2012年11月10日土曜日

マレー紀行 第10日目 ペナンからKLへ


昨日のペナン・ヒルからの帰路市内バスに乗ったのですが、どうも怪しげな雰囲気のバスでした。通常料金は料金箱に入れ、運転手兼車掌が切符をくれるはずですが、今回の運転手はどうも、ネコババしたようです。お金をボックスにいれようろすると、「何枚あるの?」と聞き8リンギット分の紙幣を自分の手にして勘定を始めました。そして、「OK座れ」といって切符もくれません。7時をすぎると周囲も暗くなります。他に乗客はまばらです。どうも、これは運転手の小遣い稼ぎなる気配です。8リンギットというと食事二回分の料金に該当しますから、結構な金額です。こうした客を毎日数人ゲットすると、実収入はもっと上回ることになります。闇にまぎれて暗黒社会の出番なのでしょうか?まあ私達にとっては、何事もなく無事目的地までたどり着けば良いわけです。マレーシアではこうした珍事に遭遇することがあります。この時間帯だと検札係りも非番と見えて、堂々となされるのかもしれません。ランカウィの白レンタカーと言い、今日乗車する白バスといい、脱法(違法ではないの
でしょう)的現象は、言葉を変えると規制緩和の一つなのかもしれません。
今日はいつもより早く起床です。6時半に起きて古い町並みを散策しながら写真撮影を決行です。植民地時代の名残をとどめる建物や、中国系の寺院、古ぼけた町並みなど被写体を満載した町です。同行した中原さんのいわく、「世界遺産というのは、要するに古ぼけた、崩れかけた建物を残しておけばよいのかな?」なるほど、そうした意見もまんざらではありません。早朝の散策は交通量も少なく、まだ眠っているかのような錯覚に陥ります。
朝食は受付でで聞いたいた8時半よりも早く始まっていました。今日の朝は忙しくなりそうです。というのは、宿から対岸のバス駅までは最低30分ほどかかります。フェリーはこの時間帯は20分に一本です。もし、一便逃すと予定のバスに乗り込むことができるか危ぶまれます。そんなわけで、予定よりも朝食を早く済ませ無事9時のフェリーに乗船です。フェリーを降りて、昨日切符を購入した窓口に向かい乗車券を見せると、すぐに案内してくれました。その距離約50mほどにある駐車場に、我々の乗るバスが満席状態で既に待ち構えていました。席について10分もしない間にエンジンをかけて出発です。切符には9時45分と書いてあったのですが、予定より早く出発することもあるわけです。しかしこのバスは新型とは程遠く、エンジンがスコスコ、ゴォーゴォーと唸りながら走っています。高速道路ではどんどん追いぬかれていくではないですか?今日は日曜でKLに帰る車両で高速道路が渋滞しているのではないかという一抹の不安を抱きながらの出発です。バスは道中3回ほど食事・トイレ休憩を兼ねて停車です。320キロの走行になるのですが運転手はワンマンで、いかにも臨時雇いという印象です。聞いてみるとほぼ時間どおりに到着できるという事でした。この路線は数度利用したことがあるのですが、大概は三人掛けのデラックスバスで運行されています。快適さは愕然と違います。一昨年はマラッカを10時発、バタワース5時半着というバスを利用したことがありますが、これは二階建ての立派な車両でした。まあ、今回の旅は二列と二列のバスで辛抱するしかありません。思ったほど渋滞もなくバスは快適な走行です。予定通りにKL市内のど真ん中、チャイナタウンに近い通称プドラヤには定刻どおりの4時半に到着しました。
さて、ここプドラヤからセントラル駅まではLRTで一駅の距離にあり至極便利です。昨夜ネットで予約しておいたMY HOTELに向かったのですが、受付では予約が入っていないとの事です。実はマイホテルは、このセントラル周辺には3軒あって、いずれも同じ名称で紛らわしい限りです。別のマイホテルではないかということで、もう一つのマイホテルをチェックしたのですが、そこでも予約は入っていません。私が予約確認の返信を見せると、早速手配をしてくれたようです。参考の為、今回はマイホテルを3軒とも見てまわりました。どうも客層にそれぞれ違いがあるようです。昨年以来我々が良く利用するマイホテルはインド系の客が多く、モノレール駅が近いマイホテルは中国系の客が多いのです。そしてYMCAの裏手にあるマイホテルはその両方という感じを受けました。さて最初に割り当てられた部屋は一つは窓が広く、外からの明かりがしっかりと入ります。もう一部屋は窓のない暗くて陰湿な感じの部屋です。早速交渉で二部屋とも窓のある明るい部屋をとることが出来ました。この宿の従業員はまさしく多国籍です。受付はインド系マレー人、お部屋係りはバングラデッシュからの出稼ぎ。ペナンの宿では、部屋係りはネパールからの出稼ぎでした。マレーシアでは外国人労働者の数が正式に労働許可証を持った人だけでも160万人n達するそうで、非合法で働いている人を含めると大き数字になります。総人口2700万人の中で160万人という数字は極めて大きな数字と言えるでしょう。さて、ここマイホテルに宿泊して不思議な事が起こりました。私が部屋を出た時に消してあった電気が戻ってみると、ついたままになっていました。どうも気になります。よく調べてみると、友人の荷物の中から5ドルが抜かれているようです。幸いに貴重品はいつも持ち歩いていたので被害はなかったようですが、どうも後味が良くありません。でもビデオカメラは鍵もかけずにバッグの中に置きっぱなしにしていました。しかし、これも被害なし。一応受付に言って抗議をしたのですが、何かしら釈然としないものが残ります。まあ被害が少なくて済んだ事が不幸中の幸いです。
ともかく、今日は乗り物疲れもあります。連日の観光地巡りで皆さんお疲れにもなったようです。日本への帰国も迫ってきました。ある意味では東海岸への旅を続行していたとすれば、疲れは更に倍加したかもしれません。早めにKLに到着して正解だったかもしれません。KL市内でも見る場所は数多く残っています。旅には余裕が必要です。
夕食は勿論チャイナタウンの屋台村です。もうKLではここが病みつきになりました。この屋台村で働いている人々の中にはミャンマーからの出稼ぎもいます。愛想も良くいつもにこにこしています。4人でビール4本、おつまみとしてサテー(串焼き肉)や焼きそば、その他一品料理を頼み、仕上げにラーメン(ワンタンメン)をすすっても4人で100リンギット(2700円)でお釣りが来ます。それに、皆さん体調も良いようで、下痢をすることもなく、調子も良いようです。さて、明日は郊外にあるバツーケイブというヒンズー寺院の訪問です。こうしてマレー半島の旅は次第に終わりが近くなってきたのです。

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