2011年10月23日日曜日

旅の醍醐味

マラッカのデーパワリフェステバル

マラッカに到着して、もう今日で6日目になります。ここマラッカはシンガポールからバスで3時間程度の距離ですから、週末になると賑やかになります。中華街にあるJHONKER STREETは夕方から歩行者天国になり活気に満ち溢れていました。それに、インドのお祭りDEEPWALI(光の祭典)間近の週末です。偶然に通りかかった広場は、即席の野外劇長化し、ステージが設定され、インド舞踏やのど自慢が披露されています。こうして、長期の滞在は、思わぬ拾い物があるわけです。日本では、有名歌手のコンサートなどに出かけるとなると、その入場券がやたらと高くつくようです。しかし、ここは、無料です。祭典によっては、軽い食事も無償で提供される場合があります。毎年1月下旬に行われるタイプーサムというヒンズー教の祭典は、マレーシア各地で盛大に行われ、ものすごい盛り上がりとなります。えんえんと4キロほどの会場(道路)は屋台や無料の飲み物、食事の差し入れブーツがあって、完全な歩行者天国となります。以前この記事にも出したかな?

さて、こうした祭典は、日本で最近見かける作られた祭典、演出された祭典とは質を異にしています。彼らの生活と密着した部分を色濃く感じます。そして、日常の宗教と関連した部分も残っていますから、本気のお祭りともいえるでしょう。

マレーシアと言えば多民族国家として浮かびあがります。65%の回教徒、25%の中国系住民、そして10%未満のインド系住民で形成されている国です。さらに近年はバングラデッシュやネパールからの出稼ぎの人々が多く暮らしています。それに比べると日本はやはり単一民族国家の域を脱するには程遠い状況です。近年は在住外国人の数は相当に増えたように思いますが。

さて、このインド系の祭典デーパワリに遭遇したわけですが・・・。司会者は、インド系のタミル語でアナウンスしたかと思うと、続いてマレー語でも同じ説明を始めました。今回は同じインド系でも、ここマラッカでは、北西インドのグジャラートのコミュニティがあり、そのグループも一緒に参加しています。長い歴史の中で、タミル系の人々の多くは英国によって、ゴムや紅茶のプランテーションとしての移民が多いのですが、グジャラート系の人々は南インドの人々よりも以前から交易商として、家系が続いているそうです。彼らの本業は繊維関係の商売が基本だったのですが、近年はITや、ホテルビジネスなど多角化しているようです。それで、このグジャラートコミュニティの会長さんが女の人で、この方はマレー語が得意ではないようで、英語で話しをしますと前置きがありました。その後はインド系のダンスを中心に歌と踊りで賑わっているわけです。こうした催し事は、デパートやショッピングセンターのステージにも時々公演されるわけです。

こうして、眺めると改めて日本との差が浮き彫りになってしまいます。この国の人々は日常生活に違和感なく、複数の文化の中で暮らしているわけです。少数派の圧迫がないかというと、やはり、存在しているようですが、表面には大きく出ていません。ただ気になるのが、マレーシア政府のプロパガンダとも言えるマレーシア・ワン(マレーシアは一つと、複合民族国家の統一を狙ったスローガン)が存在するというのは、裏では多少なりとも、この種の問題がくすぶっているとも言えるでしょう。しかし、他の国のようにあけすけに、迫害、追放という事態は聞いたことはありません。やはり、穏健なイスラム国家なのでしょう。

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