カンボジア有数の観光地として有名なのは、最初に思い浮かぶのがアンコールワットです。この巨大遺跡群は、やはり度肝を抜かれます。ミャンマーのパガンにある仏教遺跡は、その広大な地域に何千という仏塔、寺院群がびっしりと並んでいるのは荘厳ですが、ここアンコールワットは、それぞれの遺跡が特色ある彫刻で埋め尽くされ、どれを見ても個性があります。
隣国タイにある古代遺跡のルーツは、ここクメール王国の遺跡の一部と解釈しても不思議ではありません。12世紀頃栄えた巨大なクメール王国の支配地は、はるか、ミャンマー、タイ、ベトナムをも包み込んだ大きなものだったのです。
その建築様式は、インドのヒンズー教が基本だと言われています。その後次第に仏教が中心となった彫刻に変遷していきます。こうして眺めてみると、インドとの繋がりをひしひしと感じざるを得ません。勿論、それは、インドが本家本元で歴史的にも、インドに軍配が上がるでしょう。ヒンズー教の伝播は、東南アジア諸国で広範囲に影響を及ぼしています。インドネシアでは、観光地兼ヒンズー教文化が広がるバリ島が有名ですが、その他にも、インド洋を挟んだスマトラ島の一部には、スリ・ビジャヤ王国が栄えた時代があります。ジャワ島では、マジャ・パヒド王国が栄えていました。