2013年4月30日火曜日

第2日目 ポカラからジヌへ

ジヌのジープ溜まり場


昨日はゆっくりと休むことが出来ました。今朝はいよいよトレッキングに出発です。朝は軽くドーナッツと紅茶で済ませました。起床が6時半で朝食は7時。できたてのドーナツは、最高のごちそうです。さて、今日の予定はジヌ・ダンダという所まで進む予定です。前日交通機関の情況を問い合わせたのですが、どうも合点が行きません。情報源によって、意見が交錯しています。やはり現場に行ってみないと本当の事がわからないようです。近年ネパール各地では、道路整備が進み、山奥までバスやジープの路線が張りめぐされるようになりました。ジョムソン街道は終点となるムクチェナートまで乗り物を乗り継いで往復することが容易になり、トレッキング地図も大幅に変更となりました。アンナプルナ一周のコースもかなり奥まで車の乗入れが可能で、以前は3週間の日程を組んでいたトレッキングコースもわずか一週間で終わることも可能になったようです。

まずは、タクシーでナヤプール方面に向かうバス駅(通称バグルンバスパーク)を目指しました。宿の主人が言うには150ルピーから200ルピーが相場と聞いていたのですが、タクシーの運転手は300ルピーという料金を下げようとはしません。結局300ルピーでバス駅までという悲惨な結果です。タクシーに乗り込んでから、運転手が言うには、「このままナヤプールまで行くならば、1200ルピーでいいですよ」進めてきました。バス駅に到着すると、ガランとしています。それを見た運転手は追い打ちをかけるように「ほら、バスは出発してもういないよ、どうだね。このタクシーをそのまま使ったら?」とけしかけてきたのですが、それは丁寧にお断り。タクシーを降りると、早速別のタクシーが、「1200ルピーで行くよ!」、「一人250ルピー、4人だから1000ルピー」と声がかかってきます。そんな運転手の呼びかけを無視して、切符売場のカウンターへ向かいました。運良く8時丁度のバスがありました。バスで行くと一人110ルピーです。4人分だと440ルピーです。乗合バスですから、所々乗客や荷物の積み下ろしがあって時間がかかりますが、そうといってもせいぜい30分早くつくかどうかの違いです。バスの切符には座席も指定してあり、何の心配もありません。こうして8時出発のバスは、若干時間を要したのですが、9時40分にはナヤプール到着となりました。

