2012年2月5日日曜日

インドのパソコン 舞踏発表会

背景のバックグラウンドの動画は処女作!!合作!!

さて、ここビルマ寺に居候していると、珍妙な出来事が発生します。先日は、地元で舞踏学校を運営している人々から依頼が舞い込みました。この僧院が併設しているボデスカ・スクールの技術スタッフなるMr.シブとは、以前から親しくしています。暇があると、彼の事務所に浸りきりの事もあります。ここで、彼は事務局長!的な存在で、朝9時半から午後2時半までのパートタイムとして過ごしています。彼の兄の友達が舞踏学校の職員と知己だそうで、近々地元の公会堂で発表会があるので協力して欲しいと話しが持ち込まれました。さて、その案件とは、与えられた写真を組み込んでスライドショーを作って欲しい。それを発表会場で使いたいからという内容でした。ともかく、そのスライドショーを動画に変換したものをプロジェクターで映し出したいとの話しでした。
動画編集は、以前から少しは経験があります。シブ氏を通じて私に協力依頼が舞い込んだわけです。発表会の前日にタイトルとなる舞踏の名前そして時間などのメモとそれらに用いる画像60枚ほどが目の前に積まれました。舞踏の種類によって、タイトルの変更、画像の変更などが伴います。全部で16本の動画を編集しなければなりません。それぞれの動画の時間も異なっています。この作業はシブさんにとっても初めての経験です。どうも、私がこうした動画作成のノウハウがあるのを見込んで、彼は私に投げ売ったわけです。ともかく、翌日の午前までに16本を完成させなければなりません。

写真だけの単純なものなのですが、ダンスの長さと動画の長さを調整しなければなりません。しかも16本も似たようなものを作成するわけです。後で知ったことなのですが、実はこれらの動画は、バックグラウンドとしてプロジェクターで投影しながら舞踏を鑑賞してもらうという趣向でした。ああ、それならもっと早く、詳しく用途を知るべきだった。
私の方も夜12時までかかって、作業を進めた甲斐があって、一応ほぼ終了です。しかまだ、3本ほど資料が揃わないので未完成です。発表会当日の朝に素材を提供するという事でしたが、約束の時間が大幅に遅れて4時間後の午後2時半過ぎに、シブ氏と舞踏会を運営する係の人がやってきました。開演は午後6時です。あと3時間半しかありません。それを一気に作って欲しいという希望もかなえなければなりません。それをシブ氏と二人で手分けをして、急遽完成したのが、5時前でした。シブ氏も動画作成は始めたばかりで、得意ではありません。私の指南を受けながらの作成です。彼は以前からフォトショップなどを利用してロゴの作成は名刺、ポスターなどの作成の経験は豊かです。その経験が今回の動画作成に威力を発揮しました。お互いにあうんの呼吸で作業が進行しました。新しいソフトの習熟も勘が働いて、着々と進行していきました。舞踏会の運営委員が、まだかまだかと側で私たちの作業を見守っています。完成したとおもいきや、作品をUSBドライブに転送して会場へ駆けつけた次第です。
さて、今回使った新しいソフトは私も前日、何気なしにインストールしたプログラムで、まだどのような作業が、どのような使い方ができるのか、熟知するには至りません。それで、いきなり本番ときたわけです。まさしく地獄に佛に近いソフトでした。(コーラル・ビデオファクトリー)
会場はここ寺院から6キロほど離れた地元の大ホールを貸しきっての公演です。私も気になるので、シブ氏と共に開催時刻を目処に会場を訪問したわけです。さて、6時をかなり過ぎての到着です。道中で一杯10円に満たない茶店で一休みをしながら、目的地に向かいました。公演は既に始まり、劇場のスクリーンにわ私達の作成したスライドショーをバックにしながら舞踏が始まっていました。
さあぇて、なるほど、我々が合作したスライドショーの動画が巨大なスクリーンに映し出され、華やかな衣装で着飾った学生達が踊っていました。駆け込み作成のスローテンポの動画はそれなりに、演出効果を高めているようです。やれやれ、これで当方も一安心。
しかし、新たな問題が発生です。会場でプロジェクターとそれを映し出すパソコンの操作がまだまだ未熟なようで、うまくバックスクリーンに投影できず、アイコンが沢山ならぶウィルスズの画面が現れたりするわけです。側に居たシブ氏と「これは、私達の問題ではないね。ここでパソコンを操作する人が未熟だからさぁ。俺たちは役割完遂なんだけど」と和やかに二人でほくそ笑んでいたわけです。勿論、今回の申し出は無償協力です。シブ氏の話しでは、「業者に依頼すると動画一件につき100ルピー(160円)16本あるから、割引しても1000ルピーはかかるんだけど」まあそういった事は気にせずに我々は遊び心を持って対応したわけです。
さて、インドの情景が浮かんでくるかと思います。まあ、物事は時間通りに運びません。しかし、ぎりぎり間際になって、一応完全なものが出来上がるという微妙な社会です。
また、相互支援の形態は如何にあるべきかという事も再認識させてくれました。実情にあった支援が如何に有効に作用したとも言えるでしょう。お互いに同じ立場に視点を持ち、同じような行動をしてこそ、同じようにお茶(7円)を飲み、人力車(一人5円)で乗り付けるということをしながら理解し合うことも大切です。まだ30歳に満たないシブ氏とは5年前からの知己の間柄です。私のノウハウはまだまだ未熟なのですが、現在の環境の中で合致した技法を持ち合わせた事になります。海外への支援活動を考える場合、高度な技法や学識が万能とは限らないようです。やはり、状況に応じた体制づくりが基本になるでしょう。現地に溶け込み、現地の実態を把握した中で協力しあうことが大切なようです。

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