2016年3月25日金曜日

ゴラパニトレッキング 第3日目ナヤプールからバンタンティ


 さてさて、ポカラで二泊三日を過ごし、日本からの長旅の疲れそ時差ボケも取れたようで、今日からいよいよトレッキング開始です。前日は、近郊の散策を行い足慣らしも終え万全の対策です。TIMSカードの手配も完全ではないんですが、ほどほどに準備完了しています。アンナプルナ保護区入域料の支払いも終え写真付きの証明書も手配済みになりました。前日に予約していたタクシーは、ネパールでは珍しい時間ビッタリのタクシーでした。料金も安心価格で300ルピーで合意。アニール・モモを出発したのが午前6時半でした。気の良い運転手と話しをしている間に、そのままナヤプールまで送ってもらうことになりました。ナヤプール方面のバスが発着するバス停までは15分ほどです。当初の予定はそこからローカルバスでナヤプールまで行く予定でした。となると、待ち時間等を含めると9時頃の到着になります。タクシーだと1時間ほどですっ飛ばしてくれるようですから、時間の大幅な節約になります。渋滞もなく、タクシーは早々に7時40分には、目的地なるナヤプール到着です。


さて、ここからトレッキングが始まります。と言っても、車道と旧トレッキング道が混在したルートをたどることになりました。のどかな旧街道と思わしき光景と、埃がもうもうとする自動車道の対比には、複雑な心境に陥らざるを得ません。私達が自動車道を歩いている間、二台のジープに追い抜かれてしまいました。最近は山奥でもジープサービスが展開され、交通の便は極めて良くなりました。その反面、旧街道はどこも人通りも少なく閑散としています。一時期は押し寄せるトレッカーで繁栄を極めた集落の一部は悲惨なまでに閑散としています。こうした旧街道に残る朽ち果てた宿やお店を見る限り、「ああ、この人達は大変だろうなぁ、落ちぶれちゃって」と考えるのは早とちり。最盛期にがっぽり儲けた資金で子息はエリートコース!資本力があれば、なんでもできちゃう自由社会です。学校でていなくても、卒業証明書は資金を積めば意外と簡単に手配できる環境が残っています。トレッキング街道の歴史を眺めると、外国人との接触機会が多い彼らは、何ら回の形で外国人との連携に恵まれています。NGOの主流はもっぱら主要トレッキング街道に連なっています。また、日本社会のように秒、分を刻む生活とは程遠く、あくせすすることも不要でのんびり過ごすことも可能です。そうした風土は果たしていつまで続くものでしょうか?標高1000メートルから2000メートルの集落はある意味では、自給自足の天国にも見えます。何しろ一日一便しかバスの便がないわけですから・・・・
車道沿いのレストラン兼宿

車道を歩くのはリッチな身分?

しかし、こうした桃源郷も次第にモノがあふれ始めています。冷蔵庫やガスレンジ等が生活必需品と化し、地元の電気使用量が増大し、その対策は後手後手になっているようです。初日に宿泊した宿の主人は、村の地域のリーダー格とも取れる有力者です。実のところ、私自身、日本の友人の依頼を受けて密かにネパールの小口発電所について事情がわかれば知らせて欲しいと要請を受けていました。北陸にある機械メーカーですが、新しい方式で設備費用が少なくてすむ新型発電装置を開発しています。この地域では現在48KWの規模でマイクロ水力発電を行っていますが、近年需要が供給を上回り既存の装置をどうするかが、村の大きな課題となっているようです。私がいろいろと、電気に関してその、規模、利用状況(アンペア数の料金設定で、一定のアンペア数を超えて使用すると電気が切れる)や設備について話をしていたわけですが、当の旦那はいきなり、それって何十万、何百万するの?と持ち掛けられて唖然呆然としましたが、様々な情報を聞き出すことができました。この観点からすると、多くの村が同じような問題を抱えているようです。勿論、これは電力だけではなく、道路についても同様な事が言えるでしょう。受益者負担で、ネパール政府の発電所に対する補助金は設備投資の7%程度と聞いています。村に通じる道路も同じ状況かもしれません。農村から出かける多くの出稼ぎ労働者によって送金されたお金がこうした方法に使われているのは間違いありません。こうした村々が、どのようにして過疎化を防ぎ、伝統文化を受け継いだ豊かな村を維持していくかが、今後の大きな課題となるでしょう。
今日も一日朝6時半から行動開始でした。宿に到着したのは夕方4時前です。初日の標高差は1000メートル付近から歩き始め、2200メートルのバンタンティまで進みました。何と1200メートルの歩行となりました。最近の宿は設備も改善され、洋式トイレでホットシャワー付きも増えてきました。ほどほどの疲れで今宵はぐっすりと眠りに入ることができそうです。

1 件のコメント:

  1. 今日の前半は、車道歩きでした。時々トレッカーを乗せたジープが、ものすごい砂ボコリを巻き上げて通り過ぎます。しかし、人間って不思議なもので、道の端にコソコソと身を寄せて砂ボコリから逃れていても、心の内では「フン! トレッキングとは歩くものなり!俺たちは歩くんだ。スゴイだろう!」と思っています。これって貧乏人のさもしい心意気か?  
    本日後半の急こう配の長い長い階段の連続は、さすがに きついものがありました。今回のコースで一番の難所と聞いていましたが、さすが半端ではない。しかし全員クリア!

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