早朝出発のKKからクチンの便はほぼ満席の状態で離陸しました。飛行時間およそ1時間半の旅です。クチンは3年前にサラワク大学の講師をしている友人を訪問したことがあり、その時は2週間ほど滞在し市内随所をウロウロ徘徊した記憶があります。クチン川辺に佇む水の都という雰囲気が漂う可愛い街です。飛行機は予定どおり9時過ぎにはクチンに到着です。
さて、ターミナルビルには、友人が迎えに来ているはずですが・・・・。メイルで連絡を取った所、空港へ迎えに行きますよというメッセージが入っていました。待つこと15分友人の奥さんがさっそうとした姿で登場し、無事市内の宿まで送って戴きました。私が彼女と会ったのは、マレー半島のペナンで彼女は確か中学生の頃でした。もう20年以上も前の話です。彼女のお父さんは、当時ペナンでユースホステルを経営していました。そんな時代に訪問したのがきっかけです。
南インド系マレー人で私が彼らの母国語である南インドのタミール語を話すことが出来たので、一層親密感がわき、今も交流が続いています。お父さんは5年前に糖尿病で亡くなりました。数年の間連絡が途絶えていたのですが、5年前に友人とペナンの食堂に入った時、どこからともなく「ホシバ、ホシバ」と呼んでいる声が聞こえました。
誰だろうと思い出すと、当時末っ子で小学校の甘えん坊だった少年でした。よく見ると、かすかに昔の面影が残っています。そして立派な青年です。そこで彼のお父さんが亡くなった事を知ったのです。早速香典を持参してお悔やみに出かけたのは云うまでもありません。
長女のサラスバティは二人の子供に恵まれてクチンに住んでいます。サラワク大学の講師をしている旦那は今、大学の会議があって西マレーシアのケランタン州へ出張とかで会うことは出来ませんでした。以前は新聞の女性欄のコラムを担当していた奥さんですが、最近この州の法律が変わって労働許可証がないと働けなくなったので、今は専業主婦として家事をこなしているとの話です。
クチンの宿はどこにするか散々悩みました。今はシーズンオフで概してどの宿も空いているようです。ネットで検索してPlace2stayという一風名前の変わった宿が見つかったのです。この宿は、AGODAも使わず、Booking.Comのお世話にもならず、クチンの友人を通して直接予約をしてもらいました。
いやはや素晴らしい、格安の宿でした。部屋も広く窓もあり、それで、値段が二人で50リンギット(1500円)、宿の向かい側には中華系のレストランが並んでビールの心配もありません。しかも奥まった路地にあるので静な環境です。いやこの街自体が静かなのですから、どこも同じかもしれませんが・・・。
宿に到着したのは10時過ぎで荷物を預かってもらい朝食を済ませて市内をぶらぶらです。12時過ぎに戻ってくると、もう部屋の準備が整い利用させてもらうことになりました。受付のお嬢さんも感じが良く結局この宿で3泊することになりました。快適で安い宿と手頃な食堂(ビールは必須)が今回の旅の原則です。
部屋で一段落してから市内散策です。手始めに中国歴史博物館などを見学、川沿いをぶらぶらしていると予期したようにスコールに見舞われ一時間ほどは身動きとれない状態です。しかし、我々の旅はたっぷりと時間に余裕があり、お迎えのバスや車が待っているわけではありません。雨が止むのをじっと待つだけです。これは、裏を返せば贅沢な旅とも言えるでしょう。今日は早起きしKKから飛行機でクチンまで飛んだのですから、時間はまだたっぷりあります。ぶらぶらしながら手頃な食堂で乾杯をし、宿で一休みです。
この地域は日没が6時頃、夜明けも6時頃になっています。これがずぅっと西に行くとペナン島あたりになるのですが、この国は東シナ海を挟んで東西に長いにもかかわらず、マレー時間というのは一つだけです。ですから、ペナン島では7時過ぎが夕暮れとなり、朝の7時は夜明け前でまだ薄暗いのです。
日没の頃をめがけてリバークルーズに出かける予定を組みました。料金は1人18リンギットで1時間ほど小さなボートで周辺をうろうろしてくれます。これは目線が変わり結構楽しい旅になります。観光船と言っても、格別にガイドが案内をして説明するわけでもなく、上流へ20分ほど下り、引き返してから、上流へ10分ほどかけてまた引返すという単純なものですが、小型のエンジンがコトコトと鳴り響き、それなりに心地よい旅を経験しました。ああぁ!これで缶ビールでもあれば最高だったかも!こうして今日も楽しい経験を積むことが出来ました。
マレーシアのホテル代金が格安(ツインルームで1人750円~
返信削除1500円程度)なのは、当レポートに度々紹介され大変助かりますが、
一つ気になる事があります。半数以上のホテルは、非常口に
しっかりと錠がかかっているか、物資が置かれて通れないか、
非常口自体がありません。法律はどうなっているんでしょう。