選挙のポスター |
バイクによる行進 |
ポカラでは、毎日選挙運動が続いています。市内には、時々バイクの隊列が旗をなびかせながら勇ましく行進していくのが、ここ地方都市の典型です。他方カトマンズ市内は、法律に準じて、こうした行動は自粛を控えさせられているようで、目立った動きはありません。唯一の大都市カトマンズと地方の大きな違いです。小さな町では、それぞれに家には、自分達の支援する政党の旗を大きく掲げています。子供達も小旗を手にして遊んでいます。まるで、日本の選挙とは大きくことなった方法です。諸外国とは異なって事前投票の制度がありませんから、今カトマンズ市内の人口は大きく減少しています。数日前から、村から出稼ぎに来ている人々や、住民票を田舎に置いている人々は、一斉に帰郷しています。新聞記事をみると、はるばるインドへ出稼ぎに行っている人々の一部も、投票の為に里帰りをしているそうです。そんなわけで地方は活気づいている次第です。
カトマンズ市内には、選挙委員会から選挙の仕組みや、方法、注意事項などのポスターをあちこちで見かけますが、果たして、この絵に表現されている方法で実行されるのでしょうか?個別訪問禁止とか、暴力はいけません、接待禁止など表示されていますが、こうした事は、外部から逆に考えると、こうした事を行ってくださいというのも同然です。規則があっても、それを遵守する道徳感が欠けてしまいました。
だれもが、とにかく目の前の収入が増えれば良いわけで、政党の政策などに関心のあろうはずがありません。村人の大半は識字率が低いわけですから、口頭で方針や施策を語ることになるのでしょうが、社会の仕組みや、一般的な知識が欠けていますから、何を語っても同じで、多くの人々には意味が不明となってしまいます。高度な分かりづらい政策を述べるよりも、美味しいものを食べさせてくれる政党に人気があつまるのは当然です。地方の議員として選ばれると、今後5年間の政府交付金を自由に使えるわけですから、立候補する人々も真剣にならざるを得ないでしょう。
さて、選挙当日は車両全面禁止が施行されることになりました。長距離バスから市内バスまで全て運行中止という方針です。前日には、野党が主導で長距離バスの運行を停止するストライキが始まるとか・・・・。
カトマンズ市内は警察のパトロール車が頻繁に巡回しています。主要な建物には警官や臨時の警察官が道行く人々を監視しています。
果たして、この選挙はどのように進行していくものでしょうか?昨日は地方の小さな町で爆弾事件があったとか!様々な情報が交錯しています。
さて、以前に比べてことなった部分は、多くの人々が外国の習慣や社会を知り始めたことと言えるでしょう。一部の人々は、選挙という仕組みを理解し始めたということです。過去のネパール王国の時代には、政府から任命された地方有力者の独断場での政治でした。これが汚職まみれで、有力者の家計を始め、上手にコネをつかんだ人々にのみ恩恵が行き渡る政治でした。ここに大きくブレーキがかかろうとしています。しかし資金力の違いで、野党は実際の力を発揮することが出来ません。そのジレンマから武力闘争をうたったマオイストの活動が始まったともいえるでしょう。しかし、政権を担当したマオイストも同じ結果をたどり、汚職から脱却することはできませんでした。しかし何かが始まろうとしているようです。国を変えたいと願う人々も数多くでているのは確かです。
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