昨日は、お米や他の食料などを準備して、いよいよ出発の日です。朝8時半に出発ということで、その20分前に現場に駆けつけると連絡を受けた場所に到着すると既に手配されていたミニバス(32人乗り)が現場に待っていました。
早速既に到着していたスタッフの流れ作業でお米40袋を車内に積み込み完了です。予定を少し遅れて8時35分に出発となりました。我々のグループは5名です。今回ミニバスを利用したのは、検問逃れというか、一種の偽装工作です。トラックに混載すると、救援物資を積んでいることが丸見えとなり、届け先や責任者などの確認の書類が必要となり、道中で何度かの検問にひっかかります。今回は、我々日本人と、風のスタッフ3名の合計五名です。私達が乗客として乗っていれば、何ら怪しまれることはありません。座席に荷物を積み込むのは少し面倒ですが、30キロの米を40袋ということは、20人の乗客が乗り込んだと同じ重量になります。エンジン快調で、別のグループと合流する場所に向かいました。
さて、15分程走ったところで、このミニバスは軽油補給です。元来、車をレンタルする場合、燃料代はお客持ちが習慣となっています。カトマンズからの乗客の動きは地震の影響で、ミニバスの需要は激減していますから、比較的安い価格で提供をしてもらうことが可能です。さて、ガソリンスタンドに到着したのですが、停電とかで、メーターが作動しません。急遽非常電源に切り替えたものの、油が入っている気配はありますが、値段と給油量の数字は同じ数を保ったままです。まあ、そんな事は気にせずに満杯にしていよいよ出発となりました。
さて、もう一つのグループは個人の活動ではなく、NGOを通しての物資を現地に配給することになっています。ここで、当初は1時間ほど荷物を積み込むので待ってほしいとのことでした。それが、いつまでたっても、積み込みが始まりません。事務所では多くの人が押しかけて、何かしら議論が続いています。これは、ネパールでは良く見かける光景です。どうも、この国民は議論好きで手足が仲々動きません。お米や、豆類などは、守衛のいる豪邸の裏にある工事中のビルに積み込まれています。まだコンクリートがむき出しで工事中そのものです。どうも、政治家が絡んでいるとの事です。
こうした場所から、末端へ届ける為の手配には並大抵な苦労が強いられているようです。手渡した数量をきっちりと記載し、受け取り人の署名も必要です。典型的な官僚主義的なものを感じます。ここでの積み込みは大幅に遅れて10時前の出発が11時半になりました。私達の予定では、合流後1時間ほど別に時間が必要との事、これを加味すると遅くても夕方6時にはカトマンズに戻って来れると計算をしていました。距離はカトマンズから100キロもありません。通常片道3時間で往復6時間、途中休憩や積み込みをいれても8時間で往復可能という事で出発しました。が、どうも雲行きが怪しくなりました。
さて、もう一箇所回らなければいけないという事です。別の場所で、お米110袋の積み込み(50キロ梱包)の予定が追加です。しかし、この場所では、お米の支払いの保証がまだとれていなくて、しばらく立ち往生になりました。ここで支払いを引き受ける当人の到着をまたなければ積み込みは始まりません。それが案の定ネパリタイムとなり、事は益々厄介になりました。この一件が済んだかと思うと、今度はトラックの代金を払う人が現金を持ってくるまで待たなければなりません。こうした不手際が重なってどんどん遅れて行きました。船頭多しで船が沈没寸前とはこのことでしょうか?
不運なことに、最終段階でトラックの運賃を引き受ける人が、現場で事故に巻き込まれ、怪我をしてしまいました。幸いに軽傷で済んだのですが、彼を病院に運び込み容態の安定を見るのに、又時間が追加されました。
その間、20名ほどの同行者は食事をすることもなく、ただ待ちぼうけです。いやはや、状況は大混乱です。予定でトラック一台、中型トラック一台そして、私達が準備したミニバスの合計3台で10時にはカトマンズ出発を予想していたのが、5時間遅れるという異常事態になってしまったのです。
しかも、この三台の車両は、それぞれコンボを組むのではなく、出発できる状態になった車両からGOサインです。私の乗ったミニバスは風のグループが別々の車両に分散して移動になりました。トラックに一人、中型トラックに一人そして、ミニバスに三人という状況で、まずは私達が先行でドリケルで待ち合わせすることになったのです。
しかし、後続の車両がいつまで待ってもやってきません。12時前にバス停付近で昼食を済ませ、待つこと三時間。午後2時半を過ぎてようやく後続の車にであうことが出来ました。さて、この時間に現地に向かっても、戻ってくるのは真夜中になりかねません。私達は、ここで始めて状況がどうなっていたのかを知ったわけです。それまで、携帯電話は通じたのですが、所在地の報告のみで、今行きますという返答だけでした。
現地へ食料を届けるには、地元の人が同行しなければなりません。前回そして前々回もそうでした。状況によっては、荷物が他の地域に流れたり、途中で強盗まがいの事件がおきたりするとの事です。また道中検問で品物の一部を教養されたりすることも日常茶飯事なようです。こうした状況では、やはり外国人が同行するのは、こうした悪習の防止策の一つかもしれません。
私達の車両に積み込んだ配給の品々は、担当のラジさんがいなくては目的地に向かうことが出来ません。カトマンズから1時間程度の地点で立ち往生したまま時間だけが過ぎて行きました。帰路が真夜中になることは避けなければなりません。
迅速な状況判断で、私達は車ごと一式(米、塩、豆そして薬)などをリーダーのラジさんに丸投げする結果となってしまいました。信頼おけるラジさんの事ですから、途中で行き先変更があるわけではないし、終点では地元の人々が配給を待っているとの事で、既に現地に到着して積み下ろしを手伝うとの事です。こうした状況を知り、今回我々は引き返すことになりました。帰りは地元のローカルバスで市内にむかった次第です。
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