2013年12月11日水曜日

マレー紀行パート2 第24日目 ポートディクソン

余裕を持って今回の旅は終焉を迎えようとしています。予備日として準備してあった最終日は近郊のポートディクソンに出かけることになりました。列車で1時間そしてバスを乗り継いで1時間の距離にある手頃な海岸です。

格別名所というわけでもないのですが、砂浜が続く綺麗な海岸線で、週末にはさぞかし賑わうことでしょう。多くのホテルが立ち並んでいます。そんな中で絶景ポイントが通称ブルーラグーンという素敵な名前を持つ場所です。駅前でタクシーと交渉し往復40リンギット、待ち時間が10リンギットという事で交渉妥結。予算も最終日となりかなり余り気味で、ささやかな贅沢をした積りです。


今日は平日なので、砂浜に殆ど人影もなくシーンとしています。まるで私達の為の専用ビーチの気配です。今まで訪れた中で最も閑散とした場所です。お店も一軒しか開いていません。それでも営業は成り立つのが不思議です。

ポートディクソンは小さな街です、昼食を食べようと食堂を探したのですが、探しても、探してもタイガー(ビール)の看板が見当たりません。西海岸の街だから何軒かはアルコールを置いているだろうとタカをくくっていたのが、外れでした。郊外の海辺の屋台ではビールの看板がでかでかと掲げられていたのですが・・・・。

なるほど、考えてみると、マラッカ海峡を挟んで対岸はインドネシアです。インドネシアでもイスラム色の強い地域が対岸に面しています。海岸沿いのホテルやレストランでビールの看板を見かけるのは、ここ数十年前からの事で、伝統的には、お酒ご法度が基本の社会で成り立っている街でした。
今日は最後の夜ですから、以前から打合せていたように、KLの最新ファッション街のど真ん中にある客家飯店という中級レストランで夕食をすることになっています。

目的地へは二手に分かれて、レストランで落ち合うことになりました。私も始めてのレストランなのですが、地図を見ただけど、大体見当がつきました。パビリオンというショッピングモールの近くです。無事約束した時刻に落ち合う事ができました。

もう既に半分程テーブルが埋まっています。人気のレストランと見えて観光客の姿も多く、日本からの修学旅行の団体も入っています。日本のビジネスマンでしょうか?どこからともなく日本語の会話が聞こえます。

ここでも、ビール専門のウェイターがテーブルの間を駆け巡っています。さすが、ここはKL美貌でスラリとした女性を配置しています。やはりセンスがありますねぇ。食前にビールの他に3品ほど注文しました。本体の鍋料理は二人分を頼んだのですが、分量としてはビッタリでした。4人分を注文すると食べきれないことでしょう。通常の屋台での夕食代の支払いは100リンギット前後です。今回の会計は〆て230リンギットですから目の飛び出るような高いものではありません。高層ビルの谷間にあるオープンレストランでの食事は、今回の楽しい思い出の一つになりました。

マレーシアの旅も今日で終わりです。多民族国家というのは、我々日本人にとっては理解しがたいものがあります。様々な民族が調和を保ちながら共生している平和な国として見えるのですが、まだまだ私達の知らない陰の部分があります。

マレーシアの国立大学には、授業料無料の制度がありますが、80%はマレー人、10%が外国人そして残りの10%が中国系やインド系マレー人の割り当てになっているそうです。さて、マレー人の社会的地位の向上を目指そうとするこの政策は、以外な副作用をもたらしているようです。

優先的に割り当てを受けたマレー系の学生は高校でも優秀な成績を納めなくても入学することが出来、卒業しても結果的には就職しても社会や会社からは、人材の質の低下が嘆かれているそうです。やはり、厳しい環境で逞しく育て上げられる一部のインド系や中国系マレー人が実社会に向いているのかもしれません。

この現象はインド政府が行っている不可触賤民優先策と似た結果をもたらしています。成績が上位でなくても、大学での勉学の機会が与えられ、能力の割には職場で上位の地位につくようになり、組織が正常に作動しないという話を聞きました。


しかし、南国の風は、そう言った摩擦をすり抜けて、いや、こうした問題を問題として深刻に考えることなく、人々は自由に暮らしているのではないでしょうか?

1 件のコメント:

  1. 最後のお別れ晩餐は、繁華街・ブッキビンタンの有名なハイレベル
    のレストラン。1ヶ月間夕食は、ビール込みで500円~800円位
    なのに、今夜は3倍程度の高予算。慣れないせいか、どうも居心地
    が落ち着かない。我々には、小さな中華屋か、きどらない屋台が
    似合っているのか?

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