2013年12月2日月曜日

マレー紀行パート2 第15日目マラッカサイクリング

この宿は朝食が付いています。8時頃には、暖かいコーヒーと紅茶が待っています。8時半になると、宿の主人が近郊のお店から、マレーシアで良く見かける甘いお菓子や西洋のパフやパイのマレーバージョンを抱えて戻ってきます。トーストとバターやジャムは勿論のこと、時にはスイカやメロンなどの果物も付く事があり、食べ放題のセルフサービスですから、遠慮は不要です。こうして朝食を済ませたのが9時過ぎです。

いよいよ自転車ツアーの始まりです。昨年は貸し自転車を置いていなかったのですが、今年は、ここAPA KABAゲストハウスには貸し自転車がありました。前回は他の場所で自転車を借りていたのですが、後で返しにいくのが面倒です。今回はここで借りることになりました。夜9時に返せば良いことになります。


さて、いざ自転車を借りようとすると、何かしら書類を書いてサインしなければなりません。それも代表者1人ではなく、全員です。パスポート番号や生年月日など数多く記載する項目があります。書類を見ると交通安全の規則に従います云々とやたら長い文章が添付されています。そんな複雑な手続きを終えて4台の自転車を借りて出発です。空気を補充してもらい、各所を点検してもらいました。夜行灯も大丈夫、万全の備えです。4台の中で一台はギア付きで15リンギットなのですが、これもおまけして10リンギットにしてもらいました。交渉はしてみるものです。

午前の部はポルトガル村、セント・ジョーンズ砦、ブキット・チャイナ(中国の丘)そしてマラッカ島にある海上モスクの四箇所がメインです。それぞれが歴史の一駒を飾る遺産です。ポルトガル村には今でもポルトガルの血を受け継いだ子孫が住んでいます。セント・ジョーンズの砦のある場所は、今日では埋め立てがどんどん進行して海岸線から遠くなってしまったのですが、当時は、この地まで海岸線が迫っていた事になります。ブキット(丘)・チナは小高い丘全体に無数の中国風の墓地で埋め尽くされています。この墓地は日本の沖縄と似たものを感じます。最後に訪問した海上モスクは、その回教寺院の一部が海上に突き出たもので、ユニークで美しい建築として知られています。

マレーシアは国教を回教として定めています。しかも、石油資源が豊富ですから、国内どこに行っても、立派な回教寺院を見ることが出来ます。KLのツインタワーは今や世界的に有名で、豪華なショッピングモールを兼ねたモダンな建築ですが、このモダンなビルはマレーシア石油公社ペトロナスの本部となっていて、あたかも、その富を見せつけるかのような存在です。*Petroleum National Malaysia)の略省

同じ回教国でも東マレーシアに近接するブルネイは人口が少ないので、石油資源からの富の配分が庶民にも行き渡り、教育や医療が無料という制度になっています。しかし、マレーシアは今や3,000万人を超える人口を抱えるわけですから、全国民に対して無料の制度や医療制度を施行するには、無理があるようです。

一見平和そうで、多民族国家として調和の取れた国として私達には見えるのですが、見えない部分で同じ国民でも、マレー系住民には多くの優遇策が残されています。住宅ローンの軽減策や、高等教育の無料特待生のマレー系住民に対しての割り当ての増大などがあげられるでしょう。しかし、こうした政策は果たしてその効果は甚だ疑問視されています。裏を返せば住民を甘やかす事につながっているようです。

長年首相を務めたマハティール氏はルック・イーストやブミ・プトラ(マレー人優先政策)など様々な政策を打ち立てて、国民的英雄として知られています。しかし、後になって本人自ら、マレー人優先策に問題があった事を認めるような新聞記事を掲載しています。

夕方再度サイクリングツアーに出発です。中華街をゆっくり走行し、周囲が暗くなった頃を見計らって、前回登ることが出来なかったマラッカ・タワーに挑戦です。これは、円盤状の展望室が7分間かけてゆっくり昇り降りするタワーです。前回は、ここは外から眺めただけだったので、今回は117リンギット(高齢者割引)を払って、ものはためしという事で体験したわけです。まあちょっとした鳥になった気分を味わうことが出来たのです。100万ドルとは言えませんが、10,000ドル程度の感慨を感じることが出来るわけです。

いやはや、自転車は矢張り行動範囲が大きく広がり便利なものです。しかも今回は2度にわけて、午前の部で一回り、そして夕食を兼ねて夕方の部で2ラウンド利用したのです。勿論行きつけの経済飯店は夜暗くなってから裏口から入り、自転車の保管場所を知っての事でした。タクシーで乗りつけて、お迎えの車でお帰りというわけにはいきませんが・・・・。少しばかりの酔っぱらい運転で宿に帰ったのは夕食を済ませてからの9時前でした。


その後、中庭にある屋根付きの談話コーナーでの二次会が始まったのは言うまでもありません。今日も一日平安に終わりました。坂本さんと斉藤さんは二度目のマラッカで懐かしそうな気分に浸っています。もう次回からは迷子にならず単独で訪問出来ることでしょう。

2 件のコメント:

  1. 自転車はいい思いでです。

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  2. 海上モスクの礼拝場に入場しようとしたら、守衛にストップ。
    長ズボンの私はOKでしたが、短パンの杉村氏と齊藤氏は不可
    で、専用の衣類を着せられて入場。俄か仕立てのニセ・イスラム
    教徒に早代わり。しかし、苦労したわりには、礼拝所には入場
    できなかった。結局、短パンのままでも良かった訳です。

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