シンゴンパから20分ほど急斜面を登ると穏やかな水平道が続いています。山の中腹を横切る形で展望も良く、快適なトレッキングです。それを過ぎると北斜面に回り込み、森林の中、残雪を歩きます。その後雪でぬかるんだ道を歩くこと10分でチョランパティに到着です。ここまでは所要2時間標高差300メートルです。ここが、ラウルビナヤクへの中間点となるようです。展望も良く照りつける日差しがまぶしいくらいに輝いています。ここから、南東方向を見上げると今日の宿となるラウルビナヤクの建物が小さく見えています。
さて、標高は3600メートルですから、富士山のそれに近くなっています。当然の事ながら、ここから先の道は休憩しながらゆっくりと登らざるを得ません。ステップを踏むごとに、動悸が激しくなっていくのは、誰しもが同じでしょう。このコースはめったに人に会うことはありません。それでも、欧米人10名ほどのグループと単独のトレッカーに出くわしました。
チョランパティからは植生が大きく変化し、低木地帯になります。チョランパティで30分ほど休憩をした後、残雪を踏み込みながら凡そ1時間の登りで無事ラウルビナヤクに到着です。ここからは、東はランタンリルンを始め西はアンナプルナ山峰に至る雄大なパノラマを眺めることの出来る絶景の地です。GPSは富士山の高さをはるかに上回る3922mを示していました。
ネパールのトレッキングは標高が高くなると、当然の事食事代や宿代もうなぎのぼりにアップしていきます。ここではメインの食事一皿は500ルピー程度に設定されていました。
7年ほど前に、この地を通過してゴサイクンドに出かけた事があります。当時は天候にも恵まれ雪もなく、快適に歩くことがでたのですが、今回は降雪にこそ悩まされる事はないものの、残雪の道を歩くには、一歩一歩足元を確かめながらの歩行です。それでも、チョランパティから300mの登りは1時間ほどで到達することが出来ました。今日は、昨日の強行軍もあったので早めに休息を取ることになりました。我々が一番乗りの客だと見え、他に誰も客の気配はありません。運良く眺めの良い部屋をゲットです。多少なりとも隙間風が入るのですが、パノラマ全開の圧巻でご勘弁を!ちなみに部屋代は一部屋300ルピーの設定となりました。
日が沈む頃になると、続々と客が入ってきました。ヘランブーから峠を越えてやってきたグループ、これから峠越えを狙うグループなど様々です。国籍もフランス、ドイツ、スイス、デンマーク、アイルランドそしてガイドやポーター役のネパール人などが薪ストーブを囲んで夜の団欒を楽しむことができました。そうそう、今日はドゥンチェから肉が届いたようで、台所は大忙しです。我々のガイド役のサルキも応援です。彼は肉塊を器用にさばいていました。この肉の塊をみたからには、見逃すわけには行きません。今夜はバフ肉炒め特注の夕食となりました。料金は一皿500ルピーでしたが、久々の肉の味に胃袋は懐かしがっていたようです。