2013年11月26日火曜日

マレー紀行パート2 第9日目 サントボン

さて、通常の観光旅行では、毎日人気スポットへ出かけるのが義務のような日々が強いられます。私達メンバーは、世界各地を結構回っていらっしゃるようで今回は趣向を凝らして人のあまり行かない場所をターゲットにしました。

クチン市内から北に30キロほど行くとサントボンという鄙びた漁村があります。最近はインターネットの普及で、未知の土地でもGoogle Earthの衛星写真で現場の様子が手に取るようにわかるようになりました。以外と便利なのですが、味気なさも感じてしまいます。ゴーグルの衛星画像でみると、なるほど河口に位置する鄙びた漁村です。まあ、行かなくても察しがつくので便利なようで不便です。


 このゴーグルのこうしたシステムを活用すれば、目的地へ素早く到達することが出来ます。事前にインターネットが使える環境でスマホにデータを取り込んでオフラインでも閲覧出来るように設定しておけば、スマホの電池切れを起こさない限りデータは何時でも閲覧可能です。最近のマレーシアは3G回線が無料で使えるに等しい環境が整いつつありますから、一層便利になりました。いずれはより高速な4G回線も次第に価格が引き下げになることでしょう。

ゴーグルで見た限り、何の変哲もない静な海岸辺りの村です。バスも毎時運行されているようです。ここから4キロ離れたダマイビーチという有名な海岸は高級ホテルが立ち並び、サバ州民族芸能村というテーマパークがあります。入場料と往復の送迎付きで1120リンギット(4000円)の費用がかかります。

費用対効果で考えると大きな開きがあります。ここサントボンへの交通費は往復8リンギット(250円)しかかかりません。しかも入場無料。冒頭の動画に出てくるように、何にもない街をウロウロしていても、何かにぶつかることが出来るのです。交通事故にぶつかるのは好ましくないのですが・・・・・。

クチンのローカルバス駅から乗った運転手は、ものすごく愛想が良く、おもてなしの心で接してくれました。風光明媚な橋に差し掛かると徐行して説明までしてくれる運転手です。終点近くで下車するポイントを丁寧に教えてくれました。この運転手は、帰りも同じ人で我々を覚えていてくれたようで、凡そ2時間後、顔を見るなり「あなた方がどうしたのか、気になって探していたよ」の会話から始まりました。そして4人分の料金を払ってクチン市内に戻りました。

さて、静な河口付近や砂浜を思いのまま散策していました。そろそろ帰ろうかという時刻が偶然に先ほど通りかかった学校で終業の鐘が鳴り響きました。ぞろぞろと小学生達が徒歩で、自転車で自宅に帰る時間帯です。そんな中で粋の良さそうなグループが声をかけてくれました。即我々日本のオジジグループも応戦です。

4,5人の少年たちに囲まれて、何だかんだと、通じるような、通じないような会話を楽しんだわけです。本当に屈託のない明るい子供たちです。日本で暮らす日常の日々から大きく脱皮した人生の一コマになっているのかもしれません。これぞ、旅の醍醐味の一つと言えましょう。

さて、マレーシアでは一般的のどこに言っても商売上手な中国系マレー人が住んでいます。そして、どんな小さな村でも、その村で大きなお店といえば、中国系マレー人が経営しているお店というパターンが多いのが実情です。そんなお店へ、子供たちが1リンギットのお札をしっかりと握りしめ、好きなお菓子や飲み物を買いに駆けつけてくる姿を見かけます。一昔前の日本の光景を彷彿とさせる場面です。

顔を見上げるとすぐ向かいにサントボン山がユニークな形でその勇姿を拝むことができる村です。こうして今日も、日常からの脱皮というか、思いもかけない状況に遭遇です。今回は常に予期せぬ出来事に囲まれ、ユニークな旅が展開しています。

1 件のコメント:

  1. ここサントボンには、本当に「何もない」。
    ただ、波静かな海がある。均整のとれた姿の山がある。
    質素な人家がある。照りつける暑さがある。
    我々以外には、外国人観光客は来ないだろうなぁ。

    返信削除