今回の旅は長期戦です。予定では、KLのYMCAに集合して翌日は東マレーシアのボルネオ島(インドネシアではカリマンタン島と呼ぶ)のサバ州に飛び、5泊してから、サラワク州のクチンに3泊滞在。その後、クチンからKLに戻り、そのまま、国内線を乗り継いでマレー半島東海岸のコタバルに向かう計画です。この合計4区間で飛行時間が合計8時間で一人あたり8000円という格安の切符を入手したのが今年の1月でした。昨年の10月に好評を博したマレー紀行第一弾につづいて第二弾の計画が始まりました。そんなわけで、当方はマレーシア滞在中にインターネットを駆使して格安航空券の手配に奔走していたわけです。確かにこれは、驚異の価格かもしれません。一時間あたり1000円ですから、日本でちょっとばかし市内バスに1時間遠出すると、それ以上に費用がかさむでしょう。勿論、この料金は食事が三回含まれています。空港税も入っています。東京から大阪への便でも8000円での
取得は苦しいでしょう。WEBチェックインは2週間前から受付をしていますから、日本出発前に済ませてきました。手元には16枚の搭乗券が準備されています。さて、ウェブチェックインを済ませようとして、急遽名前の綴りに間違いがあるのが判明したのです。さてさて、この難問はどうやったら解決出来ることでしょう?早速AIR ASIAのサイトのF&Qのページを開くと類似した質問を発見、その指示に従って英文でメイルを送り、二日後には、氏名の綴りを変更した旨のメッセージが届き、安堵の胸をなでおろしたのは言うまでもありません。実際に搭乗となると、国際線とは違い、荷物の重量も左程厳しくもなく、7キロ厳守を守ろうと必死になった努力はあっけなく崩れてしまったのです。我々は事前にYMCAの同じ建物の一階にあるクリーニング店の秤を借りて重量チェックまで行いました。日本へ帰着した際の衣料や当面不要とされる荷物は20日間ほど、ここYMCAに預かってもらうことになりました。ちなみに保管料は1日2リンギット(60円)で前払いとなったわけです。
航空券購入やチェックインの時にはパスポート番号や生年月日、有効期限などの記載が必要です。しかし、実際に国内線となれば、身分証明書と搭乗券の氏名が一致しているかどうかのチェックだけで終わります。しかも、AIR ASIAの場合は装丁の良い搭乗券など存在するはずがありません。それぞれが、印刷したA4の用紙にペタペタスタンプを押して、搭乗の際には、ちぎり取るというのが低コストの作戦の一つなのです。昔は大切に航空会社のロゴが印刷された丁重な搭乗券を集めるのが趣味の方もいたようですが、近年は日常茶飯事です。バスの切符同様の扱いとも言えるでしょう。国内線のネットワークも充実し、東西マレーシアは東シナ海を挟んで1時間毎に朝早くから夜遅くまで行き来する状態です。それも、搭乗率が結構良いのです。コタキナバルの空港は、ターミナル1とターミナル2があり、ターミナル2はAir ASIA専用ターミナルで簡素な作りで、機内から空港までは徒歩を余儀なくされます。勿論雨が降れば傘の手配もしてくれますから、安心して出入りできる仕組みになっています。どうも、このコタキナバルのターミナル2というのは、倉庫の隅っこというイメージにプンプン臭っています。でも安いのが矢張り嬉しいものです。ターミナルビルもチョットこじんまりしています。空港から市内へのタクシーは協定料金が25リンギットとなっているようです。私達は市内バスで街に入る予定だったので、タクシー乗り場を素通りして空港内の道路からメイン道路に向かいました。その時一台のタクシーが声をかけてきました「市内まで15リンギット」なるほど、客を空港へ送った帰りかもしれません。これだと20リンギット以内で市内に入れると確信です。さて、私が空港内のタクシーを使わずに、歩き始めたのは、この空港の近くに安いホステル(宿)があり、コタキナバルからの出発便は7時50分で早朝に空港に入る必要がり、宿の偵察を兼ねての行動でした。タイミング良く宿の下見をし、前金を払って最終日の宿をゲットです。ここに泊まっていれば翌日歩いて10分少々で空港ビルに到着という便利な土地柄です。しかもビーチまで徒歩5分という絶好のロケーションです。宿の予約を済ませて市内へのバス停を探り当て、市内へのバスを待っているとカモと見たタクシーがスーと近寄り20リンギットで宿まで直行。漢字では世紀酒店、英語ではCentury HotelはAGODAでチェックしてカード決済で申し込み済みです。15分もしない間に宿に到着。ほっと一安心です。
