2017年6月4日日曜日

カトマンズの学校でのパソコン実習室

今日は怒り心頭
近くのテウダの学校に出かけました。昨日昔からの友人で、この学校を卒業したミヌさんの仲介で、パソコン教室の支援をどうするか下見にでかけたわけです。約束通り10時に予約を入れて科学の教師に会いました。なかなか愛想の良いかたでしたが、職員室に入ると、校長が、「貴方は何者か?」というような不愛想な眼つきで私をにらみつけていました。この時点で校長は私をネパール人と思っていたようです。引き続きコンピューターの教師を紹介されて、パソコン室に向かいました。さて、パソコンが12台ほど並んでいます。いずれも埃だらけで、デスプレーも指紋や汚れに満ち溢れていました。先生に聞くと、一応稼働しているとの事。勿論ネットワークは構成されず、インターネットの環境もありません。全校で300名ほどの生徒がいて、第一学年から10年生まであるそうです。となると一クラスで30人程度。パソコンの授業では2人に一台の生徒が利用できる環境でした。色々と先生に質問していると、この先生のコンピューターの知識がどの程度なのか判断が出来ます。さて、それでは、これらのパソコンのリストがありますか?勿論あるわけがありません。それでは早速作成してみてください。

これで、彼のエクセルの成績は30点と判定が下されました。所がフォトショップCSというソフトがインストールされていたので、子供達に教えるのに、どうしてこんな高度なソフトがあるんですか?と質問しても不思議な答えが返ってきました。私はデザイナーをしていたから、このソフトを良く知っています。だから設定してあるんですよ?ええぇ!
「貴方は、このソフトの機能を100%知っていますか?」
「YES」とぬけぬけと返答が戻ってきました。
子供達に埃だらけのパソコンを使わせている教師の発言にびっくりします。
その事を忠告すると、「わかりました。ヘルパー(掃除の係)に命令して綺麗にします。」
これで二度びっくりしました。
「あなたは先生ですね。パソコンを大事にする心がないんですか?我が国では自分でしますよ。
「子供達に、最後の3分間を利用して綺麗にしてもらうのも授業の一つでしょう。子供達も、このパソコンを大切にしようという気持ちが沸くでしょう。」
「なるほど、おっしゃる通りですね。そうしましょう」
こうして、逐一問題点を指摘し、改善案を提言したわけです。時々校長もスパイの如く、登場し観察を続けています。
OSの中にXPも含まれています。これを指摘してみました。
貴方は何故、失効したXPを使うのですか?私には理解できません。この世には、もうXPなど誰も使っていないでしょう?」
「いやいや、それは政府の試験に出てくるものですから、使っているのです。」
「そうですか、この学校ではSLC(試験の名称)をパスするのが目的で、パソコンの実力の向上はどうでもいいいんですかね。」
と皮肉を言っても、どうも通じません。
さて、いずれのパソコンにもウイルス対策が為されていません。時々子供達がペンドライブ(USBドライブ)で画像や音楽などを持ち込んで使っている形跡が見えます。何台かのパソコンはウィルスに侵されたまま利用しているのが現状です。
どうも、この教師はこうした部門には弱いようで、何にも対策が出来ません。
「貴方はインターネットしていますね。」
「はい」
「では、どうして、ネットで対策を調べてこないんですか?」
勿論黙り込んでしまいます。
同時に、ネパールでのテレビの普及が、当初は教育に関して多大な可能性を秘めたツールだという希望で初めてみたものの、インドの娯楽作品を見る為の道具にしか過ぎなかったという苦い反省があります。これを丁寧に説明し、それなりに校長及び教師は納得したようです。インターネットの普及はどうなりますか?
Youtubeとフェイスブックに利用するのが90%になるでしょう。事前にもっと私達は勉強しなければなりませんねぇ。といったものの、教師には意味がよく分からないようです。
さて、ウイルス対策ソフトをどうするか、ダウンロードする必要があるので、事務室(このパソコン一台のみネット可能)で調べてみることになりました。
パソコン教師は、何をどうやって検索するのか、まるで、処女のように緊張しています。結局私が先導することになりましたが・・・・。
所がネットの速度が異常に遅いわけです。一カ月に1000円の料金のプランを使っています。あと500円追加すると、かなり早いスピードで利用できることは皆承知しています。
あのですね。貴方はパーティに、お祭りにはふんだんにご馳走して食べているでしょう。そのお金節約したら問題ないでしょう?」
「いいや、私達は貧しいんですよ。国も貧しいんでよ」
ああ、溝は深まるばかりです。
さて、話がどんどん進んで、一時間以上経過しました。パソコンについて様々の知恵を披露していく中で、
「実は、プロジェクターが欲しいんですけど、あなた寄付してくれませんか?」
ああ、何と悲しいやら、笑ってしまうやら。
「私は不快な気持ちになりました。それでは、さようなら」
もう、早速行動です。そそくさと学校を引き上げたのは言うまでもありません。


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