さて、ここからが勝負どころです。ナヤプールからABC方面へ向かうジープを見つけなければなりません。ここからは、ジープの路線が2つあるようです。どちらも同じ方向にあり、終点近くで道路が分岐し、一つはガンドルックが近いキムチェという村に行く路線と、ABCトレッキングに便利なシワイという村に行く系統に別れています。一台貸しきりとなると、高額になるので、シェアするのが得策です。ナヤプールの最奥の地点で数台のジープが待ち受けています。例によって最初の言い値は2500ルピーとか声がかかりました。でも、この金額は私達にとっては高額です。一旦この場所を引き下がって、近くのお茶屋さんで一休みです。お茶を頼みながら、じわじわと情報を探ってみました。「ジープは乗合にすれば、地元の人は150ルピー、外国人は300ルピーだよ」と親切に教えてくれました。まさに正直そのものです。会話中にジープの運転手らしき人物が立ち寄ったと見え、急にひそひそ声になりました。お茶屋さんで20分ほど作戦を練っている間に、先ほとのジープの運ちゃんが値下げ交渉にきました。2200でいいよ!そして、10分ほどすると、2000ルピーまで下がりました。もう、こうなったら我慢比べみたいなものです。なるほど、待てばどんどん値段が下がってきます。最後にまとまったのが、「地元の人も一緒で乗合みたいになるけど、そうしたら1500ルピー(我々4人分)でとうですか?」これで、交渉妥結です。地元の人が乗り込むといってもネパール人が三人乗り込んだだけで、半分貸切の状態でした。途中でトレッキング許可書のチェックポイントと、アンナプルナ保護区の入域料のチェックポイントで必要な書類を呈示して無事通過。ジープは砂埃を巻き上げながら、悪路をずんずん進んでいきます。歩いているトレッカーをどんどん追い抜きながら次第に標高を高めて行きます。目的地となるシワイへ到着したのは、11時半過ぎでした。ここで、昼食となります。しかしメニューを見てびっくり仰天です。ナヤプールだと100ルピーから150ルピーのネパール定食が、500ルピーとs記載されています。他の品物も下界よりも数倍高く設定されています。そんな中で比較的安価なインスタントラーメンを注文して昼食の代行となったのです。しかし、ガイドとして同行したケダールはネパールの定食(ダルバート)を腹いっぱい食べても110ルピーの支払いで済んでしまいます。一般的には、ネパールのトレッキングの食堂や宿はオーバープライスとなっていて、そのかわりガイドの食事代は異常に安く設定されています。
ジヌの温泉
ジヌの宿
さて、シワイからは、本格的な歩きとなりました。天候にも恵まれて雨の気配はありません。標高もまだ2000mに達していないので、結構暖かい土地柄で、山の中腹に沿った道が続いています。10年前に、ガンドルックという村からランドルックという村へトレッキングに出かけた事を思い出しました。急勾配の坂道を下って、又登るという厳しい行程でした。1時間ほど歩いた所で今回も以前通過したキミュという谷合いの村で一休みしました。宿と茶店を兼ね、庭は手入れが行き届き多くの種類の花が咲き誇っています。さて、ここからしばらくの間、ニューブリッジという地点まで川沿いに道が続き、気分も爽快です。それを過ぎると道は次第に登りが多くなります。今日はトレッキング初日ですから、まだまだ体力が温存されているようで、皆さんに疲れの気配は見えません。こうして難なく初日は、休憩を含めておよそ4時間の歩行を記録しました。到着は4時半前でした。我々が宿に到着して間もなく雲行きが怪しくなり、シトシト雨が降り始めたのです。そんな中ガイドのケダールと坂本さんは、近くにある温泉に出かけました。この温泉は最近人気があるようで、訪れる人も多く、ネパール人は10ルピー、外国人は50ルピーという料金が設定されていたそうです。今日の宿はチベット・ホテルという名称で、シワイ方面から登り切って最初に目につく宿です。客数も少なく何となくガランとした宿です。トレッキングでの宿は、その地域毎に部屋代やレストランのメニューなどは、アンナプルナ保護区の規制を受けてほぼ横並びになっています。設備や食事の内容は殆ど変わる事はありません。そんな中で特色を出して、より多くの顧客を獲得しようときめ細やかなサービスを売りにしなくてはなりません。スタッフの躾や、庭の手入れ、部屋の設備の充実や水回りの管理などを徹底している宿は自ずから人気の的となり、いつも満員気味になってしまいます。私の作戦は、中級所を狙う事にあります。多くの外人で混雑するよりも、少し閑静な場所を確保したいものです。又客数が少ない分、融通が聞き、時には割引にもありつく事ができます。さて、この宿には冷蔵庫、テレビが完備(各部屋ではありません)で、まさに、これが山奥の生活かと目を疑ってしまいます。後日気がついたのですが、自動洗濯機も山奥に入り込むようになりました。この地域でもマイクロハイドロプロジェクトと言って、小川を利用した小規模の水力発電で電気を供給しています。しかし、夕方になって停電です。天候は荒れ模様となり、雷の影響です。こうした事はしばしば起きるようですが、村人達は、それがあたかも日常茶飯事との事で左程パニックになる様子もなく、ローソクを提供してくれました。
ジヌ集落



今日の夕食はスパゲッティと馬鈴薯料理と焼き飯の三品を三人でシェアすることになりました。この方式は、それ以降の日々も続く事になりました。平均年令67歳ともなると、食事の分量は細くなります。通常トレッキング会社に完全委託すると、食べきれないぐらいの食事代が設定されています。若い人々で食べ盛のグループならば、納得出来るのでしょうが、我々のような高齢者集団となれば、自分たちの食した分のみで計算されるのが有利となります。



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