2015年3月19日木曜日

ゴサイクンドトレック第二日目ドゥンチェからシンゴンパ

今日の行程

昨日の雨も止んで、今朝は青空が拡がり私達の出発を祝福してくれるかのような天候です。ちょっとリッチな朝食を済ませて8時過ぎに出発です。昨年のトレッキングで私は腰痛が原因で参加することができませんでした。しかし今回は体調万全なるようです。何しろネパールは私にとって居心地の良い場所で、あちこちからお声がかかり、無償お助けマンとしての活動が次第に輪を広げて多忙な日々を送っている今日この頃です。その活動範囲は、ネットの環境さえあれば、あたかも在宅勤務をしているかのように、日本の友人から、バンコク在住の友人から、お悩み相談(主としてコンピューターの利用に関して)を受ける日々です。これでは慢性疾患も嫌がって取り憑いてくれないのかもしれません。今日の行程は標高およそ2000メートルのドゥンチェから3300メートルのシンゴンパまでおよそ1300メートルの標高差を登らなければなりません。地球の歩き方の標準タイムとして6時間と記載されています。果たして我々は標準タイムで到達出来るのでしょうか?しかも標高差を考えると高山病発症の可能性も高いといえる状況です。
赤いシャクナゲが

デオラリからの展望

Dimso(ディムソ)の茶店

シンゴンパの宿

夕食

案の上、トレッキングを開始して1時間半ばかり経過した地点では、元気のない表情で下山欧米人と見受けるカップルが下山を余儀なくされています。話を聞くと、2900メートル付近の山小屋に着いたものの、高山病で降りるとの事。20代後半とおぼしき年齢層です。もしかして、我々もそうなるのかなぁ!と多少の不安もありますが、今回は坂本さん達との山行は4回目です。2012年のランタン谷・キャンジュンゴンパ、2013年のアンナプルナ・ベースキャンプ、2014年のエベレスト街道(これには当方不参加)そして今回のゴサイクンドと高齢ながらも経験豊富です。もう体も慣れているのかもしれません。それとも、高齢で心肺機能が鈍感になって高山病として意識がなくなっているのでしょうか!
ドゥンチェから30分程は、平地が続きますが、登り口には小さなお茶屋さんがあります。地名はサヌ・ゴサイクンドと店を切り盛りしている老夫婦が答えてくれました。話をしている内に、この夫婦の娘が日本に留学しているとの事です。いやはや、こんな山奥からも日本へ留学するという事は、何も格別な事ではないようです。昨日バスの車内で出会った女性はクウェートへ出稼ぎ・・・・。ネパールの角から角まで人材の流出が続いていることに驚いてしまいます。
さて、行けども行けども上り坂が続きます。ジャングルの中を無我夢中で歩き続けるしかありません。初日としてはかなりきつい行程です。3年前のランタンでは、一日の登り標高差は1000メートル以内でした。今回は初日から、その高低差をはるかに上回っています。眺めの良いデォラリ=2676m(ネパール語で峠の意味)についたのは、3時間半後の11時半頃でした。チンタラ歩行で700メートル弱稼ぐことが出来ました。これなら何とか今日の目標シンゴンパは大丈夫でしょう。さて、ここで一休みしていると、昨夜同じ宿に宿泊したインド人親子が後に続いて休憩です。ネパール人のガイドを付けてのトレッキングです。私がヒンズー語で話しかけると上機嫌で、中部インド、プーナからやってきたとの事、目的はヒンズー教徒の聖地ゴサイクンドだそうです。ネパール語はヒンズー語と類似していますから、ガイドにとってはコミュニケーションの問題は皆無です。このコースはキャンジュンゴンパへのルートに比べてひっそりとしたトライアルで
ヤクや馬の隊列に出くわすことも稀です。キャンジュンゴンパのルートでは、道中3000メートル付近にはランタン村という大きな集落があり、人々の生活を感じさせてくれます。しかし、この地域では、今日の目的地なるシンゴンパが農業が営まれる最奥の村という印象です。それより上はトレッキングや巡礼宿として集落があるという状況です。この峠で一休みし次の目的地なるDIMSOという地に向かいますが、これが、又急斜面の連続です。今日はどうも苦しい一日になりそうです。
さて、夕方薄暗くなってフランス人のグループがやってきました。今日のお昼過ぎにトリスリからドゥンチェに到着し午後2時ごろから歩き始めたそうです。ここに到着したのが6時過ぎですから所要4時間ですからさぞかしくたびれたことでしょう。男性三人にネパールの女性ガイドが一緒です。彼女はフランス語が堪能なようで、お客さんを前に饒舌を振るっています。さらに驚くのは、疲れきった体に英気を注ぐかのように、現地の地酒トォンパを啜りながらの大活躍です。通常ガイド達は、お客さんを連れてくると、必ずといって良いほどロキシー(現地のお酒)を振る舞ってもらうのが常です。しかし、これは客の目に入らないように、ひっそりと台所に入って喉を潤します。勇敢にも、この女性ガイドはお客さんの前で平然とご機嫌で一杯も二杯も煽っています。実は彼女はに、数年前私達のガイドサルキと同じ教室でアイストレーニングを受けたそうで、サルキの顔を見て「どこかで会ったかもなぁ?」という関係でした。聞く所によると、彼女は残念ながらトレーニングの試験におっこちてしまいました。その後、女性なる事を武器にして教官を述懐して翌年無事試験に合格したという奇妙な噂の持ち主です。そんな彼女は、自分のお客さんを放置したまま、近くに座っていた韓国人の単独トレッカーと親しく話込んでいます。いや、はやガイドといえども幅広いものがあるようです。
三人のフランス人は陽気そのもので、一人はご年前に三週間ほど日本を旅行したことがあり、今は学校で日本語を勉強しているとか!なかなかの日本びいきで綺麗な発音をしてくれます。時間がないので、明日はシャブルベンシ方面に下るようです。暖炉を囲んで様々な人々との交わりは、あっという間に過ぎていきました。

1 件のコメント:

  1. 還暦を10年程前に迎えた私たちが、1300mの標高差を、高山病の不安を抱えながら、
    登り切ることができるのか、大きな心配をしましたが、標準時間を 大幅に超えることなく
    たどり着くことができました。ゆったりしたペース・リラクッスした雰囲気・気張らない気持ちのおかげと思います。シンゴンパの頭上に降り注ぐ満天の星を眺めていると、疲れはどこかへ飛んでいきました。

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