さて、村に到着しました。バス停から歩いて20分ほどすると見慣れた学校が目に入ります。更に20分歩くとジャガットさんの自宅です。3年前同様家族が暖かく迎えてくれます。辺り一面はトウモロコシ畑で青々としています。小学校三年生だった甥っ子も大きくなりました。夕食は一緒にダルバットを食することになりましたが、彼の食欲旺盛にはびっくりします。私よりもまだ小柄ですが、ごはんは山盛りにしてお代わりをすることにためらいはありません。典型的なネパリスタイルです。この時期から彼らの生育は驚異的なものがあり、すくすくと身長が伸びていきます。夜になって、雲の流れの合間からお月さまが見え隠れしています。ちょっと長旅で疲れましたが、文明社会から離れた静寂が私の心を慰めてくれました。
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翌日貧困家庭の支援活動の一環として身障者を抱えている家庭訪問が始まりました。12際の少年は、下半身は何もまとうことなく、藁でできたむしろの上に投げ出されたままです。12歳の少年は私達の顔をみるとにっこりと白い歯を見せて嬉しそうにしています。生まれた時から足が不自由で外の世界を知ることもなく育っています。その穢れのない純真な表情は天使のように映りました。彼の顔にはハエがたかっていますが、誰もそれを追い払う人はいません。本人も麻痺してしまったものか、追い払おうともしません。追い払っても執拗にまた寄るってきます。そんな彼の状態を見て、思わず近づいて手を握り閉めざるを得ません。母親とおじいさんそして、幼い子供達3人の家族です。日中は母親は仕事にでかけ、子供達は学校に通っています。おじいさんの手では、この少年の介護も思うままになりません。