写真で見るよりも古ぼけたホテルでしたが、清掃も行き届いているようだし、値段もまあまあ、この地域の安い宿の部類です。海岸通りまではちょっと遠いけど(15分)近郊へのバスの始発が近く、ホテルの裏は丘になっているので閑静な場所に位置しています。しかも、近くに安食堂があるのが嬉しい話です。おまけにビールも格安で販売されています。まるで、それは免税価格のような値段です。通常、この国では缶ビールは6-8リンギットしていますが、この安食堂では4本で11リンギットと格安です。この価格ならコーラや他のソフトドリンクと変わりません。酔いどれ軍団には打ってつけの宿をゲットしたことになります。マレーシアのビールには色々な銘柄があり、スコール、タイガー、カールスブルグ、ハイネケン、ギネス(黒ビール)などが有名です。さてこのコタキナバルは高速船で2時間ほど行くとラブアン島というのがあって、そこは無税で酒やタバコが手に入る土地です。そんな影響があるのでしょう。多分に、そこからの密輸品、横流しの品が住民の、観光客の喉を潤してくれているのかもしれません。無税の島ランカウイ島と同じような金額で手に入れることが出来るのです。しかし、そんな格安ビールもセブンイレブンに行くと、その倍程度の通常価格で販売されています。まさしく二重構造の社会を垣間見ることになりました。
コタキナバルの訪問はこれで3度目になります。キナバル山に登ったのは2度あるのですが、もう15年ほど前の話です。その間街の様子はかなり変わり、大きなビルが乱立するようになりました。桟橋やウォーターフロントも綺麗に整備され、新しいショッピングセンターが斬新なデザインで威容を見せつけています。宿で荷物を解いてちょっと休憩をしてから、海岸通りへの散策です。ここは、日中は閑散としていますが、夕方になると屋台が立ち並び、捕れたての魚介類が販売される市場へと変身する場所です。市場内を散策すると捕れたての魚を焼いてくれる店がありました。値段を聞くと35リンギット(ほぼ1000円ちょい)、早速これをつまみにビールで喉を潤すことになりました。しかし、この地域はどもアルコールは慎みくださいというムードです。店の兄さんに聞くとOK、料金は10リンギットという事でした。さてさて、届いた缶ビールは近くのお店に買いにいったと見え、黒いビニール袋に入った包みをそそくさと我々のテーブルにポンと置いて素知らぬ素振り、まあ早業とはこれの事。形式上お客が勝手に持ち込んだという解釈が成り立つようです。市場の喧騒に巻き込まれながらの異国でのお味は又格別なようです。しかし、目的とした焼き魚が来るまでには結構時間がかかりました。この土地ではまな板は使わずに、器用に魚の鱗をそぎ落とし、内蔵を取り出し手早く炭火焼きの準備をしています。その姿は圧巻とでも言いましょうか?世界の調理法は様々です。ハサミを包丁代わりに使うのはミャンマーで良く見かけます。南インドやスリランカの魚の下ごしらえは、くの字に曲がったのこぎりの歯のような道具を足で支えて調理します。
市場の見学も終えて、帰りはデパート巡りで杉村さんはTシャツを一枚購入です。夕方はお魚一匹では足りません。再び宿の斜め向かいにある安食堂に入り込みビールで乾杯。今日からのコタキナバルの楽しい日々が安全に無事終わるように!!!
雑踏と人ごみの中、露天商が並ぶマーケット。
返信削除捕りたての魚貝を焼く香ばしい香り。
1匹の焼き魚を4人でつつきながら、喉を通過するビール。
夕日が海に沈んでいく。最高!