2018年7月15日日曜日

カンボジア物語11 商売の基本

親日家のシンさんのバイク

さて、シンさんのお店には、CCTV(監視カメラ)も設置されています。月平均1500ドル(160万円)ほどですから、年収にすると2,000万円ほどの売上ですから、現地の物価、給与水準からすれば、大きな売上が続いています。物価は日本の五分の一程度ですから、日、本の規模に換算すると、さしずめ年商一億円規模ということになります。開店した当時1週間は全く売れなかったそうで、初めての一足が売れた時は、ものすごく嬉しかったそうです。
「良い品物を安く皆さんに提供する信頼のお店」をモットーに売上は右肩上りで上昇していきました。その統計資料が如実に物語っています。今まではノードに数値を記載していたのみですが、それがグラフで表示され、平均値を表示することで、分析は容易になります。給与の支払いが毎月25日頃ですから、
月の中旬は売上が低下します。給料日付近は相対的に高くなっています。シンさんは「センセーの言う通りですね。」と感心しています。こうして、いつの間にか、私は靴屋さんのビジネスコンサルタントみたいになってしまいました。
まあ、仕入れ価格がその半分程度としてもかなりの儲けにつながっています。土地、店舗は自分のお店ですから、テナント料を払う必要はありません。従業員の数も支店を含めて4人です。電気料金は一ヶ月15000円程度、水道代が4000円と聞いています。支店は店舗を借りていますから、二店舗併せて50,000円ほどの請求が届きます。シンさんがどうして頻繁に海外旅行に出かけるのか、謎が解けました。一回の旅行の費用は航空券を併せて5万円程度でしょう。
商売のコツもたけているようで、旅先からフェイスブックで写真をアップロードして、皆さんに披露しています。これが人々の関心を呼び、顧客が増加するという好循環を招いています。時々フェイスブックで靴の新着情報を提供すると、翌日は行列の続くお店と化し、大忙しとなります。この混雑の状況がフェイスブックに掲載されると、更に新規の客が増える仕組みがいつの間にか確立されて行きました。若い知性と感覚を取り入れての起業家タイプです。将来は、大きいビルを建てて、屋上には、大きな靴をシンボルマークとして飾りたいという夢があります。利益の一部は慈善事業の分野で社会に貢献していきたいという夢もあります。
さて、彼が開店以来記録していたのは、売上のみでした。何しろノート5冊にわたる日々の売上明細は貴重なものです。本人は我流でエクセルを利用して日別、月別の合計を算出していましたが、表計算ソフトの使い方は今一つ足りません。又収入の記録があっても、支出の記録がありません。となると実際の利益がいくらなのか、把握することができなくどんぶり勘定になっています。
しかし、どんぶり勘定であれ、開店当時の簡素なお店が鉄筋5階建てに変遷したのは事実です。但し3階から5階は工事が中断していますが・・・。
本人も気になっていたようですが、これからは、支出の部分も記録していく事になりました。まだ実現していませんが、いずれは、複式簿記の方式で収支のみではなく、資産勘定を組み入れた方式を採用しなければならないでしょう。

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