今日の行程は3300メートルのシンゴンパからトゥロシャブル(2300m)へ一気に下降します。ここから先は雪の心配もありません。ほぼ水平な林の中を歩いて40分、絶景の地ポプランダンダに到着です。天候にも恵まれ、さんさんとした太陽が照りつける中、ちょっと早いけど、お茶の時間です。
このコースは最初の1時間半はなだらかな林の中に白く輝く峰々が時々顔を覗かせ気分は上々です。もし、これが逆方向からだと白き神々の座が後ろ側になり、この絶景を見落とすかもしれません。最大の景勝地は1時間半ほど歩いたフォプランダンダです。
フォプランダンダからは、急勾配の下り坂になり、いけどもいけども下りとなっています。このコースは中、上級者向けなのでしょう。出会うトレッカーの数は少なくひっそりとしています。道中ダルサンという集落からは、急斜面ながら田園が拡がり、人々の生活の匂いが強くなってきます。もう、下を見るとトゥロシャブルの村が見えています。あと一息で今日の行程は終了です。トゥロシャブルシャブルは2013年に一泊しています。懐かしい思いで、前回宿泊した宿に直行です。宿の人も私達を覚えていたのかどうか定かではありませんが、心地良く迎えてくれました。まあ、宿の人にとっては、不特定多数の人々を対象にしているのですから、本当に覚えていたのかどうか分かりません。おおぉ!「獲物が来たぞい」、「覚えていなくても、知ったふりをしなくちゃ!」陽気な奥さんは片言の日本語で愛想を振りまいて迎えてくれました。2時前に到着し、一休みです。トゥロシャブルは斜面の尾根づたいに幾つもの宿が並びます。4階建てでWIFIの設備もあるちょっと高級そうな宿から農家の一部を改造した簡単なものまで色々なタイプがあります。私達の泊まった宿はどちらかというと、後者に近く、古ぼけた佇まいです。宿の主人も自ら、「建物も古びた、私達も古びた。貴方も古びたねぇ。」と冗談とも本気ともつかず、愛想よく振る舞っています。前回同様山の見える部屋を提供してもらいました。この宿にかぎらず、ここでは、トレッカー専門の宿というよりも、農家の副業として宿を経営する形態が主流なのでしょう。久々のホットシャワーを利用しようとしたのですが、どうも配管ミスのようで、お湯と水の調整に大奮闘しなければならなかったのです。
宿泊したトゥロシャブルの村は、伝統的な木製彫刻を施した家が残っている素敵な村です。ドアや窓枠に緻密な彫刻をした物です。今は残り少なくなったんでしょう。道端の農家にところどころ残っていました。
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