車両や建物は日本並の高水準みたなのですが、マレー国鉄の切符自動販売機は大半が故障中で時間帯によっては、窓口に長蛇の列です。LRTは何故か窓口では乗車用のコインは販売していません。両替のみしか受け付けていないのです。どうも、この辺りは整合性がないとも受け止めるのは、私だけでしょうか?
荷物を預け身軽になってチャイナタウンで夕食です。屋台でビールを煽りながら、いつものように、賑やかな晩餐会になりました。楽しく食事をしていると時間があっという間に過ぎてしまいます。列車の始発セントラル駅についたのは9時過ぎで、もう既に列車はホームに入線し、改札が始まっていました。寝台は上下二段になり、ほぼ満席の状態でした。日本には殆ど見られなくなった寝台列車の旅はノスタルジックな気分に浸ることは間違いありません。本当に今日は長い一日でした。
寝台列車
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